潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの？
この世は全て催眠だ（３３０）
〜人間の大原則、それは、失敗する生き物！〜
凡人六原則……私が35歳の時（約30年前）成功する人と失敗する人間には、もしかしたらその兆候が見え隠れしているのではと思い、約10年間、あらゆる人を静かに観察して、まとめた失敗機制です。そしてその後、5年をかけて間違いなく、この「凡人六原則」を兆候に持つ人間は、遅かれ早かれ対人関係において縺(もつ)れが生じることを確証し、私が50歳の誕生日を機に皆さんに意を決してお伝えしたのです。
以後も、多くの方々が、この「凡六」を本に、まずは自分を推し量り、自己改革に取りかかられたのが嬉しかったですね。皆さん、口をそろえて言われたこと……それは、
「六つとも自分に当て填まる！(>_<)」
この素直な認識をされた方は、私が28歳の時より36年間用いています講演のタイトル
「社長さま、あなたが変われば会社が変わる！」
を、実感して下さいました。そして企業とは、Topの意思そのものであり、そのTopの意思が清廉で尚且つ公儀（社会）に貢献するものであればあるほど、その本に集まった人たち（社員やクライアント）の支持を得て、尊敬・憧憬を集め、それが潮流となって成功街道を進んでゆくことに気づかれました。
人間の大原則！……それは、必ず失敗する！ということですから、凡六第一項の「●私は正しい」という観念こそ、この世の摂理に反しているのです。ですから、もし、あなたが自分自身に自信・信念が溢れたらイエローカードだと思って間違いありません。それは、何もあなたに自信をなくせといっているのではありません。自分が確証を持って信念化したこと……それは、あなたから見た観念（自分が信じていること）であって、決して俯瞰的観点からの正しい位置付けとは限りません。ですから、人は、「自分は正しい！」ではなくて、「自分は正しくありたい！」と、思えば、自分自身を他者から見てもらい、ゲシュタルト的見地（双方向）でより正確に、自分の置かれている位置を理解でき、より安全な方法で、人生航路を進めてゆくことができるのです。
★★被害者と加害者は同じ感性！★★
さて、凡人六原則の第一項「私は正しい」は、世間から見ると死角だらけの“笊(ざる)に水”のごとき信念です。ですから、その死角を埋めてくれるのは他者！……それも、信頼のおける人間です。
その信頼のおける人間と、どうすれば出逢えるのでしょうか。それは、凡六第六項「類項作用」にあります。先回も書きましたが、類は友を呼ぶだけでなく、敵も同様の性質を持ち、心が共振しているのです。ですから、我々の世界に「裏切り」も起こります。
今はやりの振り込め詐欺やマルチ商法、ネズミ講etc.の被害者と加害者はその意識レベルが同じ領域にいるからこそ、詐欺に掛かるのです。その昔、豊田商事金取引事件という詐欺がありました。その時、私にも電話攻勢がありましたので、会社を覗くよい機会と思い出かけたところ、なんと首謀者で後に惨殺された豊田商事・長野会長に直接会うこともできました。
彼は、一見スマートなジェントルマンで、凜とした声で私に、
「今度、大阪南港で有名歌手の歌謡ショーを行いますのでご招待いたします」
と、誘ってくれました。
興味津々出かけてみると、外国の豪華客船を２日間借り切り、そこへ電話勧誘で金取引をしそうな客を招待し、有名歌手の歌謡ショーを船内で見せて、その後商談という段取りです。
船に乗り込み豪華なエントランスに迎えられると、大きな赤いフェルト敷きの丸テーブル（直径約３メートル）に、１kgの金インゴットが数百枚うずたかく積まれ、スポットライトで照らされています。年配の客が多く、それに目が釘付けになる人も大勢いました。そして、歌謡ショーの会場へ案内され、金を財産として持つことの価値をスマートに説明され、豪華な有名歌手の歌謡ショーを見た後、会場を出たところで、先ほどの有名歌手と長野会長が金屏風を背に並んで私たちに握手をして、さも、親しげに笑顔で迎えてくれます。
そして、別室で商談に入り、多くの人が金を購入しておりました。かく言う私も１kgを買いました。もちろん、現金と引き替えに金の現物を渡してくれます。そして、いざ帰路につこうとするとき、副支配人と称する人間が現れ、
「皆さん、本日はご商談成立、誠におめでとうございます。ここで、一つご注意申し上げます。それは、ここ南港辺りは物騒なところですので、なにとぞ金の現物を泥棒されないように……。もし、心配な方は、その金塊を私どもの金ファミリー証券と引き替えられますと、あなたに変わって金塊をお守りし、いつでもこの証券と引き替えますので、安全安心です」
というアナウンスがあり、きっとサクラでしょう、「心配だから、私あずけるわ！」という女性の声を引き金に、高齢者の多いこともあり、多くの人が、たった今購入したばかりの金塊をファミリー証券なる一枚の表彰状のような紙切れと変えておりました。私は、現物のまま持ち帰ったため難を逃れたのですが、次の日には再び赤いフェルトの上にこの金塊が輝いたのです。
つまり、次の日の客にもその金塊を見せて同じように販売したのですから、現物があるようで、実は紙切れを販売していたのと同じだったのです。
私は、潜在意識や催眠を既に研究していましたので、彼らのカラクリを見抜きました。まず、外国から来た豪華客船の乗船客が神戸・京都・奈良観光をしている間を借り切り、その偉容で客を圧倒します。そして、歌謡ショー終了後の有名歌手と長野会長の立礼で、さも親しげに笑顔で送り出し、“虎の威を借る狐”の論理で威光暗示を増大させ、現物を触らせ持たせて安心感を演出します。そして、最後に金塊は盗まれると何の保証もないことをアピールして証券とチェンジさせ、金塊は元通り豊田商事の手元に残るという寸法です。
もうお分かりのように、人間の欲望や弱点につけ込んだ見事な「催眠商法」の手口ですね。この詐欺に遭った人は、豊田商事のメンバーとしっかりと類項していたため騙されたのです。つまり、被害者と加害者は同じ意識レベル（欲深）だから引っかかったのです。なんともはや……(>_<)
この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/
