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今週の喝 第556号(2015.12.14〜2015.12.20) この世は全て催眠だ(298)〜イメージと体験の区別は付かない!?〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(298
〜イメージと体験の区別は付かない!?

 先週は、仏教を中心に変性意識の話をしましたね。タイやミャンマーなど小乗仏教の国(今ではこのような言い方をしなくなりましたが、分かり易くするために…)では、その寺院やパゴダ、仏像は光輝くものが多いのは、それらを眺めていて、パッと眼を閉じたとき、その残像が脳裏に映り、見ていないのに視覚神経は補色(赤なら緑に見える)ではありますが作動しています。これを繰り返すと、やがて般化作用が起きて、常に脳裏に寺院や仏像が映し出されるようになります。つまり、イメージが容易く想起されるのです。般化作用とは、何度も繰り返し一定の行為を行うと、やがて無意識にその行為に反応するようになることです。
 我々人間は、縄を「ヘビだ!」と言われて、そのように錯覚しても、ヘビの嫌いな人間は、自律神経は実際のヘビを見たのと同じ働きをします。つまり、鳥肌が立ち、心臓の鼓動が早くなり、発汗作用(冷や汗)すら起こってきます。つまり、我々霊長類は脳が高等に発達した所為で、イメージと現実の区別が付きにくくなりました。
 同様に、実際の仏像を拝むのと、脳裏に連想されたイメージの仏像は同じような効果を生みます。古来より、宗教では「偶像崇拝の禁止」が度々叫ばれました。その意図は、仏像など人間がこしらえた具体的な形の偶像は、真の神格的霊体とは違うことを、瞑想などによってその霊験を体得した人達は知った為、正しい姿を伝えようとして禁止したのです。
 しかし、凡人はそのような高等体験にはなかなか至りません。それでも、心苦しい時は神仏に頼りたいのが人情です。そんな時、光輝く仏像を見た事による残像は、我々の心に神仏の実存を予感させます。そして、この視覚的脳回路は、何度も何度も繰り返し残像を脳裏に残すことで強化されてゆきます。ですから、残像訓練と言ってもよく、脳にイメージ的発想が湧きやすい脳を形成してゆきます。
 もちろん真の神仏霊魂は、仏像やご神体のような形ではないでしょうが、その存在を実感させるための脳回路の育成には、光輝く仏像はとても有効な手段なのです。
 
★★キリスト教会は変性意識の殿堂★★ 
 さて、西洋に目を転じてキリスト教でも、カソリックは十字架に掛けられたキリスト像やキリストを抱いたマリア像など偶像がありますが、プロテスタントでは、ただ十字架のみが礼拝の対象です。プロテスタントの始祖マルティン・ルターは、罪悪を犯した者が免罪符(許しを請うお札)を買えば救われるといった金儲け主義的行為に抗議したため、カソリックの間違いを指摘する行為の一環として、キリスト像やマリア像を否定したのです。言わばプロテスト(抗議という意味)の象徴的行為なのです。
 クリスマスの定番賛美歌「きよしこの夜」にも、カソリック版とプロテスタント版があるのをご存じでしょうか。カソリック版は
  きよしこの夜 星はひかり
  救いの御子は み母の胸に
  眠りたもう 夢やすく
ですが、プロテスタント版は、2行目のマリアを指す「み母の胸に」が「まぶねの中に」となり、マリア信仰は出てきません。本当に、私のように信仰心の薄い者から見れば、たわいのない事なのになどと思いますが、真剣に宗教の教義を重んずる人からは、重要なことなのですね。
 キリスト教も宗派はどうあれ、やはり信者が集まる教会を研究すると、これが我々を変性意識に導引するマシンと言っても差し支えないほど、我々の五感を“快”に導いてくれるように出来ています。
 ヨーロッパ観光ツアーでは、教会巡りがあり、私も参加したことがあります。それも「変性意識」に注目して……。先ず視覚から解説すると、原色鮮やかなステンドグラスでキリストの生涯の物語などが描かれていたり、壁画や天井画に旧約聖書の「天地創造」や「アダムとイブ」などの場面がこれも彩り豊かに有名画家によって描かれています。いずれも、我々は見上げなければならない位置にあり、斜め上を見る体勢は、我々を変性意識に導きます。また夜になると、ロウソクの炎が幽玄の世界を醸しだし、これまた神秘の中に誘われます。このロウソクの照度は我々人間の脳にはとても緩やかな刺激となって安堵感を与え、変性意識に誘うのです。
 初日の出を拝みにゆけば、その黎明から一条の光が現れる瞬間得も知れない感動を覚えます。富士登山がもて囃されるのもこの感動を味わいたいからです。また、夕陽が西に沈む頃から夕焼け空、あかね雲から黄昏の間を「逢魔ヶ刻(おうまどき)」と呼び、人が霊魂の存在を実感するのも、この太陽の角度や照度が我々を「変性意識」に誘うからです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/