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今週の喝 第550号(2015.11.2〜2015.11.8) この世は全て催眠だ(292)〜全ての感覚に、“快”が存在する〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(292
〜全ての感覚に、“快”が存在する

 「美しい風景が、私の目を楽しませてくれた……!」
こんな、表現をよく見ますが、目が楽しんでいるのではなく、見たことを脳が“快”を感じたというのが、正しい認識です。
 屁理屈抜きにしても、脳そのものに“快”の感覚を覚知する性質(法則)があるのです。それが先回お話しした逢魔ヶ刻(おうまがどき)であったり、ろうそく、キャンプファイアの炎、また、キリスト教会のステンドグラスのような原色の光、淡いパステルカラーの優しい色使いであったりするのです。
 科学的には、照度(強さ)、明度や輝度(明るさやコントラスト)、彩度(あざやかさ)、など、光の性質にそれぞれに人が感じる“快”の範囲(ラチチュード)があります。その光の感触それぞれに、変性意識に導引する要素があるのです。ですから、光一つをとっても照度、明度、彩度など色々な条件がそこにはあります。
 これは、人の五感(眼耳鼻舌身)すべてに存在して、その一つひとつが快を感じる条件が揃えば、人の心(感覚)は満足し、その人間を“満足させる条件”を(無意識に)求めるようになるのです。これが「癖化」です。
 世間が「合理化」という無駄を省く行為も、身体ができるだけ楽に得をする無意識の性質から行われるように、人はみな、この“快”を(無意識に)求めて行動するのです。ここに、あらゆる犯罪や戦争、また、恋愛や家族愛、そして、企業経営もそれを営む人間の根柢に、その快を求める法則があります。従って、その法則から逆算すれば、人が成功に至る道が見えてくるのです。
 そして、この“快”を求める心自体が無意識(癖)化します。だから、快の状態を体験した人間は、それこそ、無意識に今までのやり方をより合理化の方向へ“修正”してゆきます。この修正をする時の心の状態が「変性意識状態」です。よって、催眠法は、変性意識状態を醸し出す事で、相手の思考行動を、より良い“快”を示すことで、変えて行く(誘導する)ことができるのです。
 
★★「音楽」は、人間情動の要!★★ 
 愛の告白をする時など、変性意識状態(Altered state of consciousness)のことなど何も知らなくても、夕方の海岸、夜の遊園地、高級なレストランなど雰囲気を無意識に重視します。あまり炎天下やパチンコ屋の前などで告白したなど聞いた事がありません。人は、自然に相手の心を自分に向かせようと思ったとき、変性意識状態を創り出したり、またその雰囲気のある場所を選ぶのです。
 ですから、変性意識状態の条件を知る事は、相手の心を操ることが出来る訳で、催眠誘導には欠かせない勉強なのです。そして、前にも言いましたように、六根(眼耳鼻舌身意)全てにその条件が存在します。
 「眼」……つまり“光”については、説明しましたので、次に「耳」=“音”についてお話ししましょう。
 当たり前のことですが、美しい音楽は人を酔わせます。孔子の逸話にも、雅楽に用いられる楽器“笙(しよう)”の大合奏を聴いて、感動のあまり、数日間食事も忘れるほど感動に浸った様子が伝わっています。
 私も、小学4年生の時、音楽室で初めて聞いたロッシーニ作曲「ウィリアムテル序曲」が私の心を捉え、5年生の時、隣接する今津中学公の体育館から聞こえてくる吹奏楽部の演奏(練習)するドヴォルザーク作曲「交響曲第9番新世界より第4楽章」の響きにつられ、体育館の通風口から聞き入り、夜になったのも気がつかないでいたことを思い出します。
 軍隊には軍楽隊がつきもの、そして、兵隊を激励することを「士気を鼓舞する」というように、太鼓を叩き舞を踊って勇気づけたのです。
 中世の終わり頃、ヨーロッパはオスマントルコに蹂躙され、ウィーンの近くまで攻め込まれました。そのトルコ軍の強さの秘密の一つに、彼らの軍楽隊の存在とそこで奏でられた行進曲がありました。トルコ軍の軍楽隊は、ヨーロッパのそれとは違い、馬上ティンパニーやシンバルなどとても打楽器の種類が多くそのボリュームも比べものになりませんでした。また、彼ら独自のリズムで奏でられる行進曲は、人間の情動を刺激する強烈なインパクトをもっており、後にベートーヴェンやモーツァルトも、それに感動し、そのリズムを用いて独自のトルコ行進曲を作曲している事からみてもお分かり頂けるでしょう。
 また、小鳥のさえずりを女性が好む事から、フルートが生まれ、愛の言葉に抑揚(リズムとメロディー)をつけて歌が生まれました。そして、彼女の部屋の窓辺で「愛の歌」を変性意識になりやすい夜に歌ったのです。それが「セレナーデ」で“夜に奏でる小さな作品”という意味です。
 また、一年の収穫を祝う祭りでも、お囃子やダンジリなどのパレードが催され、それは音楽無しにはまさに“都の鮫”です。そう「きょう(京)ざめ=興ざめ」なのです。
 さて、この音楽や祭り囃子にも変性意識状態に導く厳然とした法則が存在していました。さて、その秘密は……!

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/