M&Uスクール

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今週の喝 第856号(2021.9.13~9.19)この世は全て催眠だ(597)〜神が宿り、天地が私を包み込み、耳元で囁いた!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(597
神が宿り、天地が私を包み込み、耳元で囁いた!

 “おもいで酒”の詞を高田直和先生から頂戴した翌日、私は心を整えて、いつも自分の転機がおとずれると瞑想しにゆく、芦屋六甲山中の奥池を散策しておりました。その時、山の神さまが私と共鳴して下さったかのように、先生の詞が既にメロディーがついているかのように、内響して聞こえてくるのです。その後ろでは、小川のせせらぎの音、うぐいすが恋を囁く声、そして時々蛙の鳴き声も聞こえてきて、丁度良い午後の日差しと、梅雨入り前の山の涼しい風を感じました。
 実際に、メロディーをまとめるのにかかった時間は、ほんの4~5分だったように思います。私はいつもそうですが、自分の心や身体が、大きく言えばガイア(大地の神が転じて、私たちの住まう地球を指す)と一つになった時、自分の身体に住まう何かが蠢動(しゅんどう)して、信じられないような事が起きるのです。
 後日お伝えしますが、現在もスクールの授業で用いている「大宇宙」を作曲する時も、この「おもいで酒」の作曲の時と同様に、私の耳元で主旋律が聞こえてきて、あれよあれよという間に12分の交響詩が、8時間くらいでオーケストレーションまで完成したのを思い出します。
 話を戻すと、午後3時くらいのけだるい太陽の下で、高田直和先生の職場である、ABC朝日放送事業部に公衆電話から急いで電話し、その日の夜にアポイントを取って、ご自宅に伺うことになりました。
 そして先生の第一印象は、意外や意外、
 「あきまへんな、情緒がない!もっと艶っぽいメロディーやないとね。もういっぺん書き直してきなはれ」
こんな時、普通なら自信を持っていた私は、
 「どこがいけないのでしょうか?!」
と、くってかかるところですが、中学三年生の時に味わった“涙の仙台コンクール”の苦い経験があったため、相手の感性と感覚がそのようであった故のことなので、悔しさを奥歯の彼方に追いやり、もう一度精査して書き直すことを了承し、そそくさと先生の家を後にしました。

 

★★「おもいで酒」は、忘却の彼方へ★★
 若い時というのは、ある意味で無頓着な性質を持っているものです。高田先生の「ダメ出し」当初は多少の悔しさもありましたが、帰宅途中の車の中で自分自身に問いかけました。それは自分の中に住まう別人格の声で、
 「忠洋!お前は、この曲をいい加減な姿勢で作ったのか……?もし、そうなら反省せよ。違うなら、自分を信じて前進せよ。その時は、何も気にしなくて良い。お前がフルートと出逢い、師匠達に見込まれた強い縁が味方なのだから!」
と、今も我が町・西宮を北から南の甲子園に向かう道路を走ると、この自問自答の声を思い出します。
 私が自分に対して、このメロディーを、
 「クラシックより一段低い音楽の歌謡曲だ」
というように、舐めてかかっていたかどうかと問いかけました。私は、己の進路を決める高校三年生の時に、音楽と進学の狭間でのたうち回るような苦しみを味わい、周囲から“落ちこぼれ”の烙印を押された頃、
 「音楽に携われるなら、写譜屋でも良い!」
と決心し、一つの方向性を堅持していたので、自分自身に対して、自分の心の底から湧き上がってきたメロディーであり、そこに何のわだかまりもないと確認した頃、家に到着しました。
 本来なら、ダメ出しされた後は、「やけ酒をあおる」とか「悔しさで眠れない」となるのでしょうが、自分に問いかけた回答が、あまりにも明快であり、「さて、これからどの部分を修正しようか」と考えても、思い当たる箇所が全く浮かんできません。
 そして、缶ビール(やけ酒ではありません)を一杯だけ飲むと、たちまち深い睡眠に入り、長い一日は心地よい眠りと共に終わりました。そして不思議な事に、次の朝の目覚めは頗(すこぶ)る爽快でした。この辺が若さなのか、私の傍若無人性なのか分かりませんが、日が経つにつれて、だんだん「おもいで酒」のことが脳裏から離れてゆきました。そして、一週間後に控えたヴィヴァルディのフルート協奏曲「五色ひわ」の練習に没頭し、そのコンサートも無事に終えた頃には、作曲したことも忘れている有様でした。
 ところが、ダメ出しから20日ほど経った頃、
 「高田です。梅忠サン“おもいで酒”の改変は出来ましたか?」
と、直接電話がかかり、私はあれ以来「おもいで酒」のことは全く自分自身から消えていましたので、あの電話の声を聞いた途端、おでこからタラ~リと冷や汗が流れてきたのが昨日のことのように思い出されます。

 

    この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/