M&Uスクール

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今週の喝 第885号(2022.05.09~05.15) この世は全て催眠だ(624)〜 演歌モードに入る時は複数の事象が重なる〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(624
演歌モードに入る時は複数の事象が重なる

 さて、私の病床の暗い話はこの辺りにして、私の半生に戻ります。2月8日までは、「おもいで酒」のコンビ誕生(作詞家と作曲家の出逢いまで)の奇蹟を書きました。私たち西宮市の市会議員を最年少で当選した今西えいじ先生の計らいで、俗称「ニシンの歌」のチェックをして貰った先生が作詞家の高田直和先生でした。(詳しくはバックナンバーをご覧下さい)
 その頃の私(23歳)は、夜の酒場どころか、喫茶店にも出入りしたことのないウブな青年でした。しかも、将来のことについて父・郁郎との確執が再燃してきた頃でしたから、落ち着いて音楽と向かい合うなど全くできませんでした。
 そんな折りに、ルーマニアでのコンサートの成功を心底喜んでくれた後援会の社長(失礼ながらお名前を失念してしまいました)が、生まれて初めて大阪曾根崎新地の高級クラブに私を連れて行ってくれました。そしてそのクラブに一人の若いホステスが居て、何と奇遇なことに昔、大阪府池田市の呉服小学校の吹奏楽部で私が教えていたことを明快に覚えていてくれたのでした。その女性の持つ独特の容姿や香りが私の感性の起爆剤となって、突然「夜の世界に開眼」したのです。

 ここまで、お話しして脳梗塞状態になりました。
女性の色香とは、こんなにも強烈なインパクトを持っているとは、いや、私にそれを受け入れる素養が元から備わっていたのかは分かりませんが、今迄、一度も聞いたこともない、また演奏したこともない“演歌”なるもののメロディーが不思議にも滾々と心の底から湧いてくるのです。そう、潜在意識のスイッチが入ったとしか思えません。こんな下地があって、西宮市民会館で作詞家の高田直和先生から一枚の「おもいで酒」のプリントを渡されたのでした。
 本当に不思議ですが、そこに書かれている女性と、呉服小学校のクラリネットの彼女がダブって、私は完全な“演歌モードに入りました。

 

★★潜在意識は知っている!★★
 その夜のことは今も鮮明に覚えています。色々な情景が去来し、きっとその若いクラリネットのホステス恋心を誘発されたのでしょう。その夜はまんじりともせず、明くる朝は6時頃には戦闘体制に入っており、飛び起きたと同時に当時の愛車フェアレディZ300にガソリンを入れ。芦屋と有馬を結ぶ道路(芦有(ろゆう)道路)を駆け上がり、芦屋市民の水瓶として有名な“奥池”まで一気に駆け上がり、まだ朝靄が水面に漂う早朝7時半頃に、奥池の周回プロムナードを覚えたての「おもいで酒」の一番の歌詞を脳裏に情景を浮かべながら散歩しておりました。
  🎵無理して飲んじゃいけないと
   肩を優しく抱き寄せた
      あの人どうしているかしら
      うわさを聞けば逢いたくて
      おもいで酒に酔うばかり
 酒の味も満足に味わったことのない23歳が、想像を巡らしながら、奥池の周りをハミングしながら歩いているのです。すると不思議な声が聞こえてきたように感じたのです。

「梅忠、肩の力を抜いて自然体でその詞にあるイントネーションの通り作れば良い!」
 当時の私は妙な意地がありまして、(今もでしょ!)と言う声が響いてきそうですが、何かしら大阪(関西)の文化に抵抗しておりました。大阪人の人間性(どんなこともマイナスに捉えて相手を貶める)、それに大阪弁(関東では漫才弁と言われたこともあります)。全てに嫌悪感を持っておりましたので、絶対「漫才弁のイントネーションで作曲はしない」と片意地を張っていたのです。
 これはこの紙面ではとても書き辛いのですが、「無理」と言う言葉一つとっても、大阪訛では音階で言うと「ファミ」となります。これが嫌で出だしは、標準語の通り「ミファ」としました。すると不思議に出だしの部分がスラスラと湧いてくるのです。
 そしていよいよサビの部分(あの人どうしているかしら)です。ここは自然に音符が上がれば、次は下りれば良い!と自然体を貫いた結果、あのメロディーがあっという間に浮かんできたのです。そして、終盤の(おもいで酒に酔うばかり)の部分は一ひねりして酔うばかりで壱オクターブ飛躍させたのです。「無理」から始まって、「酔うばかり」まで、作曲に掛かった時間は、大体3分強だったと記憶しています。
 3分少しで作った楽曲が、その後の人生を変えてしまう。私も高田先生も、もちろん小林幸子さんも大きなうねりに翻弄されて行くのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/