M&Uスクール

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今週の喝 第510号(2015.1.26〜2015.2.1) この世は全て催眠だ(252)〜「小次郎敗れたり!」は予告暗示〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(252
〜「小次郎敗れたり!」は予告暗示

 今年は“未(ひつじ)”年!
この年に生まれた人は、とても“優しい性格”を有していますが、その反面、大変“小心者”でもあります。
 このように書くと、未年生まれにかかわらず、“とても優しい”と褒め言葉で喜んでいるのも束の間、なんで私が“小心者”といわれなければならないのだと、腹立たしい思いをする方も居られるでしょう。
 ここで、皆さんは一つの矛盾が起こっていることを気付いたでしょうか。それは、“小心者”が立腹して事に対処したとき、果たして、その処理が上手くゆくかどうかというパラドックス(矛盾点)です。
 “とても優しい人”の行動基準を正確に見返してみれば、あらゆる事を「逡巡(決心がつかなくてためらうこと)」から始まる性質に気付くはずです。人間の成功失敗の分かれ目は、この決心の要素が逡巡的性質のとき、何事にも積極性が生まれず、他人よりもスタートが出遅れます。その結果、マイナスの事象を招くのです。しかも、その上に“小心者”と言われて立腹状態であれば、必ず判断、思考は乱れますので、行動は杜撰に場当たりとなり、その結果、失敗を招く要素が増します。
 その昔、巌流島で宮本武蔵佐々木小次郎が決闘した際、武蔵は、わざと決闘の刻限に遅れ、小次郎を苛立たせました。そこへもって、「小次郎敗れたり!」と、刀を抜いた後の鞘(さや)を捨てた行為をなじったため、より立腹した小次郎は、刀ではなく船の櫂で作った長い木刀で眉間を打たれてあえなく敗北!そして、武蔵は、小次郎側の反撃を避けるため、そそくさと船で退散したと言います。
 これは、短気立腹をなじることにより、憤慨を促し、正常な判断ができないようにした、武蔵の戦術の勝利と私は思います。
 
★★自意識過剰が「上がり」を招く!★★ 
 私は、具(つぶさ)に世の成功者の性質を研究しました。すると、強いから勝つ、優秀であるから成功するとは、一概に言えないことに気付きました。
 成功者が持つ性質は、自分や事象をありのままに真摯に受け止め、そこに虚飾や嘘、強がりが全く無いことです。怖いときには怖がりながらも、それを素直に受け止め対処対策を練って行くと、不思議にその防止、抑止のアイデアが浮かんでくるようです。それは、勇気ある人間というのは、自分が臆病である事を素直に受け止めたときに、不思議な「火事場の馬鹿力」的なパワーが自然に湧き上がり、事を成就したと言えます。
 ですから、宮本武蔵の作戦ももしかしたら、“正直なる臆病性”……未年生まれの人間に通じるものがあったからかも知れません。その結果、奇襲攻撃のアイデアが湧き、勝利したのでしょう。そのアイデアの経路が脳に定着し、一つの「境地」をものにしたと私は考えます。
 「小心者」は、「小心」を自覚したとき、天は我々にとてもエネルギッシュなパワーを授けてくれるのです。それが“勇気”です。新渡戸稲造「武士道」で“勇気”と“野蛮”の相違について述べていますが、武士道に見られる素直さこそ、思いもよらないパワー「潜在能力」の発露だと私は思います。だから、未年生まれの人(自分が小心であると思う人)は、己の小心性を素直に受け止めて、より深い慈悲心で他人と接し、決して見栄を張ってはならないのです。
 
 ということで、先週の美人ヴァイオリニストも、美人であるが故に、より大きく自己表現をしようとしたために「上がる」ことを、脳回路に作ってしまったのです。
 答えは、至極明瞭です。「素直になれ!」なのですが、これが何度も何度も反復して同じ行為を無意識にした為、完全に「癖化」しているため、そう簡単には運びません。それは、潜在意識に回路がインプットされ、無意識化した状態です。分かりやすく言えば、右利きの人が左で箸を持つと分かるように、違和感と共に全く幼児レベルの箸使いになってしまいます。これは右利きが癖化した証しで、これを克服するには(別に必要ないかも知れませんが)、ゆっくりと丁寧に左手で箸を持つ練習を繰り返し、違和感がなくなる(無意識になる)まで続ければ良いのです。するとやがて、頭脳ではなく手の筋肉が覚えて、上手く使えるようになります。
 その昔、近代催眠の始祖と言われるエリクソン博士は、少年期に患ったポリオ(小児麻痺)克服に、赤ちゃんの成長する様を真似て、自己リハビリをしたところに、潜在意識のメカニズムの発見がありました。
 従って、件のヴァイオリニストの上がりも、技術は本当に優秀であるにもかかわらず、自分を素直に表現する能力に欠けていたため、「自意識過剰」の心理状態が癖化して、「上がり癖」となっていたのです。
 ですから、この克服は、意識や精神では絶対に無理です。それこそ、無意識(潜在意識)の分野に直接作用する「催眠法」以外に救う道は無いと私は判断します。さて、その実際は……!

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/