M&Uスクール

潜在意識の有効活用を教える学校”M&Uスクール”のサイト

今週の喝 第572号(2016.4.4〜2016.4.10) この世は全て催眠だ(314)〜潜在意識は、本能と癖の記憶装置〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(314
〜潜在意識は、本能と癖の記憶装置

 潜在意識とは何ですか?と言う質問に、私は少々荒っぽいですが、「“本能”と“癖”の記憶装置」と端的に答えます。
 本能とは、誰に教わることもなく自然に生存の為の行動をとることです。生まれたての赤ちゃんが「オギャー!」と泣くのも本能の為せる業。科学的には、胎内にいる時は臍の緒から栄養分を吸収している赤ちゃんが、初めて呼吸をし、自分の力でお乳を吸うために、鼻や気管にある汚物を吐き出す為の作業です。もし、泣かなければ、産婆さんがお尻をひっぱたいても産声を上げさせる場面が、TVドラマなどでありますね。“息”のことを「呼吸」と言うのは、とても良く出来たネーミングだと思います。「呼気」とは吐く息のことです。人間がこの世に生まれ出て、一番最初の仕事は、息を吐く事から始めるのです。そして、臨終のことを「息をひきとる」と言います。
 少々不謹慎ですが、それは本当かどうか知りたくて、そのような場面に遭遇した時は、厳粛に観察致しました。すると、息を吸って皆さん事切れて逝かれます。人は生まれる時は息を吐き、逝く時は吸ってこの世を去るのです。呼吸という言葉一つ取っても、古人はよく観察し、それに相応しい呼び名を付けたのです。
 このように、誰から教わることもなく、自然の為せる業としか言いようのない行動が「本能」です。そして、未だ目も見えず意識もない新生児の時に、既に母親の乳房をまさぐり、そして吸引するのです。しかも、その吸引力はもの凄いパワーです。
 また、母親になった女性は「母性本能」が萌芽し、命に替えても我が子を守ろうとし、それを見ている父親も、母子の平穏を乱すものがあれば、戦おうとする「闘争本能」が湧き出してきます。
 また、馬などでは、生まれ落ちて30分から1時間で立ちあがろうとしますが、これも野生時代に、敵から身を守るためにみにつけた本能です。
 
★★潜在意識の性質を熟知せよ!★★  
 「本能」は、脳のどこかにそのようなプログラミングが為されているようですが、この言葉があまり適切に説明を果たしていないので、現在は用いられることが少なくなりました。今では、「情動」「進化した心理メカニズム」「認知的適応」などの用語が用いられていますが、あまりよく分かりませんね。
 ここは一つ堅苦しく考えないで、「持って生まれたその種の特質」です。先週お伝えしました、ボス猿に従う猿の群れのように、その本能的習性を利用して頭数把握するなど、本能を知ることは何事にも役立ちます。また、自然界では、単純に大きいものが小さいものを支配します。そこで、鰯は群れることで自分より大きい生き物に対抗します。鰯の大群は、不思議なことに誰かリーダーがいるのかと思うくらい、その大群ごと向きを一糸乱れず一斉に変えます。人間に隊伍を組ませて訓練しても、あれほど機敏にはいかないでしょう。これも、命が掛かっているからだと、私は推測するのですが……。
 しかし、上には上があり、この鰯の群れる性質を利用して、まさにイルカやシャチ、クジラなどは大きな口を開けて一気に呑み込んでしまいます。このように、本能や性質はサバイバルや戦いの勝敗に大きく影響を及ぼします。しかし、それはもって生まれたものである故、自分達ではどうすることも出来ない宿命です。
 しかし、「癖」は、生まれてからの躾け方や生活習慣、環境や地域性などによって刷り込まれた後発的な習性です。これは、自分が選んだにせよ、環境的影響を受けたにせよ、その程度の差はあるにしても変更可能な領域です。
 有名なコンラート・ロレンツ博士「ハイイロガンの刷り込み実験」が良い例で、生まれて直ぐ博士に抱きかかえられた雛は、ロレンツを母親と思ったのです。
 人の世界では、私が関西のイントネーションで話し、阪神タイガースのファンであるのは、単純に甲子園球場の近くで生まれたからで、何の他意もありません。むしろ、大阪ではその昔、東京弁を喋る東京からの転校生を、ただ、「だってさ〜」と言っただけで、「ええ格好すな!」と苛めていたのを覚えています。東京の言葉を良い格好と思う所なんか、大阪の人間が如何にお江戸にコンプレックスを抱いていたかが分かる、今は懐かしい思い出です。
 我々人間は、言葉や習慣、それだけではなく味覚や嗅覚までも「癖」として刷り込まれてしまうのです。その昔、中国残留孤児の人達が帰国した時、失礼ですが、どこから見ても中国人としか見えなかったのが印象的でした。環境がそうさせたのです。もちろんDNAは日本人です。しかし、数年経った彼らは、シッカリと日本人の風格を備えていました。
 潜在意識とは「本能と癖の記憶装置」であるがゆえに、この潜在意識の形(性質)を把握し、それを適切に用いて、本能や後発的性質である「癖」を活用して、相手をこちらの思いに沿わせるのが“催眠法”なのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/