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今週の喝 第516号(2015.3.9〜2015.3.15) この世は全て催眠だ(258)〜先ずは、威光暗示の構築から始めよう!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(258
〜先ずは、威光暗示の構築から始めよう!

 人を「くつろぎの世界」(催眠)へ誘うために、最も重要なことは、催眠話法や技ではありません。ここ数回にわたってこの紙面でも伝えてきましたが、相手に対する催眠者の真の感情です。被催眠者は、心を解き放ったとき、それは空間型人間の持つ感性……幼児期や人に恋をした状態などと同様に、言葉ではなく、俗にノンヴァーヴァル(non-verbal)コミュニケーション(言葉を使わない意思の疎通)といわれる「気の交流」で、その場の雰囲気を感じ取ります。一時流行語になった“KY(ケーワイ)”(「空気読めない」の頭文字)は、この雰囲気を感じられない人なのです。
 幼児期は、相手が自分に対して単純に“好意的”“敵対的”かという判断基準で瞬時に感じとります。男女間もこれに似た感性で判断・対応するのです。催眠に誘導されている間は、これと類似の感覚で察知しますから、心から相手のことを思う、嘘のない感性で接してください。
 もちろん、催眠誘導も上達してくると、治療目的やいろんな目論見を達成するために用いるようになりますが、その時も、自分の感性が相手にとってプラス感覚であることだけは曲げてはいけません。でないと、それこそ世間でささやかれている「催眠○○」のように悪のサンプルのようになってしまいます。(しかも、悪用できるから始末が悪い!)従って、催眠法は倫理的感性を磨いた上で修得しなければいけません。
 このように、相手に対して、プラス感性(相手が一番、自分は二番=愛)で接すると、知らず知らずの内に、気の交流が生じ、気分が良くなってくる(快になる)と、催眠者に従えば、
 「もっと心地よい状態に誘(いざな)ってくれる」
という感覚が生まれます。そして、自分を心地よい状態にする催眠者に、心身を委ねても良いという風に安堵の心が出てきます。
 催眠者に対して、被催眠者にこのような安堵感が出てくることを「威光暗示が生まれた」といいます。
 
★★催眠法の第一歩は、相手の呼吸を読むこと!★★
 “威光”とは、その存在そのもので他者を畏れさせ、また尊敬の念を懐かせる目に見えない力です。これを具現化したものが、仏像の背後に太陽の光明のように表現されている「光背」です。
 被催眠者(催眠に掛かる側)から催眠者(催眠誘導する側)を見て、この光背が“見えた”ら(実際は“感じる”のですが)催眠誘導の50%は成功したと言って良いでしょう。人は誰しも、好意を抱く人や尊敬する人の言うことは聞いてしまうものですから……。
 何度も言いますが、威光暗示を感じた被催眠者は、子供返りと言って良いくらい空間的思考になり、その場の雰囲気を微妙且つ明快に察知します。それも、自分に“好意的vs敵対的”という単純な図式で……。
 催眠の最終目的は催眠者の側の意図通りに相手を動かすことですが、ここで「急(せ)いては事をし損じる」ので、落ち着いて、先ずは自分自身の呼吸を整えてゆきます。自分の呼吸が思い通りに出来るようになったかどうかは、呼吸を速くしたり遅くしたり、浅くしたり深くしたり自由自在に出来るかどうかで判別できます。「上がる」という項でも話しましたが、人間が一度“上がれば”、呼吸制御は全く出来なくなり、肉体も緊張してしまいます。ですから、初めに自分自身の呼吸を整えるのです。
 自分の呼吸が整えば、自分の身体の筋肉がほぐれてくるのが分かります。つまり、自分自身のリラックス状態を作り出すことに成功したわけです。この状態を確認したら、次に相手の呼吸を体現します。相手の呼吸の深さや速さ、胸式呼吸か腹式呼吸か、またリズムは規則正しいか不規則かなど、それこそ、相手と全く同じようにやってみるのです。つまり、真似をすれば良いのです。人間は不思議なもので、自分の呼吸が乱れていても、相手が同じ呼吸をしていれば、知らず知らずの内に安心感を抱きます。
 この時、しっかりと相手の呼吸と自分の呼吸を合わせます。よく名人の漫才など「息の合ったコンビ」と言われるように、呼吸が合うと感銘や感動が生まれるのです。音楽に於いても、例えばフルートとヴァイオリンのデュエットの時、素晴らしいアンサンブルを奏でるプレイヤーは、息の必要のないヴァイオリン奏者は、フルート奏者の呼吸をしっかりと真似してやはり、経験則から無意識に呼吸を合わせています。
 ですから、このように催眠技法を学んでいる者は、その事を知っているので、相手が自分に呼吸を合わせてくるようになるまで、こちらが相手の呼吸に合わせてゆくのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/