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今週の喝 第780号(2020.3.30~4.5)この世は全て催眠だ(521)〜掃き溜めの町“今津”の所以〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる

潜在意識ってどんなもの? 

この世は全て催眠だ(521
掃き溜めの町“今津”の所以

 “今津の三種の神器”、それは「①ゴミ焼き場 ②屎尿(しによう)投入口 ③大阪ガス・ガスタンク」です。私が子供の頃、我が家が畳屋を営んでいたことで、一日に一度、ゴミ焼き場(焼却場)に畳の切れ端や引き取ってきた古畳を焼却するために、会社の若いお兄ちゃん達がゴミ焼き場に棄てに行くのに付いて行くのがとても楽しかったことを覚えています。現在も同じ場所に最新型の焼却炉を備えた施設がありますが、とても衛生的です。
 そして、屎尿投入口ですが、その昔は大阪湾の沖に船(津門川丸)で運搬し棄てていたのですが、やはり、文教住宅都市と謳った西宮市にとって、このような不衛生なことは出来ないとなり、焼却場を今津に作った手前、屎尿処理施設は隣町の鳴尾に作ったのです。しかし、それに汚物を投入する投入口は住民の大反対で作ることが出来なかったため、昔から屎尿運搬船の港になっていた今津港の西の端(焼却場の南)にその投入口を設置し、パイプで鳴尾の処理場に送ることに西宮市は決めたのです。それが漏れ聞こえ、今津町民全員が決起し大反対運動が起こりました。私も小学6年生でしたので、今津音頭の制作メンバー(今津連合福祉会)が集結し、今津小学校講堂で大反対集会を開いたのを明快に覚えています。
 その決起集会の時、我が父・郁の歴史に残る名演説を私はシッカリと聴きました。当時は、まだ水洗トイレが普及していなかったため、バキュームカーで各家庭から屎尿を汲み取り、それを投棄する施設が屎尿投入口でした。我が父は、

 「皆さん、西宮には○十台のバキュームカーが連日、市内を走っています。汚い話ですが、その車の屎尿吸い込み口からは、小便やババの滴(しずく)が少なからずこぼれることは否めません。その滴を辿って行ったその先が我が町今津なのです。匂いだけではありません。ばい菌も一緒に運ばれてきます。こんな掃き溜めの町にして良いのでしょうか。そして、それが大関の酒樽に換算して、一日○○杯も我々のところに運ばれてくるのです……云(うん)々(ぬん)」
私は、この演説を聴いて、完璧にその不潔さをイメージし、私たちの住む町を絶対に守らなければならないと、心から思い子供ながらに反対運動のデモに参加したのを覚えています。

 

★★「今津音頭」の発表会は異色なメンバー……!★★

 そして、三つ目のガスタンクですが、我が今津中学校のどのクラブの人間も、悪戯がバレたり、ミスをすると、顧問から体罰として「ガスタンク5周!」と言われ、大阪ガスのガスタンクのある大きな施設の周囲を駆け足で廻されました。ですから、この“今津の三種の神器”は、我々今津に生まれた子供にとっては、汚くも懐かしい思い出なのです。
 そんな不潔なイメージを払拭しようとして、また、汚物処理の施設は今津に持ってゆけといった「掃き溜め伝説」を払拭するためのシンボル的存在として、「今津音頭」を置いたのです。録音場所である西宮市民会館(現:アミティーホール)に西宮市助役を初め、市会議長や教育長クラスの人が見学に来たのも、「今津には日本一のブラスバンドを初め、酒造りなどの文化がある」ことを示すために集まってもらったのです。

 そして、私が二十歳の8月の第一日曜日。今津に関係のあるメンバーだけで「今津音頭」の制作発表会が今津連合福祉会挙げて執り行われました。その中で異色だったのは、レコードでは日本を代表する長唄の大御所・今藤(いまふじ)長之(ちようし)さんが歌ってくれたのですが、8月の発表会では私と同じ町内会に住む、武庫川女子大学音楽科教授でソプラノ歌手の村上先生に「音頭」を歌って貰うことになったのです。お願いに行ったとき(我が家から歩いて3分)、村上先生は、
 「音頭というジャンルの曲は初めてですが、私も今津に生まれ育った今津っこです。心を込めて歌いますので、どうぞ宜しくお願い致します」
と至極丁寧に引き受けて下さいました。プッチーニやベルディのオペラを得意とされる村上先生の歌う「今津音頭」は、私の作曲とは全くイメージの違うクラシカルな解釈でしたが、その情熱溢れた歌い方や歌声(ソプラノ)に、私は
 「同じ音楽なのにこれほどまでに違う世界観があるんだなぁ」
と、音楽そのものの幅の広さを体感したのでした。
 そして、「今津音頭制作発表会」の総合司会者は、生まれは宝塚市ですが、幼いときに今津に移り住み、今津小学校を卒業し、関西学院大学に進んで、そこの軽音楽部で編曲や作曲の腕を磨いた「浪花のモーツァルト」こと“キダタロー”先生(今年90歳)にお願いすることとなりました。
 キダタロー先生は、その頃はABC朝日放送の人気ラジオ番組「フレッシュ九時半キダタローです」でディスクジョッキーとしても絶大な人気を誇っており、関西のコマーシャルソングで有名なものは、全てがキダタロー先生の作曲でした。私も憧れの作曲家の一人でしたので、お目に掛かれるのが嬉しくてなりませんでした。 

 

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/

 

 

★編集よりお知らせ★

今週の喝!の中で紹介されている「今津音頭」は下記にて当時の音源を聞くことができます。

 

◆歌入り◆

 

◆笛入りカラオケ◆