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今週の喝 第458号(2014.1.27〜2014.2.2) この世は全て催眠だ(200)〜「暗示」への誤解〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(200
〜「暗示」への誤解

 「暗示」……この言葉を聞くと、何となくアンフェア(不公正)な印象を持つ人が多いと思います。「人に謝った情報を与えて、その人の判断をある方向に誘引するもの」といったように……
 しかし、それは「暗示」についての正しい認識ではありません。「間違った情報」を与えるのは、嘘、詐欺、ペテンであって、暗示とはいいません。
 暗示は、相手に伝えたいことを「直接的に言わない」ことによって、相手に察してもらうやり方です。ほんの僅かなヒントで、相手の深層心理にある無意識の力を活性化してゆくのです。
 この「暗示」ほど、これまで誤解され誤用されてきた言葉もないと思います。何か安易で、曖昧で、浅薄。にもかかわらず、洗脳めいた魔力を人々にどこかで感じさせてしまうような、誤った使い方が不用意に行われていました。
 ある辞書で「暗示」の項を引くと、
 「相手に無批判的にある観念を植え付けること」
 「外部から何の考えもなしに受け入れてしまう指示」
などとあったのを見て、私はあきれてしまいました。
 催眠や暗示という言葉の意味を正確に掌握していない現代人は、その旺盛な批判的精神の感覚によって、これらの言葉に嫌悪感すら覚えているようです。私が催眠や暗示の研究に長年没頭できたのは、それらが持つ絶大な効果を我々の実生活に活用した時、私たちの人生そのものをまさにバラ色に変える力になり得るからです。
 もし、暗示というものが、胡散臭いもので、外部から好き勝手に操られるようなものだとしたら、それは麻酔薬のように一時的なものに過ぎません。実際には、そんな薄っぺらなものではなく、人間のみが持つ、人間独自のエネルギーなのです。

★★暗示のエネルギーは現実を呼び寄せる★★
 “暗示効果”を研究して驚いたことは、その絶大な効果もさることながら、「私たちの生活の全てが、この暗示によって取り囲まれている」現実です。広告、教育、人間関係etc.多くのコミュニケーションには暗示が重要な役割を果たしています。
 先日も、ある会社を訪問したとき、その部長の椅子の豪華さに比して平社員の貧相なデザインに驚きました。平社員の中には、部長の椅子を見て、
 「いつかはあの椅子に座るぞ!」
と決意を新たにする人もいることでしょう。
 重厚な黒のレザー張りで背もたれの高い椅子は、そこに座る人物が、その職場の重要人物であることを暗示し、その椅子を狙うには人格や器量が立派でないとそぐわないのです。椅子一つで、立派な人間の素養すら暗示するのです。
 また、テレビや新聞ラジオなどのコマーシャルは、暗示の展示場と言っても過言ではありません。
 商品の傍らでにっこりと笑っている水着の美女、スレンダーなボディーで躍動的な動作をするモデルなど、暗示メッセージそのものなのです。モーターショーで新型デザインのスポーツカーの傍らにも、カーナビの横にも水着美人はどこにでも出没します。
 また、スタイル抜群のタレントが軽やかに縄跳びをして、ポニーテールの髪が揺れている。そこにすかさず「○○ビューティ・プロポーション」などとテロップが入ります。そのニッコリと格好良いスタイルから
 「このスタジオに通うと、私もあのように美しくなれるに違いない」
という意味を読み取るのは、受け手側の勝手であって、送り手のほうは、消費者協会などから効果について詰問されると
 「そんなことは、どこにも謳っておりません」
と上手くすり抜けるでしょう。確かに、直接の表現はどこにもされていません。
 もう一つ、女性化粧品から、幻想と暗示を差し引いたら、後に残るのはナンだろうと考えたくなるくらい、薬や化粧品量販店で見る化粧品のコマーシャルは、良く出来ていますね。
 企業の社長室に堂々とこれ見よがしに提示されている、社訓や社是の類、ビジネス雑誌の表紙を飾る家康や秀吉の真面目くさったイラスト、旅行社の入口に溢れる海外旅行パンフレット、最新鋭医療機器をバックにした癌検診ポスター、数えたらきりのないこれらは、我々にどんな印象を与えているのでしょう。また、あなたはどんなメッセージをそこから読み取っているのでしょうか。
 そして、現実の政治や経済、そして社会そのものが、この暗示エネルギーによって動かされています。たとえば、これら暗示エネギーによって人々の不況感が強まると、実際に不況が長引き、「暗示」に過ぎなかった状況が、実際に不況がいよいよ長引くようになるのです。
 暗示は人間の連想性(イメージ力)に刺激を与え、暗示通りのかたちへと誘います。人間にとって、イメージと現実の世界の違いはほとんど無いと言っても良いのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/