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今週の喝 第553号(2015.11.23〜2015.11.29) この世は全て催眠だ(295)〜重低音の響き、リズムの反復〜

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潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(295
〜重低音の響き、リズムの反復

 音楽が、我々の心を揺り動かすその秘密は、まさしく「重低音」が合成される“響き”にありました。「倍音の定理」そのものが重低音を発生させ、そのバイブレーションが我々を変性意識状態へと誘ったのです。
 このように言うと、「メロディーはどうなんだ?」と疑問を抱く方もおられるでしょうが、もちろん、メロディーそのものは情緒・感情を刺激するためには、一番大切である事は言うまでもありません。しかし、我々はメロディー以前の音楽……すなわち、リズムのみの音楽で感性の“受入体制”といってもよい状態を作り、その上に情緒や共感性を生み出すのです。
 その一番良い例がアフリカ原住民の音楽です。簡単な打楽器だけで恐ろしいほどパワフルな音楽です。そして、それが発展して“ジャズ”になり、そして今日の“ロック”になりました。強烈なドラムセットなどのインパクト(アクセント)ある繰り返しのリズムは、それを聴いているだけで、身体が揺さぶられ、思わず一緒に聞いている人達全てとリズムが合い、そこに“絆(きずな)”すら生まれます。タイミングが合うことの気持ちよさは、音楽など何の勉強もしていない人間でも、関係なく感じてきます。
 また、神社仏閣で行われる祭り囃子も、その強烈は太鼓のリズムで、今までの憂さを払い除ける効果があり、必然的に鎮守(ちんじゆ)の森や境内に人が集まってくることからもお分かりでしょう。
 大太鼓の響きは、それだけで、重低音を響かせ、それが多人数で奏でられると、それこそ、始めはそのボリュームの大きさから「やかましい!」と思っていても、だんだん順応し、それが訓練されたリズムの上に響き渡ると、我々の身体(五感感性)は全てそれに同調して行きます。そして、五感(眼耳鼻舌身)全てで感じ取った雰囲気は、我々の心を何にも捕らわれないニュートラルな感覚に導き、ストレスを発散させるのです。この感覚を「ニュートラル・ポイント」といいます。自動車の手動チェンジで言えば、ニュートラルの状態は、逆に、どのポジションにもシフトできる最もフレキシブルな(融通の利いた)位置にあります。故に、我々の心もあらゆるものに順応できる体制が出来ていて、しかも、次への活動エネルギーがたまった状態なのです。
 
★★音楽の感動の秘密が明かされた!★★ 
 「重低音」についてもう少し話を進めます。重低音は、我々をとても心の落ち着いた「ニュートラル・ポイント」へ誘う、最重要要素です。ここで、もう一度確認しておきますが、重低音は何も低音からだけ出ているのではなく、響きのある音は、残響(エコー)を伴って、そこに倍音効果が働き、たとえばフルートやソプラノなど高音部を引き受ける楽器からも発されていることを忘れないで下さい。俗に「ふくよかな音」と言われる、耳障りのいい音は、たとえ、それが高い音であっても、重低音の要素が含まれているのです。
 さて、皆さんはTVの深夜放送を見ていて、知らない間にうたた寝した経験をお持ちでしょう。しかも、番組が終了したあと、画面が嵐のようになり、何の放送もしていないのに(電波が来ていないのに)「シャー!」という音が鳴っています。それも相当大きい音なのに、気にならずそのまま夢見心地ということもありましたね。
 あの「シャー!」という音は、TVのアンテナが、決められた放送局の電波が休止したため、宇宙の各地から飛んでくる全ての周波数の電波を受信して発せられた音です。光は、あらゆる色の光が組み合わさると“白色”になりますので、この「シャー!」は色になぞらえて“ホワイト・ノイズ(白い雑音)”と呼んでいます。全ての周波数が含まれているのですから、当然「重低音」が生まれているのです。だから、私たちは変性意識状態に導かれて「安らぎ」を覚え、安眠状態になるのです。
 “ホワイト・ノイズ”は大自然界の発する音といっても過言ではなく、木枯らしや台風の風の音、波の音、小川のせせらぎ、梢のこすれる林の音など、全てが我々の心を揺さぶります。大自然に触れ合うとは、この重低音の中に埋没することだと思います。
 そして、これに風や潮汐(海水の満ち干)が加わり、リズムが生まれます。どんなに不眠症の人も、海岸べりにある旅館などで「波の音がうるさくて眠れなかった」という人は稀です。むしろ、不眠症もこの重低音にリズムが加わったことで、安眠に誘う要素となったのです。
 子供の頃、「台風が来る」とテレビなどが報道すると、何か知らないけれど「ワクワク」した体験を思い出す人もいるでしょう。被害が予想されるのに、何か怖いもの見たさのような感覚でしたね。そして、TVでも、台風の最中に川の増水や海の潮位を見に行ったり、自分の家の屋根瓦などの修理で外に出て、川に落ちた、波にさらわれた、屋根から落ちたなどの報道は後を絶ちません。これも、変性意識状態の為せる業で、不思議と恐怖がなくなり(勇気?が湧いてきて)、そのために無理をして事故に遭うのです。
 また、人工的な“ホワイト・ノイズ”の例として、電車や飛行機に乗ったときの音が代表的です。相当大きな音ですが、あまり気になりませんね。そして、電車はレールの継ぎ目の音がリズムを刻み、ほとんどが居眠り状態です。このように、重低音、響き、リズムなどが複合的に作用し合って、私たちの心を揺さぶるのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/