M&Uスクール

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今週の喝 第554号(2015.11.30〜2015.12.6) この世は全て催眠だ(296)〜神社仏閣は変性意識状態のWonderland〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(296
〜神社仏閣は変性意識状態のWonderland

 京都や奈良は、今がもみじの真っ盛り、あの紅葉や黄葉、そしてそのバックに常緑樹のある風景は、鮮烈な色調にも関わらず不思議に私たちの心は癒されます。そういえば、赤・黄・緑は信号機の色でもありましたね。
 その秘密は、大自然と我々の潜在意識が呼応して変性意識状態になるからです。古都の神社仏閣にわざわざ桜やもみじ、そして季節の草花を植えて安らぎ空間を用いたのも、大勢の人間に来てもらいたいという意図もあったのです。景勝地、名勝地は「必ず」と言って過言ではないほどに“変性意識状態”に自然になるか、それに導く工夫が成されています。
 先の樹木の色合いに始まり、有名な神社仏閣は建物も大きいですね。それも五重塔に代表されるように高い建物や、大きくどっしりとした屋根、また、その隅々に魔除けのための鬼瓦などを配したデザインは、上を向かずに居れない構造になっています。
 人は、心の暗いときには下を向き、希望ややる気が出てきたときには自然に上を向きますね。そして、広大な伽藍配置、今では建立当時の塗装も剥げて木の地肌になっている寺社も多いのですが、創建当時は「平安神宮」のように目映いばかりの朱塗りであったのです。その壮大な姿が目に飛び込んでくるだけで、私たち人間は、驚異と威厳、そして神仏や天の存在を感じずにはいられません。
 古人は、こんな人の性質を知っていたかどうかは別にして、壮大な神社仏閣は、全て人間の心を未来に向けた希望を湧き出させるような造りです。
 最近、「上から目線!」という言葉がよく使われます。それは、上位から物申すことで“えらそう”にしていることですが、これが立場が逆になり、下から上を眺めるとき「下から目線?」のときは、畏敬の念や信頼性を喚起され、それまで何も思わなかった霊的なエネルギー(Something Great)の存在を直感し、己自身の存在に謙虚性を抱くようになります。これも全て、変性意識状態に導引されたからこその心理状態なのです。
 
★★オプティミズムとペシミズム★★ 
 人間は、高い山や建造物を見上げると、そこに威厳を感じ、その下に抱かれたい、同化したいという思いが出てきます。最近の登山人口の増加は、登山道の整備やガイドの充実もあって、比較的安全に初心者でも挑戦できるようになったことにあります。「比叡山」延暦寺など、寺に“山号”があるのも、寺院が山に建立されたことに因んでいます。我々M&U SCHOOLの本拠地も、正確には「鴻鳳山(こうほうさん)」心華寺(しんげじ)です。
 エベレストに初登頂を試みたイギリス貴族のヒラリー卿に新聞記者が、
 「生命の危険を冒してまで、あなたは何故山に登ろうとするのか?」
という問いに対して、
 「そこに山があるからだ!」
と答えたのは有名です。まるで禅問答のように、頓珍漢な受け答えのようですが、これこそ、人間の潜在意識からの叫びと言いましょうか、変性意識状態になればその方向に進んでしまう人間の“性質”が存在しています。
 その変性意識導引の秘訣の一つが、「見上げる」ことなのです。人が、あれやこれやとイメージを膨らませて希望的に物事を考えているときは、必ず、視線を斜め上方に向けていますね。また、悩みや苦しみの中にいるときは、下向き加減で鬱陶しい姿です。これも、自然な姿で、問題が起きても希望的に問題解決に向かう人間は上向き視線、失望して迷う人間は下向き視線をとっています。そして、これを何度も繰り返す内に癖化して潜在意識にインプットされてしまいます。つまり、無意識化されるのです。
 ですから、希望的上向き視線を常にとっている人は、やはり問題を解決するアイデアが多く湧き出ます。この性質を、「楽観的思考」オプティミズム(Optimism)といいます。また、逆に失望的下向き視線の人間は、何事も悲観的に物事を考え取り越し苦労も最たるものです。こんな性質を、「悲観的思考」ペシミズム(Pessimism)といいます。
 ですから、神社仏閣に詣でる意味は、人間が「苦からの救済」を求めるこが最大目標ですから、視線そのものが上を向き心に自然と希望が湧くことに古人達は気付き、そのような状態を体現できるようにしたのです。
 そして、神社仏閣の建物の中に一歩足を踏み入れると、そこはエコー(残響)が程よく効いたとても素晴らしい空間です。もちろんほとんどのご神体やご本尊は、見上げるような位置に安置されています。特にお寺は薄暗く、灯るろうそくの炎が幽玄の世界を醸し出しています。これらのことから見ると、神社仏閣全てが変性意識状態へのWonderlandなのです。
 そして、そこでは雅楽や舞楽、また大人数の読経の声は、必然的に我々を変性意識状態へ導き入れます。そこでは、信心深くない人間であっても、何か異様な雰囲気を感じ、「もしかして……」と神仏の存在を予感することも屡々です。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/