M&Uスクール

潜在意識の有効活用を教える学校”M&Uスクール”のサイト

今週の喝 第979号(2024.02.26~03.03)〜今度は機関銃連射+万歳突撃!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
成功への道しるべ!この世は全て催眠だ721

〜今度は機関銃連射+万歳突撃!〜

 さて、宝塚歌劇団名誉理事の内海重典先生について書いています。とにかくチャイコフスキーの大序曲「1812年」はメチャクチャ印象に残っています。フルートだけで50人はいたでしょう。西宮球場(今は、取り壊され西宮ガーデンズというショッピングセンターになっています)の内野いっぱいに、2000人のプレーヤーが所狭しとひしめき合っているのです。そして楽曲の終盤では陸上自衛隊中部方面隊のキャノン砲3門が、ここぞとばかり砲口を唸らせるのですから、凄い!私の座っている位置から4~50㍍の所にある砲門が唸ると、お腹の底から突き上げられるように響きます。それに、空砲といえど大砲の煙硝の匂いが風に乗って私たちフルートパートのところまでやってくるのです。後に、我が(戦争体験のある)得津武史先生が教えて下さったのですが、本当の戦場は、あの煙硝の匂いに兵士の流した生臭い血の臭いが混じり、それが軍服に染み込んで死臭を漂わせる凄惨な光景だったと伺いました。
 その頃、若き内海重典先生は、宝塚の女優さんを引き連れて慰問団団長として各地の日本軍駐屯地廻りをしておられたそうです。
 この西宮球場でのページェントの模様が写真入りで大々的に産経新聞に掲載され、世論を大きく二分しました。結果は、色々と反論もあったようですが、それよりも演奏の素晴らしさの方がみんなの印象を牽引したため、翌年(私が中学2年生の時)もこのスタイルでいこうと言うことになり、今度は日本を代表する大阪の作曲家・大栗(おおくり)裕(ひろし)先生「交響詩・日本のあゆみ」の作曲をお願いし、今度はこの楽曲の戦争場面では、キャノン砲が4門に増え、普通科連隊の兵隊さん40名が加わり、機関銃の連射から、曲の終盤では、旧日本軍の十八番(おはこ)であった万歳突撃のシーンまで加わったそれは壮大なもので、この時も指揮は朝比奈隆先生でした。

 

★★先生の演出は・合わせ鏡★★
 何はともあれ、内海先生の演出は世間の風評などお構いなしの破天荒且つ壮大な(先生独自の)大ページェントでした。そして、1970年(昭和45年3月15日~9月13日までの183日間:私は高校3年)に幕開いた日本万国博覧会のオープニング・セレモニー、閉幕式全てがもちろん我等が内海先生の構成演出でした。そして、「お祭り広場」の総合演出も担当されており、私は大学受験を眼前にひかえた高校3年生であったにもかかわらず、今津中学校に夏休みの全て(コンクールは除く)に出演依頼があり、私にその為のドリル演奏用の編曲まで依頼が来たので、約30日間は毎日、万博お祭り広場に居りました。(言い訳ですが、そんな態度なので受験は大失敗を致しました)。
 この時に、総合プロデューサーの内海先生と親しくお話しをさせて頂く機会を頂戴しました。生意気を言うようですが、今中のステージドリルのアレンジャーが、まだ高校生ということに大変興味を示して下さったのがとても良き思い出です。
 この頃、“なにわのモーツァルト”「キダタロウ」先生は毎朝7時半より、朝日放送で演歌や民謡をマーチ(行進曲)に編曲して、同じプロダクションのビッグバンド(主にジャズを演奏する楽団)「居上博とファインメイツ」の演奏で、水前寺清子さんや都はるみさんの歌う演歌を軽快なマーチで演奏して、それを聴いてから登校していました。この楽団には、私たち今津中学校吹奏楽部の金子先輩(家も我が家の近所)が楽団長の居上博さんにスカウトされ高らかにその音色を響かせておりました。
 そんな折りに、内海重典先生から、日本の民謡をマーチに編曲して、それをお祭り広場のページェントでやることが決まり、その編曲依頼が5曲舞い込んできました。「八木節」「下津井節」「相馬盆唄」「北海盆唄」「鹿児島おはら節」……これらを全てマーチテンポにして、お祭り広場を日本の祭り一色にしようというのです。
 内海重典先生の下で色々と仕事をさせて頂く内に、先生のフリーチャイルド性に気付きました。つまり、子供のように純真無垢な心で、ステージを作ってゆかれるのです。そして思い立ったら、そこに間髪を入れずアイデアとして形にされます。ですから、私にアレンジの依頼をくださる時も、テンポがどうこう、メロディーは……、などと一切言われず、私に完全に任せて下さいました。そして完成したアレンジを音として聞いてその直感から、ステージの振りを付けてゆかれます。このような作り方をされると、返って怖いです。何故なら、太陽の光を鏡で反射し、そこにプリズムを入れて色目を作ってゆくような手法なので、こちらの作る音色がイマイチだと、演出に輝きが出てこないので、よくわかります。私が感じたのは、内海先生の演出は、合わせ鏡のように深遠な世界がそこに広がってゆくのです。

 

  この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/