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今週の喝 第549号(2015.10.26〜2015.11.1) この世は全て催眠だ(291)〜「般若心経」にも変性意識状態のヒミツが!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(291
〜「般若心経」にも変性意識状態のヒミツが!

 「催眠」とは、人を“快”の状態に導くことで、催眠者と同調する人間の性質を応用して、その人の感情や感覚を操作誘導する方法です。
 “快”とは、単純に気持ちの良い状態です。それはあらゆる事から感じる事ができます。美しい景色を見たとき、感動の音楽を聴いたとき、芳しい香りに包まれたとき、美味しい食事を食べたとき、気持ちの良いマッサージをして貰ったとき、恋人とのデート、憧れの人に会ったときetc.枚挙にいとまがありません。
 これらを分析すると、我々の生理的感覚である「五感」に、それに反応する心の状態が加わった「六根」が“快”であれば、我々は、心を解放し、とても素直な気持ちになるのです。その六根とは、「眼耳鼻舌身意」と般若心経にもあるように、我々人間が外界(世間)と通信をする手段のことで、これら一つひとつの感覚を“快”の状態に導けば、人間が持つ“想像力”と、そこから派生する“期待感”で、イメージと現実の区別が曖昧になり、快を与えてくれた人間……つまり催眠者の示唆する方向に導かれて行きます。
 これが「変性意識状態」で、とても“素直な自分”になっているのです。素直とは、余計な我欲や心配事から開放された心で、意地やプライドなど抵抗するものがない状態です。ですから、頑固性もなくなり、快の方向にただ真っ直ぐに行こうとしますので、何事においてもすぐに修正できます。
 喩えば、恋愛初期に自分の嫌いな食べ物を彼女が好きだと分かったとしましょう。そんな時、もっと愛されたい一心からその嫌いな食べ物を一緒に食べます。その結果、いままでの感覚とは違って「美味しい!」と感じた人も少なくないでしょう。これは、彼女を愛するという“快”……つまり催眠効果によって、味覚が変わったのです。そして、それ以降、その食べ物を食べると、恋愛初期を思い出すようになる事は儘あります。
 えっ!そんな事はないですと?嫌いは嫌い!……それは、まだまだ愛し方、愛され方が未熟であったと私は拝察いたしますが?
 
★★「六根」全てが、変性意識状態への導引手段!★★ 
 変性意識状態(Altered state of consciousness)は、“快”に導く事でもたらされ、その“快”を分析すると、六根(眼耳鼻舌身意)の全てにそれぞれの悦楽状態がありました。その解説をしてゆきましょう。
 
 先ず、「眼」ですが、あまりにも眩(まぶ)しすぎる光は、不快感を催し、暗さは恐怖をかき立てます。また、日中の穏やかな日差しの中では心は安定します。しかし、明るくもなく暗くもない丁度日没後の夕焼け時(逢魔ヶ刻(おうまどき))などは、寂しさや人恋しさに心揺れることがあります。このような時間帯は、私たち人間は何かを求めて素直になってゆきます。それは、照度で言うと、ろうそくの炎や夜のたき火の明るさです。
 お寺や神社でのろうそくや灯明の明かりが日頃信仰心のない者まで、霊験あらたかな気持ちにさせるのは、変性意識状態を体現しているからです。また、林間学校などでキャンプファイアを囲んだ時、隣の異性が妙に心に入って来たという経験を持っている人も少なくありません。お盆の行事の精霊(しようろう)流しも、まるでそこに故人がいるかのような錯覚をします。このように、宗教的な施設や祭礼にはこのような光の環境が作られ、幽玄の世界を醸し出しています。身近でも、スナックやクラブは、煌々(こうこう)と光輝いた店内はありません。薄暗い雰囲気が隣のホステスを人恋しく思うように設定してあるのです。
 また、モネやルノアールの絵画のようなパステルカラーの色合いも、我々の心を変性意識状態へと誘います。彼らを“印象派”と呼ぶのは、我々の心に不思議に残像として残るからです。
 一度、こんな実験をしてみて下さい。はがき大の白い紙に赤い日の丸を書いて、それを30秒ほど凝視(集中して見る)して下さい。そして、静かにその紙を取り去ったとき、どうなったでしょうか。そう、紙はなくなったのに、同じ所に今度は緑色の丸が残像となって残っているのが分かるでしょう。残像が残らない人は、「気散状態」(気が散っている)のです。そこに集中するれば、必ず残像が印象となって残り、以降、同じ心の状態になったとき、不意に脳裏に浮かぶことがあります。この時、我々の意識は変性意識状態を体現しているのです。
 また、真逆に原色を用いコントラストや明度の強い配色の絵も、そのイライラ感から脱出しようとして、トランス状態に意識を移行させます。この時は、私たち自身、現状からの脱出を想像力の中で“遮蔽(しやへい)”という形で行い、形は異なれど集中状態を体現します。
 そして、人によってその反応は多少の相違はあるものの、大体幼少時は、女の子は暖色系(赤)、男の子は寒色系(青)に反応しやすり特徴を持っています。ですから、子供を快に導く玩具は、この条件に従って配色されているのです。これも、変性意識状態へ誘っている無意識の智恵なのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/