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今週の喝 第577号(2016.5.9〜2016.5.15) この世は全て催眠だ(319)〜業縁(ごうえん)とは宿命と運命〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(319
〜業縁(ごうえん)とは宿命と運命

 以前にも申しましたが、潜在意識とは何ですか?と言う質問に、私は少々荒っぽいですが、「“本能”と“癖”の記憶装置」と端的に答えます。私たちは、生まれる前から持っている「本能」と、育つに連れ、住む環境や人間関係によって後発的に刷り込まれる「癖」によって、その人間の「選択肢と優先順位」が決まり、その結果がその人間の人生(=運命)となるのです。仏教に於いては、これを「業縁」と呼んでいます。「業」とは持って生まれた性質(宿命)、「縁」とは生を受けてから潜在意識に刷り込まれたその人固有の癖(運命)です。
 親鸞「避けられ得ぬ業縁がなければ、人一人とて殺せまい」と言っています。現代語にすると「避けることの出来ない業縁というものがあるから、人を殺してしまうこともある」と、意味深長に言っています。私は、潜在意識に刷り込まれた性質(宿命と運命=業縁)によって、私たち人間は行動する故に、人を殺してしまう事もありうる。逆説的に言えば、自分は正義感が強く正しいことをやると決めたから、悪いこと(例えば人殺し)はやらないと、意識の世界で思っているだろうけれど、業縁がそのようにプログラムされていれば、そのような意志とは関係なく殺人でも冒してしまう、と言っているのです。
 その一番良い例が戦争です。招集された一小市民が兵士となり、戦地に行けば、敵を殺傷する……現代人は戦争のない時代に生まれた故に、人殺しを経験していないのであって、戦前(戦争があった時代)ならば、人殺しをやっていたかも知れません。これが「業縁」というものです。
 この業縁は、潜在意識にインプットされていると私は考えるのです。
 
★★潜在意識に正しい癖付けをしよう★★  
 潜在意識の機能のひとつは、これまでお伝えしてきました“本能と癖”、言い換えれば、前世からの宿命である「業」と、この世に生まれてから自分の中で育んだ「縁」、つまり“業縁”の記憶場所です。それは、大きく解釈すれば、我々生き物は“本能と癖”によってその人生経路が決まります。そして、自分達が育んだ“本能と癖”が自分の進むべき目標を設定し、人間ならば、それに到達するための意味=目的を見いだします。つまり、“目標+目的=道”を持つのです。そうすると、自動的にその道に沿って目標地点に我々の「身体」と「心」を運ぼうとする態勢が生まれます。簡単に言えば、目標達成のための自動的機械装置(舵取り装置)です。そのために、常に心身共の健康を維持しなければ、我々は満足に働けません。ですから、潜在意識の一番大切な役割は「生命維持装置」なのです。
 私たちは、何の意識もせずに心臓を動かし、適度な呼吸をし、身体の温度調節のために発汗作用が起こるように、まさに潜在意識は我々の自律神経系を司る司令塔なのです。例えば、走ることで疲労した筋肉に酸素が不足します。それを補うために心臓の鼓動は自動的に早くなり、呼吸量も大きくなります。すると体温が上昇するので、これを抑えるために発汗作用が起こります。汗が気化する時に同時に多くの熱を奪って行くので、我々の身体はオーバーヒートしなくて済む……本当によく出来たシステムです。
 それ以外にも、食事を取ることで胃液が自動的に抽出され、蠕動(ぜんどう)運動が起こり消化して行き、それが腸から吸収され血液内の血漿(けつしよう)によって身体の各所に運ばれる……何と巧妙なシステムでしょう。誰がこんな複雑且つ巧妙なオートメーション・システム(自動機制)を考えだし、作り上げたのかと想像すると、それは、我々の英知を越えた存在、我々の想像の域を遙かに超えた偉大なものとしか言いようのない生命体(霊体)としか言いようがありません。さすれば、それは“神”の一言に集約されます。
 古来より、宗教と科学は相反する観念から、この偉大な存在の究明を試みてきました。宗教は、この世に起きる現象を畏敬の念を持って、肯定的に信じ真摯な態度で受け止め、「信仰」の世界を作り上げました。そして、それとは反対に科学は、現実を作り出す構成要素を消去法で(否定的に)吟味し、それ以上疑えなくなったものを「法則」として定めました。その時、誰がこのような法則を作り得たのかという疑問には答えられないため、それを作った存在をSomething Great(偉大なる何か)と呼びました。宗教では「神」、科学では“Something Great”……呼び名は異なれど、いずれも同じものを指しています。
 人を催眠誘導する際、その人の心が宗教的観念が強いのか、科学的思想(論理性)の持ち主なのかを判断することは、とても重要です。以前にも話しましたが、被催眠者へのチューニングには、その人に合った観念で迫って行くことがとても有効だからです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/