M&Uスクール

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今週の喝 第535号(2015.7.20〜2015.7.26) この世は全て催眠だ(277)〜イメージの世界では、肯定と否定の区別はない!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(277
〜イメージの世界では、
 肯定と否定の区別はない!

 人間は、呼吸を深く安定させ、脳裏(心)に描くイメージに集中させれば、必ずトランス状態(催眠)に入ります。その状態へ誘導する技法が催眠法です。ですから、催眠者はこれら人間の情理(無意識の心の法則)を学ぶことが肝要です。
 簡単にまとめますと、技法的には、「催眠とは“呼吸・イメージ・集中”の三位一体化」と覚えて下さい。
 さて、ここでイメージについて考察しましょう。ここでいうイメージとは、相手(被催眠者)の理想の形(将来そのようになって欲しい姿)です。しかし、“理想の形”を否定形で思う人が多くいます。例えば、
 「あなたの好きな食べ物は?」
と尋ねられ、
 「サカナ以外!」
と答えるようなものです。
 なぜ、否定形を用いることが良くないかといいますと、
 「肉や野菜が好き!」
と聞けば、肉や野菜が一番にイメージとして浮かびますが、
 「サカナ以外!」
と聞けば、先ず“サカナ”をイメージしてから、それを払拭にかかります。しかし、脳裏に一端イメージ化されたものは、消すことは出来ません。つまり、イメージの世界は、肯定も否定も関係なく、その単語で想像するメカニズムになっているのです。
 ですから、神仏に“お祈り”するときも、
 「どうか事故に遭いませんように……!」
と念ずると、事故を起こしている状態を想定してから、それの否定にかかりますので、想像エネルギーが半分に落ちてしまいます。従って、
 「安全に過ごせますように……!」
と肯定的に想像力を働かせることを習慣化しましょう。
 「あなたあの人のことをどう思っていますか?」
という質問に対して、
 「嫌いじゃありません!」
という回答をした方に、
 「それでは、好きなんですね?」
と切り返すと「……!」。しばらく回答がないまま、
 「いや、そうではなくて……」
とはぐらかす場面がよくあります。この内実は、やはり相手を「嫌い!」なのに、自分が良く思われたいために(相手を思い遣ってではなく)発する言葉なのです。催眠を学ぶ者は、このような、はぐらかしを止め、肯定的な将来の完成形を言葉にする訓練をすることが肝要なのです。
  
★★催眠誘導は集中力を高め、人を機敏にする★★ 
 催眠は、相手に対する理想形を肯定的に一点に絞って脳裏に描き、その状態へと誘導します。その時、被催眠者は常に“快”の状態であるからこそ、催眠者に心を開きます。つまり、安心感を与えることこそ最高の催眠技法なのです。
 人間は、霊長類といわれるだけあって、他の動物に無い「想像力」を持っています。そして、その想像力のエネルギーが強ければ強いほど、現実との区別が曖昧になり、現実の実感にも似た感覚で、自分の自律神経系や筋肉、そして、思考を働かせます。つまり、人間は、集中力が高まれば高まるほど、現実と想像の境目がぼやけてくるのです。例えば、
 「今すぐに、心臓の鼓動を早くして下さい」
と言われても、そんなコントロールが出来る人はほとんどいません。しかし、好きな人の前で言葉が詰まったり、自分の意志を思うように伝えることの出来ない人……つまり、あがり症の人は、“好きな人”をハッキリと想像するだけで、現実との区別がなくなり、心臓がドキドキしてきます。ですから、「あがり症」と思っている人は、逆の見地から見ると「集中力豊かな人」なのです。
 この集中力を高めれば、心に描くイメージをコントロール出来るのです。但し、自分一人で行う時、過去の悪いイメージや失敗イメージが湧き上がってくる場合もあり、セルフ・コントロール(自己催眠)は中々上手くゆきません。しかし、その人の成功イメージを描いている催眠者が居れば、言葉でその状況を誘導を補助できます。
 被催眠者が、少し不安気味な感覚に襲われたなら、身体のどこかの筋肉が収縮したり、紅潮したり“信号”を発します。手足がピクッとほんの少し硬くなったり、眉間が緊張したり、本当に微細な動きを見逃してはなりません。そして、そのような動きをしたなら、催眠者は言葉で
 「あなたは、とてーも落ち着いている」「ゆっくりと息を吐きましょう」などと、リラックスへの誘導を深めてゆけば良いのです。“怖い”と思った時に、リラックスへの誘導をしてくれる……つまり、自分の心を分かってくれると思ったら、催眠者へより厚い信頼を無意識のうちに寄せてきます。古来より、「痒いところに手が届く!」というが如く、隅々まで人間観察をして、相手の筋肉などの微細な動き(Nonverbal Communication=言葉に因らない疎通)から、心の状態を察知する感性を鍛えましょう。
 ですから、催眠を学ぶと言うことは、相手の集中力を高める技法のマスターことはもちろん、自分自身の観察眼を養う事にもなります。そして、相手に適切な“言葉”でアドバイスを与える臨機応変性も体得しますので、とても機敏な感覚を手に入れることになるのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/