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今週の喝 第980号(2024.03.04~03.10)〜吹奏楽は冬の天気図・“西高東低”〜

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〜吹奏楽は冬の天気図・“西高東低”〜

 さて、我が今津中学校は全日本吹奏楽コンクールに主眼を置いてスケジュールが組まれています。新一年生が4月初旬に入部してくると同時に、大体1ヶ月と少しで先ずマーチを3曲マスターさせます。曲目は①「アチーブメント(達成)」、②「海兵隊」、③「ミリタリー・エスコート」、この3曲は5月のゴールデンウイーク明けに行われる今津中学校吹奏楽部定期演奏会の定番です。この定期演奏会では、上級生(2,3年生)は自由曲を父兄達に初お披露目し、「今年はこの曲でコンクールに挑みます」というお披露目の役割をします。
 以後、一年生は徹底してマーチを毎週一曲ずつマスターしてゆくので、合計約30曲をマスターして先輩達の全日本吹奏楽コンクールに立ち会うのです。(余裕のある学年では約50曲位マスターします。私の時代がそうでした。)
 そして、11月後半のコンクールが終われば、いよいよ新1年もレギュラーとして新メンバーに採用されます。しかし、この頃から新2年生による“地獄の扱(しご)き”が始まります。12月から翌年の3月までが、新一年生にとって正念場です。今では考えられないパワハラもへっちゃらで行われます。何せ、中学生という子供ですので、限度というものがありません。(今では宝塚歌劇団に受け継がれておりますが……。)この時期、たった1年ですが上級生に嫌われたなら、ビンタの連続を喰らうことも屡々です。
 私も例に漏れず、この時期シッカリと“焼き”を入れられました。でも、決して音を上げなかった!そして12月も中頃になると、内海重典先生の構成演出で宝塚歌劇団のホームグラウンド「宝塚大劇場」で、1年の締めくくり「アマチュア・トップ・コンサート」が開かれます。この頃コンクールを制覇していたのは、“吹奏楽は西高東低”と言われるくらい、ほとんどが関西の団体が優勝しておりました。
 小学校の部は「池田市立呉服小学校」、中学校の部は我が「西宮市立今津中学校」、高校は奈良県天理市の「天理高等学校」、大学の部は、「関西学院大学応援団総部吹奏楽部」、職場の部は「阪急百貨店吹奏楽団」、一般の部は「尼崎市吹奏楽団」が占めておりました。そして、それに宝塚音楽学校の生徒も加わり華やかなフィナーレ・エンディングが演出されます。

 

★★「これが大人なのか」と舐めてかかった★★
 この「アマチュア・トップ・コンサート」に出演するために、高校以上になるとその為に越境入学してくる生徒や学生もいたと聞いています。
 このコンサートでも、内海重典先生の演出は破格のものでした。(このコンサートでは演出者は内海先生単独ではなく、その頃、頭角をあらわしてこられた横澤先生と1年おきだったと思います)。夫々(それぞれ)の団体は、自分達が得意とする演目をこなした後、合同演奏になります。こんな大きな舞台は一年生にとっては初めてです。得津先生は、「日本一になるには、度胸が一番じゃ」と音が濁るかも知れないにもかかわらず、一緒に出演させてくれました。
 私が一年生の時は、宝塚歌劇団のエンディングの定番であるあの“大階段”に乗せられ、そこでフルートを演奏しました。曲目は3曲ほど演奏しましたが、一番印象に残っているのは、映画音楽の「エル・シド」です。今振り返ると、大階段の私の左隣にいたのは、今や押しも押されぬ大女優の黒木瞳さんだったように思います。彼女はこの年(1964年)宝塚音楽学校の一年生だったようです。そして、合唱隊での参加でした。そして、右側は関西学院大学の学生さんでした。(集合写真を見て、初めて気付きました)
 この「エル・シド」という曲のラストは、変拍子で少し気を抜けば他の人達とアンサンブルが合いません。この曲は中世のスペインとイスラム教徒の戦いを表した映画でした。(確か、主演はチャールトン・ヘストンだったと思います)
 そして、この最後の変拍子の部分になりました。案の定、最後のプレスト(もの凄く早いところ)の部分では、トランペット、クラリネット、サキソフォーンなどミストーンの連続です。私の隣の大学生のフルートもボロボロの演奏でした。この時私が感じたことは、大学生といえども気を抜けば「まだ笛を持って8ヶ月しかたたない中学生にすら負けるのだなぁ」と感じました。その時、他に良いところがあるにもかかわらず、私の心の中にあるバロメータは、“素晴らしい人間=笛の技術”そのものと錯覚したのでした。後で、その大学生と少し話したのですが、合同演奏などのごまかしのきく場では(出場メンバー全員での演奏になると、舐めてかかって真面目に譜読みや練習をしてこない)……「これが大人なのか?」と悪い先入観が私の心に生まれたのを記憶しています。

  この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/