M&Uスクール

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今週の喝 第218号(2009.6.22〜2009.6.28) 氣の力を知ろう(25)〜心構えが全ての”氣”を制す!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

氣の力を知ろう(25
〜心構えが全ての”氣”を制す!〜

 京セラの稲盛和夫名誉会長の下で、京セラ・フィロソフィー(京セラがどのような会社であるべきか、またどんな社員が京セラマンかを端的に示した京セラのバイブル)に基づき、社員の皆さんに稲盛哲学を指導している坂谷茂樹先生からお伺いした話です。
 「我が京セラの総帥、稲盛和夫という方は創業時代から率先して掃除をし、部下にも会社を自分のものとして設備や機械を大切せよと常に言われました。雑な人間が作るセラミックは雑な製品になるので、全てが一事が万事、常に『ものづくり』でもパーフェクトを求められます。
 私が入社して半年ほど経った頃のことです。ある人が一所懸命本館前をほうきで掃除しておりました。そこへ、当時の稲盛社長がやってきました。当然その人は、褒めてもらえると思っていましたが、突然、社長から『君はなぜ掃除してるんや?』と問いかけられました。彼は『ハイ、落ち葉で汚れているから掃除をしています』と咄嗟に答えたところ、『アホ、そんな考えで掃除しているからアカンのや!』と一喝されました。
 その訳は、『掃除は汚れたからするんやない!物は全て新品が一番綺麗。その一番綺麗な状態をキープするのが掃除であると考えを正されたのです。
 その頃の京セラは、発展途上で工場がいくつも出来て、忙しくて稲盛社長はたまにしか各工場を見て回れない状態でした。そんな時、現場の人間は、見えるところしか掃除をしていなかったのです。
 掃除一つにも、心構えがあり、その心構えによって会社全てを左右する“氣”が生まれることを教えて頂きました」

=遠大な視点で物事を見よう=
 稲盛名誉会長は、要約すると「高い視点から物事を見なければ、常に対処対策に終始し、将来の遠大な展望は得られない」と言うことを、伝えたかったのです。
 たかが掃除、されど掃除!その掃除にしても、常に何事も新品の状態を保つ心は“やる氣”の原点です。汚れたからするのではなく、汚さない心、美を尊ぶ心の育成こそ発展の鍵であることは間違いありません。
 自動車の運転一つを取ってみても、「私バックは苦手でね」などという方がいます。ドライブ(前進)は好きでも、車庫入れ(バック)は嫌いという心の矛盾は何があっても排除しなくてはなりません。車は前進とバックでワンセットであり、嫌なことはやりたくないという心があることが、事故の元です。
 俗に言う「男の料理」……男性が料理を趣味に持ち、レストラン以上に食材に金を掛け、あらゆる調理器具を揃え、素晴らしい料理を作るにもかかわらず、後片付けはしない……このような、やりっ放しはいくら味が良くても、どこかで不都合が生じることは目に見えています。
 何事も、全て完遂した形を念頭に置くためには、美しさに対する執着(美意識)と、しっかりと後始末(後片付け)をする自制心が必要です。ここまで出来てやっと“氣”が入ったと言えます。その為には、“苦手”の克服こそ最も人間に重要な心意気なのです。
 人はみな、苦手な物には後ずさりしたり、早く終えようとして、より時間を費やしているのが現状です。古来より“好きこそ物の上手なれ”ということわざがあるように、好きになれば、何事も上達も早く積極的に集中することが出来るのです。「そんなこと言われても、嫌いな物は嫌い!」と切り口上を吐いても、修得はあり得ません。そこで、好き嫌いの烈しい御仁を研究すると、意外と目先のことにとらわれて、遠い到達点をターゲットにしていない人がほとんどであることに気付きます。
 “遠くの鯛より近くの鰯”というように、簡単に早くたくさん手に入れることは、一見楽で得をしたように思いますが、すぐに飽きてしまい、慣れとダレに苛まれてしまいます。人間は自分の感性を深めてゆくと、その行き着くところは、やはり量より質なのです。先ほども言ったように、車のバックが苦手という人は、車の運転そのものが下手くそなのです。上手く車庫入れが一発で決まるようになると、必ず好きになるのです。バックが苦手な人の運転を見ていると、後ろのタイヤなど近くのものに眼を奪われ、細かい修正をやらたにやるため、外側から見ているとジグザグ運転になっています。
 しっかりと、到達点に目をやり、そこへ己の氣を飛ばすと、いとも簡単に目的達成ができてしまいます。何事も一事が万事!お試しあれ。

この続きは、また来週……('-^*)/