M&Uスクール

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今週の喝 第574号(2016.4.18〜2016.4.24) この世は全て催眠だ(316)〜動物にも催眠は掛けられるのか?〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(316
〜動物にも催眠は掛けられるのか?

 猫に芸を仕込むことはできない!と、動物病院の先生から聞いたことがあります。ところが、今はボリショイサーカスの一員になっているようですが、ロシアの「キーロフ猫サーカス」をTVで見て、感動しました。愛らしい猫たちがとても美しい団長(もちろん女性)の意のままに芸をしているではあ〜りませんか。
 そして、その番組の後半で、その団長にインタビューしているのを聞いて、「目から鱗でした!」。彼女(団長)曰く、
 「猫は、芸を仕込もうとしても、決して覚えません」
ならば、何であのかわいい猫ちゃん達は、団長の言う通りに動き素晴らしい舞台にしているのだろう。という私の疑問に、
 「猫は、例えば猫ジャラシと戯れるのが好きとか、小さなバケツに入るのが好きとか、より高いところへ上ろうとするとか、それぞれが個性を持っています。だから、私はそれら猫ちゃん達の一番好きなことを観察して、あの子達がやりたいことを、私が考えた物語りに沿って演出しているだけなのです」
 これは、まさしく催眠法の極意です。
皆さんは、「パブロフの犬」という反射実験をご存じでしょう。
 ソ連の生理学者イワン・パブロフは、犬にエサをやると同時に“リンリン”とベルを鳴らして毎回エサを与えました。犬の潜在意識はえさを食べる前に、ヨダレを流してエサを食べる準備を自動的にします。ここに、エサ・ベルの音・ヨダレ(生体反応)という三つのリンクができました。そして、ある日、この中から、一番犬にとって大切なはずの“エサ”を与えないで、「ベルの音」だけを鳴らしました。すると、エサをもらっていないのにもかかわらず、犬は“ヨダレ”を流すようになりました。これを「般化作用」と言います。これは、催眠ではなく、犬に“癖”が付いたのです。その癖が付く根本要因は、やはり「エサが食べられる」という、動物にとっての快楽の最大要因があったからです。
 
★★自律神経失調症は猫の研究で治る!★★  
 この「パブロフの犬」の実験は、神経の条件反射実験であって、決して催眠ではありませんが、別の見方から見ると、これそこ“催眠の極意”なのです。
 犬の好きなことを条件反射によって、脳回路を作り上げれば、「ベルを鳴らしただけでヨダレを出す」のです。我々人間も、「さあ、それでは今からヨダレを流して下さい」と突然言われても、どうすることもできませんが、ココで一つ昔食べたもの凄く酸っぱい“梅干し”をイメージするとどうでしょうか。それも、ただ食べたときの味だけではなく、酸味のきいた紫蘇の色や香り、また、それを食べた部屋(環境)などを同時に思い出したなら、いとも簡単に唾液を出すことができます。ちょっぴり生理学的に言うと、唾液腺は食事をしようとするときに活性化しますから、我々はいちいち考えて唾液を出していません。しかし、ものを食べようとすると“自動的”に出てきます。このような働きをする装置を自律神経といいます。ですから、私たちは“梅干し”というイメージをすることで、“自律神経系”をコントロールしたことになります。
 我々を取り巻く現代病・成人病(今では生活習慣病と呼んでいます)の最も多いのが、自律神経失調症と言われる訳の分からない病気です。なぜ、訳が分からないのかというと、どんな名医もその目で自律神経なるものを見た人がいないのです。体内のどこを探しても脳から各臓器等に自律神経というものが通っていると聞いたことがありません。身体の各部署は、過去の経験や持って生まれた本能によって、自動的に危機回避する能力を持っている……この機能が自律神経なのです。
 その自律神経は、イメージすることによって制御されることが、パブロフや梅干しによって解明されてきたのです。それは、自律神経失調に陥る人は、イメージする能力が弱いのか、欠けているのかというと、そうではありません。もしかして、逆に想像力が豊かなのかもしれません。但し、その想像がマイナス思考に偏って、いつも恐怖や不安など自分の心と身体を凍らせるようなイメージばかりすることで、自律神経も硬直化し、やがて、適切な対処ができなくなり、「自律神経失調症」に陥るのです。
 ここまで書けば、対策は論理上お分かり頂けたと思います。それは、想念をプラス思考に変えることで、心身共にリラックスし、その柔軟性を持った感性と身体は自律神経を整えてゆくのです。
 論理では、こんなに簡単なことでも、実際には至難の業です。そこで、ヒントは「キーロフ猫サーカス!」を見習えば良い。猫を何とか動かそうとするのではなく、猫のやりたいことを研究し、やりたいことをやるように条件反射を用いて誘導する。そして、それを組み合わせてゆけば、素晴らしいショーになるように、我々人間も「自律神経失調症」を治そうとするのではなく、その人の一番やりたいこと(=快)を見つけて、それを条件づけでやらせてゆけば、必ず、得体の知れない「自律神経」は整合化し、正常に働くようになるのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/