M&Uスクール

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今週の喝 第519号(2015.3.30〜2015.4.5) この世は全て催眠だ(261)〜「チューニング」を覚えよう!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(261
〜「チューニング」を覚えよう!

 今から30年ほど前、山陰線米子(よなご)駅から大阪まで急行「三瓶(さんべ)」でゆっくりと汽車の旅(といっても、ディーゼルでしたが)を楽しんだことがあります。昔の急行電車は、ご存じの通り向かい合わせのリクライニングもない座席でした。私の向かい席には、当時としてはセンスのある40歳前後のご婦人が乗ってきました。
 ちょうどその頃、私は“催眠”という不思議な現象に興味を持ち、研究に勤しんでいた駆け出しの頃なので、何事にも興味がありました。大阪までの約4時間の汽車旅で、退屈しのぎにその前の妙齢のご婦人に、環境催眠の「チューニング」を試してみることにしました。
 「チューニング」とは、相手の“心の周波数”に、こちらの“心の周波数”を合わせることです。と言われても、相手の心の状態がどうなのかなど、心理学者でもなかなか難しい問題です。しかし、我々人間には、心と身体の微妙な関係があることは、既にお伝えしてきましたね。そうです。その人の“思考状態”と、身体の“緊張度合”い(筋肉の堅さ)、そして、“呼吸の状態”が平行移動することです。
 ですから、呼吸が合ってくると動作も合ってくるし、やがて思考状態も似てきます。仲の良い夫婦を昔から「似たもの夫婦」というのは、何も似ている二人が結婚したのではなく、同居する内に思考行動・生活習慣が似てくるため、動作や顔つきまで似てくるのです。
 ですから、「チューニング」も心の状態は分からなくても、“行動形態”は見れば分かりますので、それに同調してゆけば良いのです。このように言えば、とても難しく感じますが、簡単に言うと、相手の行動の「真似」をすれば良いのです。 
 
★★「チューニング」とは、単純に“真似”★★ 
 人は、常に何らかの動作を“無意識”の内にしています。車窓を眺めたり、足を組んだり、週刊誌を取り出したり……これらはあまり意識せずに行う動作です。「さ、窓から外を観察するぞ!」などと思って外を見る人は少ないですからね。
 チューニングの当初の訓練は、相手が無意識に行っている行動を単に真似ることから始めます。相手が社内売り子から「アイスクリームを下さい」と言って、アイスクリームを買えば、こちらも「アイスクリームを下さい」と言って、アイスクリームを買うのです。その時、決して「私も下さい」と言うように端折らないように……。あくまで、相手と同じ言葉同じ動作で行います。右手でお金を渡し、左手でアイスクリームを受け取ったら、その通りにします。ただ、ここで要注意しなければならないことは、相手に真似ていることを感づかれないように、至極さりげなく、且つ、ほんの少しの間を置いて行うのがコツです。(この辺りは、文章化できません。感性です!)
 窓の外を見れば、窓の外を見る。髪の毛を触れば、髪の毛を触る。と言った具合に、徹底的に相手の動作を真似るのです。すると、相手に微妙な変化が起こることに気がつきます。そう、なぜかリラックスしたような態度を取り始めます。見知らぬ者同士が、指定券を買って、そこに居合わせた関係だけで向かい合わせに座っているのですから、心は完全に閉ざされていますね。
 しかし、チューニングが進んでくると、その場の違和感がだんだん解消されて、和みの雰囲気が漂ってくるのです。その時、チューニングする側は、きつい香料のオードトワレや整髪料は禁物です。まして、体臭や口臭など体調不備な嫌な臭いがあると、まだまだ警戒心が残る関係の場合は、「その場からの逃避」の心が芽生え、失敗の憂き目に遭いますので要注意!
 だから、心許せる仲間に、自分の口臭や体臭の有無を尋ねてください。もし、誰に頼もうかと逡巡したあなたが居たとしたら、それは、親しい人が居ない……日頃から、そのような心許せる関係を作っていないと思って間違い有りません。そんな時は、素直にその状況を認め、人との関係をもう一度見直す良い機会と思い、自分自身を反省することです。
 さて、赤ちゃんは生まれたときからママの真似をする習性があると言いましたね。その潜在的習性は、我々が生きている限りどこかに有って、その習性は何らかの“衝動”によって再び目覚め活性してきます。この衝動的行為がチューニングなのです。つまり、人間は常に誰かと何かを同じようにすることで心の安寧感を感じながら生きる生き物です。人間は、集団でしか居きられない生き物とも言い換えられます。わがままでガキ大将であっても、子分を連れていないと心の安寧は得られないのは、その所為で、「ゴルゴ13」のような一匹狼は、あまり存在しません。居たとしたら、それは、先ほど言ったように、人間関係が不備で有っただけなので、しっかりと他人を大切にすることをお薦めします。
 催眠誘導に興味を持つ人には、自分自身が人間嫌いなので、人を思い通りに動かすことが出来れば、面倒くさい人間関係を超えて何でも出来ると安直に考えている人がいますが、これは大きな間違いです。以前も言いましたように、催眠はあくまで“従”……「手伝い」であることを努々(ゆめゆめ)お忘れなく!

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/