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今週の喝 第555号(2015.12.7〜2015.12.13) この世は全て催眠だ(297)〜生きている仏教〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(297
〜生きている仏教

 だいぶん前になりますが、観光目的でタイ(THAILAND)を訪れたことがあります。通常の観光コースに名前は忘れましたが、大きな寺院がありました。その寺の本堂には大きな仏像が鎮座しており、その前に「金箔」を売る店がありました。何をするためにそんな店があるのかと、現地の信者達の行動を見ていると、その金箔を本堂の仏像に各自がペタペタと貼っているのです。その所為で、その仏像は目映い黄金に光輝いていました。
 日本の仏像と言えば、三十三間堂に代表されるように、作りたての頃は金箔や金メッキで光輝いていたでしょうが、経年変化で黒ずみ、また我々日本人の美観は、この黒ずんだ古色が、わびさびの世界と共鳴して「趣」と捉えています。
 日本のお寺も創建当初は、平安神宮や厳島神社のように朱塗りの美しいものでありましたが、茶道の発展と同時に、「枯れゆく美」も自然と捉えるようになり、こまめな修復より、時の流れをそのままに映し出すことこそ自然な美しさと認知され、今日に至っています。ですから、日本の大寺院のほとんどはモノクロの様相です。これそこ日本独自の美意識なのです。それと同時に、現代人は信仰心も薄れ、宗教を美術的感覚で捉えるようになった感があります。
 興福寺の阿修羅像も、アシュラーと呼ばれる女性ファンに「可愛い!」ともて囃され、まるでアイドル感覚です。そこには、人の心の奥底に潜む六道輪廻の阿修羅の形相の面影は微塵もありません。
 しかし、いわゆる東南アジアを主流に広まった小乗仏教の国では、仏教は日常の生活習慣と密着しています。ですから、本物の信仰対象です。「同行二人」……いつも仏と一緒にいる感覚を自分の脳裏に焼き付けるためにも、仏像は光輝き、威光を放っていることが必須なのです。光輝く仏像は、それだけで我々を感覚的に変性意識状態に誘い、自分(人間)を越えた大きな存在を想像させます。そして、黄金に光輝く仏像は、それを凝視すると、次の瞬間に眼を閉じても、残像として脳裏に焼き付いています。つまり、無意識に記憶されたのです。これを「観想(かんそう)」といい、人間に浄土の様相をイメージさせるのです。
 
★★潜在意識vs顕在意識の軍配は!?★★ 

 夢(Dream)に見る、または印象(Impression)に残ったことなど、我々は眠って意識のない間にも脳は働き続けている事が、その映像(イメージ)の想起で確認できます。自意識ではない心の動きは、潜在意識に蓄えられた情報が、意識している時の優先順位で湧き上がってくるのではないかと精神科医のジークムント・フロイトは考え、西暦1900年「夢判断」を発表しました。
 このように、我々は自意識とは関係ないところで、日常の生活や習慣、環境や対人関係から色々な影響を受けながら、自分自身の性質を形成して行きます。
 潜在意識とは、喩えて言うとHDD=コンピュータのハードディスク(記憶素子)のようなものと思えば良いでしょう。ハードディスクに書き込んだものは、加筆削除は自由に出来ますが、その痕跡はしっかりと別の方法で消し去らないと残ったままです。ITの犯罪が多発する現在、壊れたコンピュータからも情報の断片を取り出すことが出来、そこから犯人確定に及ぶこともあるそうです。つまり、我々人間は、記憶したものをより鮮明にしたり、また、自分自身の重要度の基準によっては忘却することもありますが、ある特殊な方法を用いると、忘れてしまった記憶も呼び起こすことが出来る事が分かったのです。その特殊な方法とは、「催眠誘導」することです。
 単純に催眠誘導とは何かを説明すると、被催眠者(催眠に掛けられる側)の潜在意識に、催眠者(催眠誘導する側)が直接コンタクトを取る方法です。そして、何度も言いましたが、「潜在意識」は我々が思考行動の司令塔としている「顕在意識」とは比べものにならないような大きなエネルギーを持っています。それは、潜在意識の説明するのに“氷山の絵”を用いますが、水面上に顔を出して見えている部分=「氷山の一角」といわれるのが顕在意識(われ思う、故に我あり)で、その水面下にはそれの何倍もの氷が隠れていることから例えに使われるようになりました。タイタニックを沈没させた原因も、この氷山の隠れた部分に船腹をぶつけ、そこから浸水したからです。つまり、潜在意識のパワーは顕在意識には比肩出来ないくらい強大なのです。
 催眠誘導された人は、催眠者の言うことも自分の現状も全て分かっている、逆らおうと思えば逆らえそうなのに、「そのような気にならない」と言います。そして、もっと深い催眠状態に誘導されると、コンピュータでいうと、以前使用した情報の痕跡すら消去してしまう完全初期化すら成されます。
 タバコを止めようとして止められない人は、顕在意識で「タバコの害」については熟知していますが、たばこを吸ったときの“快”は全くもって健在です。そして、潜在意識のエネルギーは顕在意識とは比べものになりませんので、再びタバコに手を出してしまうのです。
 すなわち、喫煙、飲酒、過食、また、博打など“快”を伴う所業は、潜在意識にインプットされたものですから、中々、「意志の力」では制御できないのです。しかし、潜在意識の制御法である催眠現象を用いると、それは可能なのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/