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今週の喝 第900号(2022.08.22~08.28)この世は全て催眠だ(639)〜日本一の栄冠よ、再び!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(639
日本一の栄冠よ、再び!

 昭和54年(1979年)、この年は、前年に作曲した「おもいで酒」の大ヒットと同時に、もう一つ忘れられない出来事に遭遇します。
 それは、私が屈辱を舐めた大学の入試で、第一志望であった関西学院大学応援団総部吹奏楽部から“指導要請”が来たのです。関学の応援団は三つのクラブの集合体です。皆さんも応援団と言えば「フレー、フレー、カンガク!」と応援チームをまとめる“指導部”、次に応援歌や校歌の伴奏を担う“吹奏楽部”、そして最後に、バトンやポンポンを振りながら応援団全体を引っ張ってゆく“バトン部”の三つで構成されているので「応援団総部」なのです。
 この中で吹奏楽部は過去に全国制覇を成し遂げた実績を持つ由緒あるクラブだったのですが、当時は入部する学生も軟弱になり、その近年は優勝を逃しておりました。そこに以前この項でも書きましたが、西宮市議会議員今西えいじ氏が私に白羽の矢をたて、新4回生の意見も聞いて、私を指導顧問に迎えたのです。
 私は思いもよらないチャンスに、飛び上がって喜び、引き受けました。普通の人間なら過去に受験で失敗した大学なら、忘却の彼方へと捨て去るのでしょうが、持ち前の意地(頑固性)で、いつかきっと何かの関係が出来るに違いないと漠然とした希望を抱いていて、それが「学生でダメなら、先生があるさ!」と言わんばかりに、卒業生でもない私を起用して、全国制覇を試みようという魂胆でした。
 そして、求めに応じて関西学院大学応援団総部吹奏楽部の部室を訪ねると、田村君という4回生の部長を筆頭に、卒業生で監督の山口照太さんが丁寧に迎えて下さって、
 「どんな要求も努力で解決するので、元通りの日本一の栄冠を取り戻したい」と熱心に語るのです。

 
★★覇気を感じられない大学生を、どう料理するか★★
 そして、練習場で彼等の演奏を聴かせて貰いました。その第一印象は、ハッキリ申しますが「全く感動のない演奏」でした。我が出身校である今津中学は、指導者の得津武史先生の薫陶と情熱が染み込んで子供乍らに溌剌として、彼等が歩く姿一つとっても機敏で、そこにはリズムが感じられました。ところが、関学のみんなは、大学生ですから音楽に対する造詣は深いものを持っている人間も多く見受けられましたが、総てがアカデミックな(頭で考えただけの机上の空論のような)演奏で、そこに感動と笑顔が微塵も感じられません。正直に
 「引き受けたのは良いけど、彼等を全国制覇に導くのは尋常ではないなぁ」
と思いそこから暫く私の心の中で葛藤が始まりました。
 「辞めるなら今しかない!それでも引き受けるのか?」
といった内容です。そんな時、私の肚には得津武史先生の薫陶が生き生きと躍動していて、
 「こんな絶好のチャンスは二度とないかも知れない、ヤレ!」
という命令めいた檄が天より飛んできたのを覚えています。

 そして、練習の初日に、私は正直に彼等55人の部員を前に歯に衣着せず言いました。
 「君たちの演奏は、技術ばかりを追いかけている感が滲み出ている。従って“感動”や“躍動”が感じられない。そしてあなた方が選んだコンクール用の自由曲も近代的なテクニックを用いたジェーガーという作曲家のものだ。今からあなた達に、たった半年間で楽器の上達を仰いでも無理なように思う。従って越権のように感じるかも知れないけれど、選曲からやり直してはどうだろうか。
 それから、ここからはお願いだが、我が師匠は宇宿允人先生ですので、今迄、あなた達が教えて貰っていた先生方とは、リズム感覚もフレーズの取り方も“総て逆さま”のように感じるかもしれないが、それでも私に付いて来てくれるならお引き受けしよう。それから、皆さんの日本一になりたいという意志を毎日毎日自分に言い聞かせると同時に、部員の皆さんで共有するためにも、練習時間を今迄、自分の事に宛ててた時間をクラブの為に使って欲しい」。
こうして、関西学院大学応援団総部吹奏楽部を指導することになりました。
 この時、私は有線放送所巡りもしていましたので、月水金は関学、火木土は有線、そして日曜日は自分のフルートや編曲する時間に充て、半年間は休む間もなく充実した毎日を過ごしました。

 

   この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/