潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの？
この世は全て催眠だ（６５２）
注文しない“きつねうどん”は出てこない
メキシコ系アメリカ人・ホセ・シルヴァの「マインド・コントロール」という書物も我がクラリネットの弟子である大川進一郎さんから頂戴し、焦りと苛立ちの中で一気に読み進みました。大要は「人間は、心に描いたことを必ず実現させるパワーを自分の中に持っている」というものです。
もっと具体的にいうと、うどん屋に行って、「きつねうどん一つ」と言うから自分のところに“きつねうどん”が運ばれてくる！、何も言わなければ、何も出てこない！だから、幸せになりたかったら、「私は幸せだ！」と周囲に言ってまわることが大切というような書き出しから、最後には「想いにはエネルギーがある」と結論付けられていました。
レコード大賞の会場で、実際に賄賂の授受を見てしまい、“嫌悪感”のみで恐竜のように大きな業界を敵視しても、そこにはただ敗北があるのみ……その頃の私には、「だから、何をどうしたいのか」というヴィジョン（目標と目的）が全くありませんでした。つまり、レストランに行って何も注文しないまま着席し、只々「きつねうどんは未だ来ない」と文句を言っているアホの客だったのです。そして、私はすぐさま大川さんにコンタクトを取り、色々と素朴な質問を浴びせたのを昨日のことのように覚えています。
私自身、フルートという楽器で四苦八苦し、一本の楽器ですら克服することの難しさを嫌というほど知っていた故に、物事は何をやるにも簡単にゆくものなどないことを全身全霊で知っているつもりでした。私は、ヒット曲が現れた後も、ある意味で“恵まれた環境（こちらから求めずとも、向こうからやってくる）”が続いていたので、“求める”という感性が完全に心から欠如していたのです。その事をウィーン帰りの大川さんは、自分の行動で私に伝えて下さったのです。
★★邂逅(かいこう)は続く！★★
今から考えれば、当たり前中の当たり前のことすら抜けていた私は、周囲の環境や人々の“お陰”で、自分の（生意気な言い方ですが）“才能”を発揮できていたということに気付かせられたのです。私は文字通り「努力の人」でした。それが努力よりも大事なことは「何をどのようにやりたいのか」という“夢”に近い目標設定がまるで出来ていなかったのです。
この時より、私はもがき苦しみました。それは、「何でも頼まれたものは、全て相手が賞賛をくれるほどにやりきった」からです。でも自分自身で何か一つのことをやる……もっと短絡的にいうと「何がしたいのか」が完全に不明瞭だったのです。これでは“きつねうどん”を食べることは出来ません。こんな当たり前のことが、当初、私は出来ていなかったのです。
短絡的に“念ずる”ことが全く出来ていなかったのです。それよりも、脳の何処かで「念ずるようなことが、成功の秘訣である」という「シンプル過ぎる公式が許せない」という妙な正義感が常に頭を過り、自分の行く手を阻むのを感じていました。こんなことがあって、私は、止むに止まれず自堕落な風来坊生活を送っておりました。この間も、日本音楽著作権協会から定期的に「おもいで酒」の著作権料が振り込まれてくるため、今から考えると生活に対する不安感は湧いてきませんでした。28歳のことです。若気の至りです。
こんな時、大分前にお話ししました、ヴィエール室内合奏団で出逢った浅井芳子先生のお父上（当時は浅井酒造株式会社社長）からお呼びが掛かり、今度、奈良の大和郡山ロータリークラブで、「1時間ほどで良いから、“おもいで酒秘話”ともいうべき講演をやって下さい」と依頼されました。
私は子供の頃より人前で喋ることが大の苦手でしたが、何もすることのない時期であり、何かを求めていた時期でもあったので、不本意にも引き受けてしまったのです。勝算は「何ごとも一所懸命やれば、分かってもらえる」の一本槍です。そして、原稿を書き、それを何十回と読む練習をして、当日に備えました。そして講演会当日、又々希有な邂逅(かいこう)（人生を変えるような出逢い）が待ち構えていたのです。その大和郡山ロータリークラブの講演会になんと（奈良県）桜井市の市長・池田栄三郎さんが偶然メーキャップで私の話を聞いて下さっていたのです。講演終了後、昼食会となり、私はゲスト席に案内され、池田市長の真隣に席を設けて下さっていました。そして、楽しい歓談の後、「いっぺん私の市長室を訪ねてきて下さい」という有り難いお言葉を頂戴し、次に会う約束までして下さいました。この邂逅が、またまた私の人生に予想外の偶然をもたらすようになるのです。
この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/
