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今週の喝 第544号(2015.9.21〜2015.9.27) この世は全て催眠だ(286)〜「怒り」は、諸悪の根源〜

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潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(286
〜「怒り」は、諸悪の根源

 会社で大きなミスをした部下をつかまえて、「君は、こんなミスを何故冒すんだ」と叱っている上司をよく見かけます。また、母親が子供のテストの成績の悪さを見て、「勉強しないからよ。だから勉強しなさい」とガミガミ言っているのもよく見かけます。
 冷静に考えると、ミスを冒した者に「何故ミスをするんだ」と問いかけても、これは会話にならないどころか、ミスを改善する指導にもなっていません。むしろ、ミスを冒した人間こそ、「何故ミスを冒してしまったんだろう」と、その時の心の有様が分からないでいるのです。
 また、勉強しない故に成績が悪いのは分かりますが、勉強しない理由を究明せずに、「勉強しなさい!」と命令しても、相手の心は動きません。
 これらは皆、相手に対して“改善要求”しているのではなく、自分の感情を制御できなくなったため、八つ当たりと同じような感覚で、眼前の者を苛めているだけです。しかし、当の本人は、相手を「叱っている」と思っていますが、もし、その状況を第三者が見れば、「怒っている」ことは一目瞭然です。
 “叱る”という行為は、叱ることによって相手をカイゼンする事が目的であって、そこにはミスをした事に対する原因究明と、今後の注意事項が明快に示され、尚且つ、叱られたことによって当事者が“反省”し、以前にも増して意欲を燃やすように持ってゆかなければ、何の意味もありません。ですから“叱る”ことは、理性的な論理構築と計算が働かなければ、何の効果もないばかりではなく、双方の関係悪化を招いてしまいます。
 人生に於いて、人は成長してゆかなければ何の意味も見いだせません。その成長を促す大きな要素が「叱られる」ことであり、そこから生まれた反省とモチベーション(やる気)喚起は、その人間が成長したあかつきに、「叱り上手」になり、次世代の者を育てる人間となって、後継者を育成してゆく原動力となるのです。
 従って、自分の感情を自分自身で制御できなくなった「怒り」は、諸悪の根源と言っても過言ではありません。
 
★★「三毒」を追い出すには、「自観法」を修得せよ!★★ 
 仏教が説く「三毒」“貪(とん)・瞋(じん)・痴(ち)”……すなわち、「貪(むさぼ)り、怒(いか)り、愚(おろ)か」は人間が無意識に冒してしまう過ちとして、最古の仏教経典スッタニパータに既に出てきます。
 勉強していない人間は、自分がこの貪瞋痴の中にいることすら、気がつきません。いつも申しますが、催眠を学ぶと言うことは、情動の法則(システム)を熟知して、相手を思念通りの行動に誘導することですから、「怒り」に燃える人間は、催眠者としての資格はありません。こちらが感情的な“怒り”で接して、相手の感情を導引出来るわけがないからです。
 先ほどの事例のように、会社においても子育てにしても、常に、二つの結果に辿り着きます。仕事も勉強も、成功するか失敗か、成績が良いか悪いかです。もちろん、人間は成功を望むのは当たり前ですが、自分自身がやっても中々上手くゆかないことを他人にやらせるのですから、絶対にこの二つの結果を想定して、それに対して、成功時の恩賞や賛辞、また、失敗時の説諭や叱責などを理性的に用意しておかなければなりません。これこそリーダーの智恵の最先端にある所業です。これを、感情的発露の短気立腹で行うと、権力や地位の前では、相手の「嘘」を誘発し、それを反復すれば、部下や子供に「嘘をつく癖」を植え付けてしまうことになりかねません。
 人間は、「嫌なこと」や「苦しいこと」からは無意識に逃れようとしますから、上の者の前では、取り繕いの言葉や行為に終始し、その場から逃れたときには、掌(てのひら)返しのようにまるで逆さまの行為行動に出ることが往々にしてあります。そのような状況が何度も繰り返されると、最後に二重人格(多重人格)になり、自分で自分を制御することが出来ないような状態に陥ることも屡(しば)々(しば)です。そんな状況の一つが、件のヴァイオリニストが陥った“ダブルバインド”の状況で、そこから逃れようとする心(無意識)から、PTSDを引き起こしたのです。
 ですから、あなたがもし感情的になって怒りに震えたら、「お前は、リーダーになる資格がない!」ともう一人の理性的なあなたに管理させる訓練をして下さい。いつも、理性的なあなたと感情的なあなたを想定し、「理性で感情を制御する」訓練を常にするのです。たとえば、朝起きて歯を磨こうと思ったときでも、「歯を磨いてスッキリしたい自分がいる!」と感情・感覚を理性で管理するのです。それは、自分が感情的になって悪い結果を招かないようにする最上の訓練です。このように、貪瞋痴を防ぐために感情制御する方法を「自観法」といい、自己制御の最も根幹を成す訓練なのです。自観法のマスターこそ、リーダーとしての素養を磨く最も有力な武器となるのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/