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今週の喝 第548号(2015.10.19〜2015.10.25) この世は全て催眠だ(290)〜「変性意識」の大発見!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(290
〜「変性意識」の大発見!

 秋の夕暮れ、近くの小学校からドヴォルザーク作曲「交響曲第9番“新世界より」の2楽章の有名なテーマが流れてきます。
 その音楽と秋の空気、そして、六甲山に沈み行く夕陽……これらの情景と心が微妙に共振したとき、人は人恋しくなり、愛する人を求めて心が開いた状態になります。
 子供の頃、この音楽が聞こえてくると、早くお母さんの元に帰りたくなり、妙にセンチメンタルな心に支配されたのは、私だけではないと思います。このような感覚を、
 「変性意識状態(Altered state of consciousness)」
と言います。この状態は、人が夢を見たり、予感を感じたり、また、先ほどのように人恋しくなったりした時の意識で、人間が自分の持つ意識(顕在意識)と無意識に生命維持をする本能的意識(潜在意識)の間を取りもっていると考えられます。
 私たちは、楽器やスポーツなどその技量を習得するとき、始めは意識的に注意を払いながら練習して行きますが、やがて、いつか分からない間に、無意識にできるようになり、失敗した箇所は自ずから修正しようとする機能を備えています。これを、この紙面でも何度も書きましたが、サイコ・サイバネティクス(目的指向型自動機制)といいます。
 その時も、「上手くやろう」とか、「もし、又失敗したら恥ずかしい」等と見栄やプライドが顔を出すと、それこそ、その失敗のイメージ通りになってしまいます。これは、気が散ってしまった状態では、物事の習得は儘ならない証しです。昔から、「好きこそものの上手なれ」といわれるのは、「好き」の状態は、その好きの対象以外は無心状態になっています。言い換えれば、「深い集中」ができているのです。また、「好き」になっている時の心は、その好きの対象をいつでも受け入れる準備と、無意識に求める心が芽生えています。
 この変性意識状態を発見したのは、カリフォルニア大学教授で心理学者のチャールズ・タート博士で1969年に彼自身の著作により発表され一躍脚光をあびました。
 
★★「変性意識」は、自己を変える!★★ 
 変性意識状態(Altered state of consciousness)とは、大雑把に言えば、今まで一つの観念に囚われていたのが、別の観念へと心変わりする時の意識状態と思って下さい。ある人を始めはさほど気にも留めなかったのに、ある時期から自分の心を侵食し、気がつけばとても好きになっていたという体験は、ほとんどの人が身に覚えがあるはずです。このように、心が変化して行くときには、必ず変性意識状態を通って意識が変わるのです。
 また、タートの研究ではこの時、予知、テレパシー、遠隔視、幽体離脱なども起こりうるとも言っており、超能力(psychic power)研究では、この意識状態に先ず誘導する事からはじめます。
 そして、いま私が解説している“催眠現象”も、変性意識状態になったとき起こる事がハッキリと分かってきました。それは、脳波を測定するとすぐに分かります。通常の覚醒時の脳波はβ波と呼ばれていますが、集中力が増した人はその波形がα波という穏やかな波形になります。つまり、雑念が少なくなったのです。雑念を英語では“Mental noise”といい、文字通り「心の雑音」です。よって、この雑音が心から消え去ったときに人間は変性意識状態に入り、それはもっと端的に言えば「素直な状態」という事になります。
 素直であるが故に、自分の心をChangeする事にも抵抗がないのです。大概の人間は論理的に正しいと認識しても、中々素直な心になれないため、意地を張り抵抗をして自己主張を第一にもってゆきます。そして、その行為行動を繰り返す内に、潜在意識にしっかりとそのパターンがインプットされ「頑固者」へと定着するのです。
 素直である事は、自己改善、自己改革にはなくてはならないものですので、この変性意識状態に自ら入ってゆける人間は、宇宙の法則……言い換えれば我々の生存法則といっても差し支え無いサバイバル原理を感知できるようになるのです。我々人間はサイコ・サイバネティクスが備わっていると申しましたが、これこそ、この世での生存原理の感知能力なのです。その根本の心の状態が、「素直」の一言に集約されるのです。
 催眠誘導も、素直な人間は何の抵抗もせず導引されてゆきます。素直とは、愛や好意で相手を認めたときになる心の状態です。どんな頑固な人間も、自分の愛する人に抵抗する事はありません。もし、誰にでも抵抗しているならば、それは“愛”ではなく、“欲”のパワーによって独占しようとしているからで、本物の愛とはかけ離れたものです。私は、それを「錯覚の愛」と呼んでいます。
 このように、変性意識状態はとても「素直」な心の為せる業なのですが、さて、催眠誘導する側の心に悪い目論見がある場合も、その効果は同じように発揮されますので、それを悪徳商法や騙す手段に用いる輩が多いため、巷では「催眠商法」という言葉まで生まれてしまいました。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/