M&Uスクール

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今週の喝 第568号(2016.3.7〜2016.3.13) この世は全て催眠だ(310)〜あなたは、生きている間の一仕事を見つけたか?〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(310
〜あなたは、生きている間の一仕事を見つけたか?

 ♪男なら 男なら 生まれた時は裸じゃないか
  死んで行くのも裸じゃないか
  生きている間の一仕事
  男ならやってみな

 これは、昭和12年にキングレコードから発売された軍歌で、「男なら」(作詞:西岡水朗、作曲草笛圭三)の5番の歌詞です。この曲は、戦後もリバイバルで、水原弘や高倉健が歌ってヒットしました。私も、若い時、人生に行き詰まり、苦しくなった時に、この歌を大声で歌ったのを覚えています。
 私たちが人生に行き詰まるとき……それは単純に多くの事を同時に、しかも楽して為そうとし、何が何だか分からなくなってしまったときです。私も、28歳からの7年間、「楽して、儲けるスタイルの研究」をシッカリいたしました。
 そして、34歳の時、その結果が明快になりました。果たして、その回答は……「そんな都合の良いことは、ない!」と分かり、心身共にスッキリしたのを覚えています。
 楽と得を求める、そんな心境の時は、「他人の花は赤い」という格言通り、周りはみんな幸せそうに見えました。しかし、一人ひとり真剣にその内実に迫ると、誰も皆、それぞれ深い悩みや苦しみを抱えていることが分かりました。それはつまり、人を妬んだり嫉んだりしている内は、その人達とシッカリと向かい合っていないことの証しだったのです。
 そんな時、美空ひばりの歌う「男なら」を偶然聞いたのです。私たち人間は、その人生に於いて、多くの事を成そう、色んな体験をしようと欲張りなことを考えがちですが、実際は、ほんの一瞬の人生です。だからこそ、冒頭の歌詞が私の心に染み入り、それ以来、生きている間にたった一つで良いから、「これ!」というものを見つけ、それに向かって進む決心をしたのです。
 35歳の春でした。

★★シンプルな時間は、合理時間を生む★★
 私の苦しみ、それは、人間みんなが持つ苦しみである事が分かったとき、自分の進むべき道を一つに集約することで全てが解決すると理解し、最も恥ずべき事は「気散」であると、自分なりに結論を出しました。自分自身がこの世でする「一仕事」すら見つけられていないのに、人をやっかむなどは、どう考えても「失敗」の諸要因を背負い込むだけだと分かったときのあの心晴れ晴れとした爽快感は、今も私のモチベーションの起縁であり、その心の有様を端的に表現した唄が「男なら」なのです。それ以降、気散こそ失敗の根本という私なりの結論が、正しいかどうかを調べるべく、それこそ、多くの方々を観察し、その研究結果を帰納法的にまとめたところ、ほぼ間違い無い⇒いや、絶対間違い無い!!……というところまで信念化できました。
 そして、そんな時に読んだ小説が、司馬遼太郎「坂の上の雲」でした。
その中で、兄の秋山好古が弟真之に諭す場面があります。人生はシンプルに生きよ。従って、無駄なものは持たない方が良いとして、兄弟二人で暮らすのに茶碗一つと箸一膳しか持たないのです。兄が食事をした後で、同じ茶碗と箸で弟が食事をとる……その時、兄が「早う、喰わんか!」と催促をします。「兄者は、もう食べたじゃろ」というと、「バカ、ワシが酒を飲むンじゃ」と急かすのです。このシンプルさが後の秋山真之の頭脳を作っていったのです。つまり、《シンプル⇒合理時間⇒集中》という精神性を育んだのです。
 アップルの創業者、スティーブン・ジョブズも同じ精神を曹洞宗の禅僧である鈴木俊隆導師から学び、終生その姿勢を貫きました。つまり、人生において「気散」は、百害あって一利なしであるゆえ、天より我々に平等に与えられた時間を「集中」することで、最も有意義に活用することが出来るのです。その結果、先週も申しましたように、人生(時間)は、“長さ”ではなく“濃さ”ですから、「生きている間の一仕事」に集中し、大業を成すことが出来るのです。
 このようにして、我々自身の人生を考察して行くと、人間の人生の分岐点は、己の心が「気散」か「集中」かということになります。このコラムで、催眠について久しく書いていますが、人間の潜在意識=無意識は、身体が覚えるというが如く、記憶装置になっており、直接潜在意識に刷り込む(催眠)か、反復することで刷り込む(訓練)かのどちらかです。これは、我々の習慣化(般化)されたもの全てですから、思考も行動も全てがこの刷り込まれたもの=癖によって成り立っているのです。気散を己の潜在意識に刷り込んで癖化してしまったなら、これはもう、「失敗癖」を修得したといって良いのです。逆に、何事も成功に導く人は、己の潜在意識に“集中力”を養い、「生きている間の一仕事」に常に精根を傾けているので、どんな困難に遭おうとも、苦しみに遭遇しようとも、そこから抜けだすことができるのです。いやそれどころか、苦境や困難から抜けだす手法までも、癖化して修得するのです。
 今回、ここに書いたことも全てが無意識に自分の潜在意識にインプットしている訳ですから、これをどのように改善すれば良いのでしょうか。そのヒントは、我々が最も頻繁に用い、しかも無意識に使っているもの……「言葉」にその鍵があります。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/