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今週の喝 第451号(2013.12.9〜2013.12.15) この世は全て催眠だ(193)〜「……頂きます」は、暗黙の命令語〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(193
〜「……頂きます」は、暗黙の命令語

 「私がMailに添付し送らせて頂きました企画書は、読んで頂けましたでしょうか」
 こんな文書をよく見かけますね。先回も申しましたが、「頂く」という一見丁寧に感じられる言葉には、実は、暗黙の命令が含まれていたのです。上記の文章を少々品悪く(思っている通りに)書き直すと、
 「(お前が指示して作成せよと言った)企画書を、しっかりと書いて添付ファイルで送ったのに、(ウンともスンとも返事がないけど)しっかりと確認したのか」
 ちょっと、言い過ぎな表現かも知れませんが、社会人ともなると、思っている事を婉曲に表現するのはお手のものですね。
 先日も、読売新聞の読者欄に、
 「たった三行のMailに、5回も“頂きます”が出てくる。何か現代日本人の文章が変になっている」
という旨の投書が掲載されていました。
 日常用いる“言葉”は、我々の生活の中で親兄弟、上司部下、師弟といった間柄の中で自然と身に付くものです。いちいち「この表現は……」などと考えて喋る人間は、ほとんどいないでしょう。しかし、無意識に修得した言葉も、その人間の意志を如実に反映している事は確かです。
 先回も書きましたが、TVドラマ「半沢直樹」の中で、「○○して頂きます」という台詞が出てきた時には、必ず、言葉は丁寧だけれど、その内実(心)は、“命令の意志”がハッキリしているときに用いられておりました。素晴らしい台本だと、私は感心しながら食い入るようにTVに釘付けになったのを思いだします。
 多くの人が、ユーキャンが主催する今年の流行語大賞に「倍返しだ」を挙げていましたが、私は「頂きます」こそ、ドラマ「半沢直樹」の視聴率獲得の隠れ言葉だと思います。

★★勧誘は「理想」を明快に語れ!★★
 プレゼンテーションには、前提条件を明示して、「如何に我が方の思惑通りに有利に事を運んで行くか」という、大命題があります。
 ちょっとしつこく申しますが、一人の優秀な人間がいて、その人間を自社に雇用したいと思っている社長がいました。その社長は、その人に
 「我が社に来て、一緒に働きませんか」
と優しく丁寧に“お誘い”していました。
 本当は、
 「私の会社で働きなさい!」
と言いたいのでしょうが、そう言う高圧的な物言いは、相手の自尊心を傷つけることを知っているので、この様に婉曲の言いまわしになったのでしょう。
 しかし、言われている側からすれば、自分が生活の糧を頼みとする会社への勧誘に、優しく……言い換えれば、軟弱な表現で言われても、決心は固まりません。また、勧誘した側(社長)も、彼を入社させたいのに、その意志をハッキリと伝えられたかどうか不安が残り、釈然としません。互いに、明快性を欠いたまま事態は推移します。この様に、勧誘には二重拘束の要素が多分にあります。セールスマンの物品販売も同様です。
 人間の心には、素直な自分とへそ曲がりの自分がいます。荒っぽい言い方ですが、世のあらゆる宗教は、この歪んだ自分を排除し素直な心が人間を統括するための手法を提供していると言っても良いでしょう。
 つまり、宗教的目覚めの無い人間は、どこかに「反抗的」な心を持っています。何の遺恨も無いのに、ただ、地位が上だとか、お金持ちだとか、美人だとか、成績優秀だetc.と言うだけで、反抗的な気持ちが少なからず出てきたことは、多くの人間が多かれ少なかれ経験済みだと思います。哲学者ニーチェは、これを「ルサンチマン」と言いました。(ルサンチマンとは、デンマークの思想家セーレン・キェルケゴールによって確立された哲学上の概念で、ニーチェによって紹介された、弱者の強者に対するやっかみのこと)
 この様な観念から、「〜しませんか」と勧誘されると、冷静な理性的回答の前に、感情的なルサンチマンの心が、「しません」=イヤだ!と“反対の意志”を表明してしまうのです。
 ですから、このダブルバインド(二重拘束)を打破する話法を習得する事が肝要なのです。

 その為には、相手の想像力(人間だけが持つ、神より与えられた力!)を活性し、それを“快”の方向へ導く話法を用いるのです。それは、“既にそのようになってしまった”状態を想定し、その条件の下で、どんなに素晴らしい事が起こるのかを「言葉」によって想像させるのです。そこには、相手の意志など全く関係なく、素晴らしい完成した世界が存在し、それのために「その人が必要」であることを感じさせるのです。
 「あなたは、我が社で大いなる働きをして、そして、名実ともに富と名誉を獲得することが理解できるでしょ」
という風に、将来の完成形を疑う余地のない信念化した語調で訴えかけるのです。これが、サジェスト(暗示)なのです。
 プレゼンテーション(前提条件)とサジェスト(暗示)を示すことで、人は自分の将来の姿を想像し、それに向かう生命力(意欲)を喚起するようになるのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/