M&Uスクール

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今週の喝 第534号(2015.7.13〜2015.7.19) この世は全て催眠だ(276)〜催眠誘導は、先ず“呼吸”を落ち着かせることから……!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(276
〜催眠誘導は、
 先ず“呼吸”を落ち着かせることから……!

 催眠誘導は、人間が一人ではどうすることも出来ない自分自身の心の奥底(潜在意識)に刻まれた傷痕(PTSD)を、他者(催眠者)の手助けで、修復してゆく技法です。
 その為に、最も大切なことは被催眠者の心が「快」の状態になり、催眠者との関係が「心を開く」状態になって、初めてそれが可能になります。
 しかし、心に傷痕を持つ人間は、容易に人を信用したり信じたりしません。それこそ、過去に欺されたり、嫌な思いをしたことを思い出すからです。心のガードがきつくなると、猜疑心が強くなり、相手がみんな“敵”に見えてくるのです。
 そこまで重傷でなくても、人間は教育や環境によって「相手を信ずるな!」と教え込まれていることが多いため、なかなか心を開こうとしません。
 そこで、心を開かせるために「チューニング」の技法を用い、無意識に自分と同じ行動形態や思考を持つ人間(同類項)と感じさせるのです。その上で、行動パターンが合致してきたら、今度は“呼吸”を合わせます。相手の呼吸の速度にこちらの呼吸を合わせてゆけば、相手の心の状態がどのようになっているかが自然と分かってきます。
 一度、自分の呼吸を今のペースより速くしてみて下さい。吐く、吸うのペースを速くすると、何かイライラとしたり、不安な状態になったり、恐怖心のような落ち着かない気持ちになります。そして、猜疑心が出るにも関わらず、その猜疑心の相手に集中しているのかといえば、何かソワソワとして落ち着かない、気の散った状態になっています。
 催眠は、気の散った状態では絶対に誘導できません。あくまで“集中”させることが大切なので、呼吸を緩やかにして、心を落ち着かせることが肝要です。
  
★★催眠誘導を学ぶことは、己の胆力を養うこと!★★ 
 自分の呼吸を、相手の呼吸に合わせれば、おぼろげながらも相手の心の状態が「集中」しているか「気散」状態であるかは分かります。ですから、チューニングによって、初めは相手の呼吸の速度に合わせるのですが、相手が心を開いてくれば、こちらがだんだんゆっくりと呼吸の速度を落としてゆくと同時に、深い呼吸へと誘導してゆきます。
 人間の呼吸とは不思議なもので、「息」と言う字の如く“自分の心”を表しているのです。呼吸が深く緩やかであれば、身体もリラックスして落ち着いている。その時、前にいる人間には心を開いているのです。そして、思考はいつもプラス方向を向いているため明るく朗らかです。また、浅くて速ければ、身体が硬く気が散って、他人には警戒心や猜疑心で心が満たされ全く信用できません。そして。思考はマイナスに働いていますので、何に対しても暗く萎縮していることが多いです。ここの見分けは、出来るだけ大勢の人に催眠誘導をしてみると自然に分かってきます。
 その時、最も大切なことは、心を閉ざしている人間は、不安や恐怖から逃れたいと思っているので、その手立て……人を求めていることが多いのです。このように、マイナス感性の人間は常に、人を疑いながら助けを求めるという矛盾の心を持っているのです。何はともあれ、人間はすべからく「快」の方向に心を向けますので、ちょっとした相手の仕草からきっかけを作り出すことは可能です。
 例えば、マイナス感性の強い人は筋肉が硬いので、たいていの人間が「肩コリ」です。そこで、
 「ちょっと肩が凝っているようですね。良ければ、ちょっと治してみましょうか」
などと、話しかけると、猜疑心を持ちながらも、肩コリからの解放も望んでいるので、大概の場合、遠慮がちだけれどもチョット強引に勧誘すれば、応じることが多いのです。そこで、呼吸調整(誘導)に入れば良いのです。
 このように、催眠者は被催眠者の心の状態(+か−か)を、身体の状態から推測する観察眼を養うことを訓練します。相手の一挙手一投足をしっかりと観察するのです。被催眠者がコップを持ったとき、持った手の小指に力が入り、ピンと伸びているような場合は、相手は決してこちらに心を許していません。人間の小指は五本の指の何よりもその心の表れでもあります。ですから、小指の力を抜くようになるまで、私はその人をリラックスするように「快」を前面に出し、安心させてゆきます。
 人間は、緊張で肉体が硬直状態でも、ひとたび緊張解除しだすと一気にリラックスの状態(トランス)に入ってゆきます。それは、ちょうど自転車の訓練のようなもので、乗ることが出来る時は一気に乗れるようになるように、ボチボチとか段々徐々に弛緩してゆくのではありません。つまり、心のスイッチは、OnかOffかハッキリしているのです。どっちにしようか迷っているときは、マイナス状態です。それまで、こちらはじっくりと「快」の方向へ根気よく、トランス状態へ誘導してゆく胆力を養います。決して焦りは禁物です。
 ですから、催眠誘導を学ぶということは、自分自身の沈着冷静の心を養うことになるのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/