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今週の喝 第855号(2021.9.6~9.12)この世は全て催眠だ(596)〜大阪弁は大嫌い〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(596
大阪弁は大嫌い

 “おもいで酒”の詞を高田直和先生から頂戴し、
 「出来たら、電話してくるように……!エエやつ頼んまっせ」
と言われた翌日、私はいつも自分の心を整理しなければならないようなことがあると、芦屋から有馬温泉まで六甲山中を横断する「芦有(ろゆう)道路」のほぼ中程にある、芦屋の貯水池“奥池”に行き、瞑想することに決めていました。その奥池から少し森を抜け、登山道の六甲縦走路(といっても“けもの道”)を進むと突然、視界が一気に開け大阪平野が一望できる大きな岩があります。そこに寝そべって、広大な大空や下界を眺めながら色々考えるのです。
 六甲山は古代巨石文化「カタカムナ文明」(カタカナの語源とも。諸説有り)の発祥地ともいわれ、西宮側の登山口には甑岩(こしきいわ)神社があり、巨大な一枚岩がご神体として祀られています。
 この辺りは、不思議な霊気が漂う場所で、何かに背中を押されるように発想が湧いてくるのです。
 先ず、頂戴した作詞「おもいで酒」の一番をシッカリと暗唱し、その言葉の持つ韻律を自分の中で消化し、できるだけ喋り言葉と同じイントネーションアクセントで作ろうと心に決めました。
 歌い出しの「無理して飲んじゃ」の、“無理”は標準語のイントネーションを音階で言うと「ミファ↗」です。大阪弁のアクセントならなら「ソミ↘」です。
 その昔、吹奏楽コンクールで東京に行った時に、我々今中のメンバーが話しているのを聞いた(多分関東圏の)他校の生徒が、「あ、漫才弁だ!」と関西弁をお笑いの言葉だと言われたことがありました。
 また、私の住まう西宮市今津地区は、何かにつけ、マイナス感情でモノを言う人、ケチを付けてくる人間が多くいました。たとえば、よく勉強する人間がいると、
 「おい、ガリ勉。われ上(のぼ)っとんかい!」
などすぐイチャモンを付けてきたりします。「上(のぼ)る」とは、増長するという意味で、勉強の出来る子は大体喧嘩が弱かったので、こんな言葉に屈してしまいました。ま、下町独特の嫌がらせが横行している地区でした。従って、
 「絶対に関西なまりのメロディーだけは付けるもんか」
と、少々粋がって作曲に臨みました。

 

★★不思議や不思議、スラスラとメロディーが浮かぶ★★
 さて、高田直和先生から詞を頂戴して、作曲のために芦屋奥池のほとりを歩いていると、先ほど言った様に言葉のイントネーションからどんどんメロディーが湧き上がってきます。それと同時に、上昇の音型の次は下降してごく自然なメロディーにしよう、最後の「酔うばかり」は意表を突いたメロでゆこう等と、構想が湧きます。
 また、私は過去に“音頭”は作曲したことがありましたが、演歌はこの「おもいで酒」が初めてです。後で知ったのですが、演歌は曲の真ん中に「サビ」という箇所があり、そこが耳に残る歌、思わず口ずさんでしまう歌は、ヒットするそうです。私は「サビ」の事など何も知らず、この曲の持つ主題が「あの人どうしているかしら」と感じたので、この部分が一番初めに浮かんできました。
 そうこうしている内に、奥池を後に、だんだん森の奥に入ってゆくと、突然草木一本生えていない(通称)砂山高原に出て、視界が一気に開け、眼下に大阪平野が大きくとび込んできます。その中でも一番見晴らしの良い巨石の上に辿り着いたとき、ラストの「おもいで酒に酔うばかり」のメロディーが、今迄の上昇下降のスタイルではなく、一気に一オクターブ上がって「酔うばかり」に入るエンディングが浮かんできたのです。しかも、「ばかり」……こんな言葉で終わる歌を私は今迄、聞いたことがありません。そこで私は、このラストの「ばかり」の「か」の部分を、十六分音符で締めくくろうと思いました。本来は「ドシラミ」そして終止形「り」は「ラ」で終わるのですが、私は「ドシラファ」「ラ」としたのです。「おもいで酒」が歌いにくいといわれるのは、この部分の音程が素人にはとても取り辛いところにあります。現に、後年、色々な有名歌手がカバー曲(人の歌を歌う)として歌っていますが、この部分を正確に歌っているのは、やはり小林幸子さんだけです。皆さんが彼女以外の「おもいで酒」を聞かれるときは、ここに傾聴してみてください。私の大好きな八代亜紀さんですら、「ドシラミラ」となっています。しかし、彼女のハスキーボイスは、それはそれで抜群の持ち味が出ていますが……。
 このようにして約30分くらいの散歩道で、構想が出来上がり、ラスト3分ほどで一気に初めての演歌「おもいで酒」は完成しました。作詞は、三番まで書かなくてはなりませんが、メロディーは一番のみで良いのですから、楽ちんです。
 このようにして、「おもいで酒」は生まれました。作曲が完成したからには、善は急げ!高田直和先生に連絡し、その日の夜、初めて関西学院大学の近所の阪急電車仁川(にがわ)駅から徒歩5分の先生のお宅を訪問し、私自身の歌で、伴奏は子供が音感教育によく使うミニピアノでリズムとコードを奏で、聞いて貰いました。
 歌い終わると、高田先生は瞑目したまま、暫く黙って(この十数秒の緊張は今も覚えています)、開口一番
 「あきまへんな、情緒がない!もっと艶っぽいメロディーやないとね。もういっぺん書き直してきなはれ」
と、厳しいお言葉……(^^;)でした。

 

    この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/