M&Uスクール

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今週の喝 第450号(2013.12.2〜2013.12.8) この世は全て催眠だ(192)〜プレゼン一つで売上は変わる!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(192
〜プレゼン一つで売上は変わる!

 プレゼンテーション(前提条件)が、エリクソン催眠の重要な手法であったというのに驚かれた方もおられたことでしょう。人間関係のコミュニケーションに関するものは、全て、その用い方如何で催眠誘導の手法となるのです。
 この間も、あるセールスマンが、
 「よろしければ、お買い求め下さい」
と言っているのを聞いて、私は意地悪く
 「よろしくないよ」
と心で叫んでしまいました。
 ハッキリ言って、下手くそのセールスとは、無知蒙昧から来るものであって、その人間の能力がないわけではありません。セールスに向けての「姿勢・表情・言葉・行動」が不適切である故に上手くゆかないのです。
 「是非、お買い求めいただきまして、快適な○○ライフをお楽しみ下さい」
などと、その商品を購入後の快適性をアピールすれば、人の心は大きく動きます。

 さて、先回書いたように、神様がいるかいないかという論議の土俵を、感じるか感じないかという個人の心の土俵に変えてしまえば、「神の存在は当たり前の前提条件」となり、否定しにくくなります。
 この原理を応用して、催眠誘導(トランス)に導くときは、
 「あなたはトランスに深く入っていますか」
 「あなたはトランスに深く入っていることを実感していますか」
と、人間がトランス(催眠)に入るのは当然で、その状態にならないのは、
 「あなたの心理状態が集中できていないからだ」
という暗黙の示唆があり、逆説的には、
 「催眠に入りなさい」
という“命令”が含まれています。

★使ってはならない“頂きます”★
 人間は、“命令”されることを嫌いますが、プレゼンテーションの言葉の用い方一つで、“命令”と感じさせずに“命令”に用いる言葉があります。
 その代表格の言葉が「〜頂きます」です。 一見丁寧な言いまわしに聞こえるこの言葉は、そのほとんどが「命令・使役」といった上から目線の言葉だから驚きます。我々は、何も気にせず日常茶飯事「○○して頂きます」と用いていますが、その内実をよく探って見ると分かります。
 「部長、この書類にハンコを押して頂きたいのですが……」
この言葉には、
 「ここに、ハンコを押しなさい」
という命令を婉曲(おだやか)に表現しているのです。実際に、ハンコを押さなければ、この案件は前進しないから何があっても押して貰わなければなりません。
 今年、大ヒットしたドラマ「半沢直樹」でも、彼がその決意を実行に移すとき、上司に向かって「○○して頂きます」を乱発しておりました。
 「もう少し、締め切り時間を延ばして頂きたい」
一見謙虚な言いまわしですが、内実は、
 「締め切り時間を延ばしなさい」
と、上司に命令しているのと同じです。
 私も、弟子たちからくるMailで、
 「先生、先般のMailを読んで頂けましたか」
と言った類の文章を貰ったとき、何か釈然としない感覚が残り、何が原因なのか冷静に調べたところ、“頂く”という言葉に、その書いた人間の“真意”が隠されていることを発見したのです。
 人は、師弟という上下関係を容認しながらも、内実は自分の深層心理に“自尊心”があるため、たとえば、叱られたときなど、フッと心の奥底では逆らっています。この抵抗の意志が、無意識に言葉となって表れ、自分の心のバランスを取ろうとして“頂きます”を用いるのです。
 但し、“頂く”という言葉にも二つのパターンがあります。その一つ目、「ご飯を頂く」といった、“頂く”自体が「本動詞」の場合の用い方は、正しい用法ですので、これは大いに用いて良いのです。
 気をつけなければならないのは、それを「補助動詞」として用いるときです。ハンコを“押す”という言葉の次に、丁寧を装って“押して頂きます”といった使い方をする場合です。この時は、自分の心にわだかまりがあり、それを覆い隠す手法として無意識に丁寧を装った命令口調である“頂く”を用いているのです。
 一度、みなさんも自分が目上の人に書いた、それも心から上司として受け入れていない人に書いたMailを読み返してみれば分かります。僅か、3〜4行の文章の中に、沢山の“頂きます”があることに気付きます。
 このことを端的に表した言葉は、映画「緋牡丹博徒」の主役・藤純子の決まり文句「死んで頂きます」でしょう。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/