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今週の喝 第566号(2016.2.22〜2016.2.28) この世は全て催眠だ(308)〜人の感性は、全て錯覚?!〜

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この世は全て催眠だ(308
〜人の感性は、全て錯覚?!

 お経「般若心経」は、“空”という全宇宙を成り立たせている根源的エネルギーの実態を解説している仏教の中で最もポピュラーな経典の一つですが、また、その解釈が多岐にわたる(色々と解釈できる)ため、「何が正しい解釈か」が分かりにくく、最も難解なお経の一つでもあります。
 その難解性を、私達が学んでいる「催眠」現象から紐解くと、
 「我々の持つ感覚(眼耳鼻舌身意)すら“錯覚”である」
となります。それは、視覚でいうと、自分の好みに合った女性が現れると、目はウットリとして、とても心地よい感覚を得ますが、人の持つ感性の根本には、「慣れ・垂れ・飽き」という怠慢の心があります。それ故、その女性を己のものとするまでは、果敢にGetしようとしますが、一度、自分の思い通りになると、段々、己が心に相手に対する新鮮さが陰り、側にいるのが「当たり前!」と感じるようになり、いい加減に扱ってしまいます。心が飽きた状態になると、好きで好きでたまらなかった時のことは、忘却の彼方へと去り、何も感じられなくなります。
 このように、“心変わり”すると、手のひら返しの行動や行為に出てしまうのです。それは、“眼”に限らず、あらゆる人間の感覚器官がそのように反応し、やがて感性鈍化が始まって、その相手との“絆”を自ら捨て去ってしまいます。
 そこで、徳川家光の幕賓である沢庵禅師は、
 「心こそ 心惑わす心なれ 心に心 心乱すな!」
と喝破しました。
 それはつまり、「己の心こそ、己の心を惑わせるものであるから、己の心の乱れを真剣に自分の心で観察し、決して己の心を乱してはいけない!」と、喝破しているのです。これそ、全て我々の感覚器官(眼・耳・鼻・舌・身・意)は、「快」の方向になびき、尚且つ、それを「癖化」してしまいますので、自分の感覚を頼りにしても、それは“錯覚”したのと何ら変わりないことなのです。
 強いていえば、この世の全ては“錯覚”なのかもしれません。
 
★★“錯覚”の世であるが故に、催眠法が生まれた★★ 
 般若心経の私の解釈が間違っていなければ、「この世は全て錯覚の世界」であり、この錯覚の世界は、来たるべき彼岸(あの世)へのパスポートの役割を果たすのです。つまり、現世での所業如何によって、来世での位置や階層が決まり、あの世こそ“本物”の世であると結論づけられます。この辺りの解釈から、法然や親鸞による浄土宗や浄土真宗の教義が生まれたのかも知れません。
 さて、江戸時代に流行を見せた“浮世絵”は、この世の通俗的な庶民の暮らしや、世間の様子を描いてありました。そこへ、明治になってからお雇い外国人教師の一人であるフェノロサがやってきて、浮世絵を見た途端「これは素晴らしい芸術である」と言い、それを契機に写楽などの浮世絵はもの凄い値段がつき始めました。
 一説によると、浮世絵は当時の包装紙に用いられたこともあるようです。それが、鶴の一声、いやフェノロサの一声で、すごい価値が付いてしまう……これこそ、芸術的価値など何も分かっていない人間がいかに多くいたかと言う証でしょう。
 さて、この“浮世絵”の「浮世」とは、水に浮く浮き草に例えて「現世」のことを指します。つまり、根がない=根拠がないものと言うことです。ですから、この世は浮世、つまり、全て移り変わる世界ですから“錯覚の世界”といっても良いのです。
 我々が持つ根源的欲望(寝食性金名)も、また、浮世の産物です。8時間熟睡した後で、もう8時間寝ることは出来ませんし、おなか一杯食べた後で、おなか2杯目はありません。セックスにはいくら愛し合っていても、接触には限界があります。また、高級車が欲しいとなけなしのお金を出して購入した途端、別の車に浮気が始まるか、車に飽きてしまうかの何れかです。
 いやはや、本当にこのように考えると、人間とは正に錯覚の中に生まれ、そして死んでゆく……それでは、本当の姿や形は何かと探究した結果、それは“空”のエネルギーであるという結論に到達したのだと思います。
 般若心経は、「是故空中、無色無受想行識無眼耳鼻舌心意無色声……」と無い無い尽くしが書いてあります。ここで言う“無”は、「無い」ことではなく、「意識に上らない」という意味で、無意識を指します。
 このように、いくらこの世の実体を論じても、その本質が無意識である以上、我々凡人には、仮にこの世が「仮の世=浮き世」だとしても、実感は湧きません。そう、錯覚しているなどとは到底気付かないのです。
 人は、現実とイメージの区別が付きにくい生きものであるのも、錯覚しやすい証しです。ならば、この錯覚を活用して、人間にシミュレーションを施せば、現世では効果のある結果が得られるでしょう。その方法が、「催眠法」なのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/