潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの？
この世は全て催眠だ（１４７）
〜頭脳より心性を……！〜
名古屋の伊藤満琉(みつる)社長率いる(株)三商での新年仕事始めで、「我が社の命運は、差別化に掛かっている」と、年頭の訓示がありました。それを受けて、私は、
「全てがOEM化した現代社会で、残された差別化は、“Man Power”（人間力）のみである」
ことを、強調しました。人間力とは、言い換えれば関係力です。
現代社会は、飛躍的な文明進化と共にとても便利な生活を享受できるようになりました。しかしその反面、人間が豊かになったかと言えば、物質文明の発展と共に飽くなき強欲性（greed）が頭をもたげ、精神面、文化面では悩み、迷い、惑う人間が溢れかえっております。
教育に於いても、精神面よりも記憶主体の頭脳育成に力を入れ、心優しき者よりも成績優秀な者が評価されるため、人間性よりも機械性が長けた者が増長する社会構成になっています。
頭脳より心性を、独善より協調を、絶対より相対を
大切にすることが真の人間教育なのです。
先般、NHKのコズミックフロントという宇宙をテーマにした番組で、アポロ計画の成功の秘密を解き明かしておりました。
40万人が参加した巨大プロジェクトで、あらゆるところに天才的な智恵者がいるにもかかわらず、当初、全く進展しないのです。そこに、ジョージ・ミラー（元NASA有人宇宙飛行担当副長官）が抜擢され、遅々として進まない原因を調査したところ、天才的科学者たちは主張ばかりで協調性がなく、人の言うことを聞かないため、コミュニケーション（意思の疎通）がほとんどなかったと結論が出たのです。どんな天才も、複合化した現代社会では誰しも、“One of Them”（一つの部分）なのです。
＝全ての成功の秘訣はコミュニケーション！＝
こんな状況の中で、40万人いた部下たちの悩みはアイデアや発想が湧いて、
「誰かに聞いて欲しいと上司に言っても、『それは部署が違うから』と“たらい回し”にされた」
ことだったのです。
そこで、ミラーは空軍から選りすぐりの将校50人をヘッドハンティングし、コミュニケーションの円滑化を図ったのです。その指針は、本部の人間は“部下を見張る”ためにいるのではなく、“助ける”ために働いたのです。
その時、彼ら空軍将校が用いた手法は、いま我々がこの“喝”で学んでいる、チューニングそのものでした｡その結果、自由闊達な意見交換が為され、天才的ヒラメキが数多く起こると共に、それらのヒラメキをより良い状態に（適材適所）用いることができたのです。
全ての根源は、コミュニケーションにあることが実証されました。日本でも、戦前とても優秀な零式艦上戦闘機（ゼロ戦）が、堀越次郎の指揮の下、三菱重工業で開発生産されました。しかし、戦争の拡大と長期化で、次期戦闘機の開発には、三菱重工や中島飛行機といった枠を超えた技術と智恵が必用だったのです。
しかし日本軍首脳部は、終戦時まで二者発注的なコンペ方式を崩さず、良いとこ取りをしようとしたため、紫電改や疾風といった優秀な航空機が出現するのにあまりにも多くの時間が掛かったのです。ここにもコミュニケーション欠如の悪弊が出ています。それに比して、アメリカは陸軍海軍などの区別をなくし、お互いの技術と智恵を結集したため、
「ゼロ（戦）を見たら逃げろ」
と言った時から、瞬く間に、
「マリアナ（海）の七面鳥（ゼロ戦）討ち」
をやってのけたのです。
このように見て行けば、差別化・優位性は、全て組織の在り方……コミュニケーションが円滑に行われるところに勝利の女神は微笑むことが分かります。
人間は、誰しもお互いに影響を受け合い、与え合って社会を構成しています。遠くの恋人とも話がしたいという思いから電話が発明されたように、願望や夢が文明を発達させてきました。しかし、この願望や夢は一つ間違えば、“強欲性”に変わってしまいます。願望・夢は周囲を穏やかにしますが、強欲は不快感しかもたらしません。人あって人は幸せになる！……従って、人と人との関係こそ、全ての差別化の根本であることを忘れてはなりません。
現代社会に於ける“差別化”とは、まさしく人間の優しさと機転・機知にあり、その根本を為すのがコミュニケーション術なのです。
術と言っても「にせもの」では、どうにもなりません。心からしっかりと人間関係（義）を結ぶ心意気（仁）をもつことです。それは言い換えれば、「心と言葉と行動」が一致して、初めてあなたの中に相手を心から認める（誠）意志が芽生え、そこに勇気が生じるのです。そこにはバランスの取れた素晴らしいコミュニケーション（礼）が生まれ、その快活な歓びに充ちた関係・感性の中から智恵が湧き、お互いが信じ合う豊かな心と人間関係が成立するのです。
これはまさしく「義・勇・仁・礼・誠・智・信」の武士道七徳目と、完全に合致します。
その解説は、来週のお楽しみ……('-^*)/
