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今週の喝 第613号(2017.1.16〜2017.1.22) この世は全て催眠だ(355)〜万物は変化し続けている〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(355
〜万物は変化し続けている

 「道(タオ)の道とすべきは、常の道にあらず」
老子の著“道徳経”、その巻頭の言葉です。その意味は、
 「これこそ真の道だといえる道は、絶対不変の固定した道ではない」
と、喝破しています。万物は、瞬時も止まることなく変化し続けています。皆さんはお正月の初日の出をご覧になりましたか。キラリと一条の光が差したかと思うと、あっという間に太陽が顔を出し、見る見る内に日が昇ってゆきます。……と、このように感じるのは、私たち人間の傲慢性からの表現ですね。科学的に表現すれば、我々の地球の方が自転しているのです。
 さて、その速度はどのくらいと思いますか?
太陽は、その直径分進む(?)のに(これも、我々の視点からの表現ですが)、約10分です。これを逆に捉えると、我々の住まう地球の自転速度になりますね。赤道上の地球の円周は4万キロです。これが1日に1回廻るのですから、其の速度は秒速
 4万㎞÷24時間÷60分÷60秒=約463㍍=約マッハ1.4です。
 我々の住む日本は緯度が高いので、其の円周は小さくなって、約マッハ1.1です。それを秒速に直すと、約340㍍ということになります。
 つまり、我々は一秒間に西から東へ、音速に近い猛烈なスピードで動いているにも関わらず、我々を取り巻く空気も一緒に動いているため全く気付きません。
 しかし、動いているからには、某かの兆候が現れるはずです。それを発見したのは、フランスの科学者ガスパール=ギュスターヴ・コリオリです。トイレの水を流すと北半球では必ず反時計方向に渦を巻くのは、この証しです。台風も、渦巻き貝も全て同じです。渦巻きなど簡単に反対方向に向けられると思ってトイレの水を遮ったりしたのですが、出来ませんでした。
 
★★あらゆるものは“法”に支配されている★★ 
 平穏無事などと我々が思っている時ですら、地球はこのように猛烈な運動状態にあるように、万物は常に動いているのです。ですから、老子は「変化こそ宇宙の本質」と喝破しました。ここからも分かるように、真の認識は、事物を常に変化において捉えなければならないことです。そして、この変化には、一定の法則性が存在することが分かってきました。それを究明しようとする事を「科学」と言い、その究明結果が“法則”です。法則は、万物に対し共通にその力が及び、例外はありません。
 「情動のシステム」という言葉を、このコラムでもよく使いますが、“情”とは無意識の心で、その動きには一定の法則性があります。いわゆる「心の法則」で、そこにも、決まった動きが存在し、それに則って、“心”の変化や方向性に対して、「無為・柔」=逆らうことなく、対処してゆく方法が「催眠法」なのです。
 ですから、催眠に掛からない人はいません。もし、掛からなかったとしたら、そこにも「掛からない法則」があるのです。気が散っている人は、掛からないし、人の言うことを理解し辛くなっている人(認知症や幼児など)も、催眠には掛からないでしょう。
 「情動のシステム」は、無意識の法則性を指し、その無意識も一定の法則で動いており、その動きにも又「動きの法則」が存在するのです。法則が分かれば、それに対する対処対策は必ず編み出せます。
 昔から「女心と秋の空」などと移り気の代名詞のように言われていますが、“秋の空”の移り変わりも、現代の天気予報士達はそこに法則性を発見し、最近では素晴らしい確率で予報は的中しています。それと同様に、心の移り変わりにも一定の推移法則があり、その推移に沿って適宜対処してゆけば、こちら側の意図を相手に掌握させて、思い通りに動かすことも出来るのです。
 老子は、この法則性(=道)が揺れ動くフレキシブルな対応性であると民衆に伝えるためにとても苦労しています。そして、それを懇切丁寧に我々凡人に伝えようとするがあまり、逆に我々凡人の側は、分かり難い、理解しがたいものだと思い込み、凡人が凡人たる所以……全ての悪い原因は外界にあると思う心で、勉強を放棄してしまいます。つまり、自分が難しいと感じたものは、それを解決しようとせず、放り出してしまうのです。
 ここにも、凡人が凡人たる所以の「心の法則」が存在しますね。それは、物事を放り出してしまうのが凡人であり、凡人は理解しがたいことを学ぼうとはしないという摂理です。だからこそ、後世の賢人達は、絶対的に人数の多い凡人達に興味を持ってもらい気を引こうとして、喩え話で解説したのです。「喩え話」の説得力は絶大なものです。ですから、ものの“喩え”を上手く表現できる人こそリーダーの素養のある人で、また、真に老子の説く世の摂理(法則)を理解し、喧伝できる人間なのです。
 このように解説して解かるように、物事の掌握力というのは頭脳明晰性もさることながら、もっと重要な事柄は、如何に興味を持たせるかと言うことです。これも、また、催眠法の極意なのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/