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今週の喝 第584号(2016.6.27〜2016.7.3) この世は全て催眠だ(326)〜人間の本能の根本は野生動物とほとんど同じ〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(326
〜人間の本能の根本は野生動物とほとんど同じ

 人間は、そのほとんどが“努力無し”に自分の生活を営みたいという性質を生まれながらにして持っています。いや、生物の全てが楽に成長し生活できるように、生体のエネルギー効率を良くすることが潜在意識に刷り込まれています。つまり、「楽をしよう」とするのは“本能”なのです。
 ある日私の母が、朝パンの耳を歯が悪いため食べられないので、一羽の椋鳥(むくどり)に投げてやりました。すると、次の日にも同じ時刻にその鳥はやって来ました。父を亡くして久しい母は、窓の外で待っている椋鳥を愛おしく思ったのか、その次の日にもまるで飼い犬にエサをやるような気持ちになって、パンを投げてやります。そして数日が過ぎた時、一羽だった椋鳥が、何と五羽に増えているではありませんか。そして、数年が過ぎた今、我が家のベランダの外には、朝7時半になると、カラス、鳶、雀、椋鳥、そして、私が名も知らない鳥達が向かいの電線に停まって、母のパンの耳を待っています。
 まさに、餌付けが成功したのです。しかし、母にはそんな目論見はありません。この現象を見た私は、初めの頃は「鳥も横着だなぁ」と、擬人化して見ていましたが、やがて、それが“生き物全ての本能”であることに気が付きました。
 そして、私はそれを人間に当て嵌めて、多くの人を観察すると、何と「大多数の人間は、野生動物の基本的行動とほとんどが一致する」事が分かったのです。但し、己の内側に存在する何某かの能力に気付き、それを伸ばそうとする人間はその限りではありません。TVを始めとする報道機関は、これら人間世界では少数の自分の才能に気付いた人間を、クローズアップして報道しますが、実際はメディアに乗る人達はほんの少数です。しかし錯覚とは恐ろしいことで、メディアで報道されることは、ごく普通に一般人が行っていることのように思ってしまいます。
 このように自分のことを省みず、メディアの情報を一般的と錯覚してしまう人間がほとんどで、私は、それら普通の人々を「凡人」と呼ぶことにしました。
 
★★効率化を生むシステム★★ 
 このように人を観察して行きますと、ごく普通の人々は、人間の持つ特殊な知性以外は、そのほとんどが他の動物と大同小異であることが分かりました。それはつまり、人間だけが持つ“名誉心”にまつわる特徴以外は、「人も動物」ということです。そこで、凡人とはどのような特徴を持っているのかを研究した結果を、6つに端的にまとめたのが「凡人六原則」です。
  ●私は正しいと思う
  ●楽と得が出来ると思う 
  ●比べて選択する
  ●時間概念を持っている
  ●一事が万事
  ●類項作用
 人間と他の動物の違いは、そこに時間感覚を持ち、それに伴って計画性という逆算能(脳)を進化の過程で極度に発展させ、修得に至ったことです。
 自然界では、春に生まれたリスが、まだ食料が乏しくなる冬を経験していないのに、夏から秋にかけて木の実を集め巣に保存する習性があります。これは明らかに本能から来ている行為です。
 人間は、この本能に加えて、頭脳を極度に発達させた結果、目標に向かって逆算できる能力を身に付けました。それは十歳前後で開花し成長させて行きます。幼少期は、お腹が減ったからご飯を食べる、すると力が湧いてきて、また遊ぶ……といったように現実的感覚から行為を決定する“順算思考”で活動します。これはライオンも同じで、空腹感のない時は、目の前にゼブラがいても襲いません。逆に空腹時は、サーカスなどで飼い慣らされているはずのライオンですら、調教師を襲うことがあります。そのようなライオンの性質を知っているからこそ、調教できるのです。
 しかし、人間は10〜12歳で、脳が順算脳から逆算脳……つまり、目標を達成するには、どのような手順を踏めばより効率よく到達できるかを模索する脳です。例えばトンカツに添えられているキャベツですが、一枚ずつ千切りにしていては、もの凄い時間が掛かり、「キャベツのお替わり自由」などと豪勢なことは言っていられませんが、効率を考えて10枚重ねて切ると10倍の速さで千切りが出来ます。このように工夫する思考のことを“アルゴリズム”と言います。また逆算脳は、方程式より解を求める代数も生み出しました。これもアルゴリズムの為せる業です。アルゴリズムは脳に進化をもたらします。
 コンピューターも、この逆算機能を模倣して効率を上げ学習する機能を持たせたことによって大進化しました。つまり、人間は効率を求めて脳を発展させてきたのです。しかし、それは一部の人間の所業であって、大多数の「凡人」はその所業の恩恵に預かることで、自分の行為の「効率化」を計るようになりました。件の椋鳥も同じ行為に至ったのです。これは「効率化」というより「横着化」と言った方が良いですね。
 格好良く言えば、「楽と得を求める」心は、アルゴリズムの為せる業と言っても良いのですが、凡人のアルゴリズムは「面倒くさい」というマイナス感性を植え付けたようですね。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/