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今週の喝 第902号(2022.09.05~09.11)〜スパルタカスの乱を肌身で感じるアッピア街道〜

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スパルタカスの乱を肌身で感じるアッピア街道
 皆さんの中で、イタリアを訪れた方もおられると思います。彼の地は至る所に松の木が植えられていて、夫々の松に物語があります。作曲家オットリーノ・レスピーギはこの松に注目し、交響詩「ローマの松」を1924年(大正14年)に作曲しました。この交響詩は四つの楽章から出来ていて、その第四曲目にあるのが「アッピア街道の松」です。アッピア街道というのは、財務官であったアッピウス・クラウディウスが立案し、紀元前312年に建設が始まった最初のローマ街道です。“街道の女王”とも呼ばれウマの引く戦車を通すために建設されました。
 私もこの街道を通りましたが、ガイドの紹介では、紀元前に起きた「スパルタカスの乱」(第三次奴隷戦争)で敗北したスパルタカス達奴隷が、その見せしめのために、このアッピア街道に整然と植えられた松の木に一人ずつ吊り下げられて処刑された残酷な歴史も語り継がれています。
 この曲は、3楽章の終わりのクラリネットの大平原を思わせる優雅なメロディーの後、ガラッと雰囲気が変わり、延々曲の終わりまでティンパニーが八分音符を単調に、しかしおどろおどろしくリズムを刻み、その上にイングリッシュ・ホルン(コール・アングレ)が不気味な暗示的フレーズを奏で、その上に各楽器が一つずつ加わって、最後には大斉奏で曲を閉じる、とても興奮する楽曲です。皆さんも一度お聞き下さい(関学の演奏はCBSソニーから発売されています)
 どのパートもさほど技術を必要としないため、中学生が自由曲に選ぶ事が多いのですが、たった7分弱の曲ですが、徐々に気合いを込め、興奮して行く様、そしてスパルタカス達反乱軍の革命失敗の無念さを出して行くには、プロと雖(いえど)も精神的にクタクタになる凄まじい(と言う言葉がぴったりの)楽曲です。

 

★★ピアニッシモからフォルテッシモまで精神の戦いが始まった★★
 東京(立正佼成会普門館大ホール・3000人近く収容可能)で行われた全日本吹奏楽コンクールは、さすが大学の大会だけあって、何処の学校もテクニックは抜群で、私が印象に残ったのは、東京代表・駒澤大学関学と同じ関西代表の近畿大学の吹奏楽部でした。
 ステージに上がる前に、4回生のメンバー一人ひとりに、アッピア街道をイメージさせ、その沿道に植えられている松の木に自分達が死ぬまで吊されて居るところのイメージを、深い瞑想状態で反芻するように指示し、指揮者には「決して興奮して指揮をしない」事だけを言って私は客席へと行きました。
 全日本吹奏楽コンクールの雰囲気は、何度経験しても極度の緊張を感じます。この年は土曜日が大学や一般の部、そして日曜日に中学と高校の部が行われますので、私は2日続けてこの普門館で緊張しなければなりません。
 さて、我が手兵の関学吹奏楽部は演奏体系に座ったときから、不思議な余裕が感じられ、聴く側の者もリラックスしているのが会場中に伝わってきました。そして、井上君(学生指揮者)のタクトが振り下ろされ、課題曲は難なく爽快な演奏です。
 さて、課題曲から自由曲に移る間合い……コンクールは、課題曲と自由曲を定められた時間(12分以内)に演奏してしまわなければ、1秒でもオーバーすると“失格”になるという厳しいものだった故、何処の学校も、課題曲と自由曲の間が急いでしまうため、余裕がありません。その事を井上君(指揮者)は知っているかのように、課題曲の余韻が消え去るまで、自由曲のタクトを下ろしません。やがて、大きな深呼吸の後、私がLessonした通り「アッピア街道の松」は静かに始まりました。指揮者が落ち着くと楽団員もそれに合わせて呼吸をするため、演奏が全体的に安定します。ここから我が関学は、他校を引き離し全員ドッシリとした雰囲気で曲は進行し、特にコンサートマスターの船曳君第1トランペットの高木君の息がピッタリ合って、それに他のメンバーが薄氷を踏むように慎重について行くのが50年近く前のステージですが、まるで、昨日のことのように瞼に浮かんできます。
 そしてコールアングレのソロも難なく歌い、いよいよティンパニーの8分音符に入ります。ティンパニーは細見和志君。静かな箇所が過ぎ、1発目のティンパニーの微妙な感覚(ピアニッシシモ:P3つ)を見事に演奏し最後のフォルティッシモ(F3つ)に向かって、精神力の戦いです。

 

   この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/