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今週の喝 第170号(2008.7.21〜2008.7.27) 〜偉人に学ぶ……白隠禅師(22)〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

偉人に学ぶ……白隠禅師(22)

 軟酥の法は、呼吸法にイメージ法を加え、身体全体に「氣」を流すことによって、身体の状態を整える術です。
 我々生物には、心があり、その心のエネルギーが「氣」です。そして、その心に志向性を持たせることによって、氣がその方向に働きます。心の志向性は、我々人間においてはイメージをしたり、実際に五感で感じることによって現れます。
 意中の異性に対して心の志向性が働き、例えばそれが片思いであった時など、胸苦しくなるのは、相手に向けた氣が伝わらない=氣の滞留が起きているからです。これが「恋の病」で、昔から「草津の湯でも治らない」と言われました。この解決法は、氣の交流以外に治療法がありません。
 恋の病も気の滞留が原因です。その他の病も同様に、気の滞留によって肉体が硬化し、同時に思考状態がマイナスになって、ますます自分の中にマイナスの氣が滞留してしまうという悪循環が起きてしまうのです。
 気の滞留が全ての原因と考えても良いのではないでしょうか。とにかく、邪氣を外に出すことをやるということを白隠禅師は夜船閑話なのかで我々に教えてくれています。

=大あくびは邪気の排出=
 最近は鬱(うつ)になる人や自閉症、はたまた分裂病になる人が多く、挙げ句の果ては自殺に至るという世も末の社会が展開されております。これも、気の滞留が原因ではないかと私は考えます。
 子供が鬱になる場合、そこには親との氣の交流がない場合がほとんどです。鬱の子を持つ親に、「会話をしていますか」と問うと「しっかりとやっている」と言う回答が返ってきますが、実態を調べると、親が一方的に“教育”と称して子供を叱責している、一方通行の場合がほとんどです。
 鬱の人、又はその予備軍は、ほとんどアイコンタクトをとってくれません。人を愛した経験のある人は、みな相手の目を見て、その目の動きや表情から自分に対する“氣”を感じ取って、その反応を相手に返します。アイコンタクトをとらないというのは、この氣の交流を遮断しているのです。従って、返事もありません。それをまた叱責すると、ますます心を閉ざし、氣の滞留を促進させます。そして、溜まりに溜まった悪い氣が、あるとき心の許容量を超えた時、暴力行為に走ったり、自制心をなくして論理構成を失なったり、自殺に走ったりするのです。全てが、氣の遮断から始まった現象のように思えてなりません。
 なぜ、この様な氣の遮断が頻繁に起きるのかを考察すると、現代っ子の言動に恐ろしいまでの二元論を感じます。つまり、好きか嫌いか、好きなものは取り入れても、嫌いなものは排斥する。好きなものばかりに執着し、嫌いのものは見向きもしない。人間然り、食べ物然り、勉強然り……そこには論理も摂理も関係なく、自分の感覚感性だけで判断し、決定する。そして、「うるっせー、ババア」「うざってー」など、氣を遮断する言葉で、全てのリレーションを破壊してしまう若者が非常に多いのも目に付きます。
 その上、自分の興味のあること以外は無知蒙昧の“おたく”人間が増え、そこに社会性という、自制心と人間関係の重要性など全く持ち合わせていない人たちが急激に増えてきました。これは、氣の交流が人間関係の要であることを教えてこなかった「教育」に問題があるのです。

 深い呼吸は、この様な“氣”を全身全霊に行き渡らせ、また血液やリンパの循環を促進します。リラックスしてベッドに横たわっても、いすに座ってもかまいませんので、しっかりとイメージの点をおでこから胸を通ってへそから腹へと下ろしながら息を吐いて行きます。(詳しくは『今週の喝(2008.7.7日号)』参照)
 この様に、深い呼吸を想像上の意識の点と共に身体を巡らせるようにすると、不思議と手足や下腹部が温かく氣が流れるのを感じられるようになります。案ずるより産むが易し、やってみると意外と簡単にできるものです。そして、この呼吸を続けて行くと、例えば膝痛や胃腸の不調がすっきりとしてくるのを感じるようになります。さらにこの呼吸法を続けると、大あくびが数回出るようになるでしょう。これは、体中の古い氣が体外に出てくるために起こる現象だと言われています。
 私も、鬱や自閉症になった人と面談したことがありますが、アイコンタクトは取れず、常に姿勢が悪く、ため息混じりの浅い呼吸であるにもかかわらず、その人が“あくび”をする場面には一度も遭遇したことがありません。
 この様に、軟酥の法は、どこか痛いとか悪いとか言うところを直すだけではなく、一種のストレス解消、意識のコントロールにもなる、つまりは躁鬱のバランスをとって気分をコントロールできるのです。

 あくびやため息は
     人から人へ伝播する

この続きはまた来週……('-^*)/