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今週の喝 第518号(2015.3.23〜2015.3.29) この世は全て催眠だ(260)〜「催眠」は、あくまでお手伝い……しかし!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(260
〜「催眠」は、あくまでお手伝い……しかし!

 「催眠とは何か……?」と問われると、私は躊躇なく“快”と一文字で答えます。
 それは、この世にある生物全てが、快適な環境の下に生息しようとし、尚且つ、脳を発達させた動物は、より快適な心と身体の状況に自らを置こうとし、霊長類である我々人間はその状況を作り出せるならば、自ら実現化しようとするのです。
 ですから、“快”の状況が体現できると「想像した」だけで、心と身体は既に「体現している」ような錯覚と共に、その方向へと全身全霊でなびいてゆくのです。その“想像力”の手伝いをするのが「催眠誘導」と理解してください。
 催眠は、あくまでも「手伝い」なのですが、このお手伝いが緻密(ちみつ)且つ有効であればあるほど、依存度は高くなることは理解できますね。そして、依存度が高くなればなるほど、主客転倒して、「手伝い」そのものが牽引の役割を果たすのです。
 その「手伝い」である催眠者に、被催眠者がどれだけ依存しているかを測るバロメーターが“呼吸”の状態なのです。その呼吸の速度や深さは、筋肉の堅さ(柔らかさ)と連携しています。つまり、呼吸が深く緩やかな人は、筋肉も柔らかくほぐれ、心もリラックスした“快”の状態なので、依存度は高い=信頼関係が高まったのです。この信頼関係を結ぶ能力のことを「ラ・ポール」といいます。
 ラ・ポールが生じると、心身を委ねてきますので、尚且つ、身体はリラックスし、心は想像力が活性化してきます。このような状況を作り出せると、本来「お手伝い」である催眠誘導する側が、リーダーとして被催眠者の意思決定までも司るようになります。その時、被催眠者は催眠誘導者に「威光」を感じるようになります。このように、“快”の状況を繰り返し相手に体現させることで、やがて、催眠誘導者が現れるだけで、“快”の状態を想像し、期待感を持って知らず知らずのうちに受け入れ体制を整えます。これを「威光暗示」といいます
 
★★「偉そうな人」vs「威光のある人」★★ 
 “偉そうにしている人”“威光のある人”とは全然違います。世の経営者でここを間違っている人のなんと多いことでしょう。威厳・威光のある人は、それが師匠であれ経営者であれ、また、厳しくても、その人がいるだけで心に安堵感と快さや将来への希望が湧き、夢を与えてくれます。
 権力や地位、また権利財力にモノを言わせてふんぞり返っている人は、周りの人間の態度だけ見ると“威光暗示”が有るように見えますが、周りはそれこそ自分の心を偽って、私利私欲を基準とした利得主義でチヤホヤと、さも好感を持っているように振る舞います。しかし、昔より「金の切れ目が、縁の切れ目」と言うように、その人間の権力や財力がなくなったとき、潮が引くように人がいなくなります。またそのような人が、近くに来ると、周りは嫌われないように、粗相がないようにという欲得の心から、身体が緊張し、呼吸が乱れていることによって判断が付きます。それでも、この紙面で示しているような勉強をしていない人間は、「偉そう」と「威光」の区別は付きません。
 要約すると、あなたが居て周りがリラックスする雰囲気を醸し出せる人間こそ“威光暗示”の持ち主と言うことです。
 
 その威光暗示のある人が催眠者として被催眠者を誘導するとき、事前情報として、その人が「何を欲し」「何に苦労し」「どのようになることを願っているのか」ということを、カウンセリングしておく必要があります。
 カウンセリングの極意は、「相手に話をさせること」です。そして、自分は相手の話をしっかりと聞く側に回ることが肝要です。これを「傾聴」と言います。へたくそなカウンセラーは、相手が喋らないと“質問”をして聞き出そうとしますが、これは御法度!……質問に答えるというのは、心を悩ませている人間にとっては、警察の尋問と同じくらい重苦しい雰囲気が漂います。(警察の尋問を受けたことはありませんので、想像です)
 相手が喋らないというのは、緊張して呼吸が浅く、身体全体の筋肉が緊張しているため、口も重くなるのです。ですから、リラックスさせれば、必ず好意的になり、好感を持てる人間には話をしたくなるのが人の情動ですので、カウンセラーに話さないというのは、心を開いていない証です。
 人は、好きな食べ物、趣味や特技、尊敬する人やあこがれるタレントなどの話をすると、心は自然に開いてくる傾向があります。これは、その人の“心の周波数”にこちらの“心の周波数”を合わせるのと同じですから、音楽用語で“音合わせ”という意味の「チューニング」と言います。
 人はチューニングされることで、相手を“自分の味方”と判断して心を開いてきます。その時、井戸の誘い水程度の言葉(少ない言葉)で、相手の気分の高め、相手が自分の思いを吐露するように“相づち”を打つ程度の応答で相手の言葉を誘導します。
 このように「傾聴」と「チューニング」は、カウンセリングの基礎です。カウンセリングは、催眠誘導の手法を知らずしては成り立たないのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/