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今週の喝 第448号(2013.11.18〜2013.11.24) この世は全て催眠だ(190)〜感情的になると、自分の真意すら見失う!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(190
〜感情的になると、自分の真意すら見失う!

 先日、ある中間管理職の方から、
「ことごとく反抗する部下に手を焼いています。どのように接すれば良いか分からなくなってきました」
と相談がありました。営業会議などで、その部下が威嚇的に腕を組み、肩をそびやかし、口をへの字に結んでテコでも動かないぞという抵抗の仕方だったと言います。
 そんな場合、普通は徹底したチューニングからはいるのですが、この上下関係は長い時間のうちに、「逆らうための反抗」になってしまっているようです。
 その部下の表現の仕方から察すると、一見あからさまな反抗や反発・抵抗の形を取っていますが、その実、「逆らうための反抗」という形式的反抗ですから、本当はそんなに反対したいわけでも、横柄な態度を取りたいわけでもないようです。こんな場合、当事者の部下は、自分自身が本当に上司の意見と違うから抵抗しているという自分自身その内実に気付いていない場合がほとんどです。
 人間という生きものは、一旦、感情的につむじを曲げると、自分の真の狙いすら分からなくなります。「削除・歪曲・一般化」と言われる、事象を歪めてしまう感情三原則も、本人は自分の心で事象を歪めていることには気が付いていません。
 感情とは、これほど凄いパワーを持っているのです。感情を正しい方向に導けばその大きなエネルギーは正しく働きますが、ひとたび歪むと、素戔嗚尊(すさのおのみこと)が大暴れしたような破壊力を発揮します。ですから、ここは一つしっかりと理性を働かせて、相手の感情制御をしましょう。
 この様なシチュエーションに有効なコミュニケーションテクニックは、やはり「逆説法」が良いでしょう。

★理性は感情に邪魔されやすい★
 この様なケースで用いる逆説アプローチは、大いにその威力を発揮します。感情的に逆らってくる彼に対して、たとえば、こう呼びかけてみましょう。
 「君だけは、ここで協力しないようにしてくれないか」
 「反対はとても大事な協力なんだよ」
 「協力しないことこそが、まさに君の役割だからね」……。
このように言うと、彼はどのように反応するでしょうか。
 彼は、「逆らうための反抗」をしていた訳だから、この呼びかけは、彼の表現の仕方や振る舞いにピッタリしたものです。
 しかしもう一方で、この呼びかけは、彼の深層心理(真の意図)の回答……本当は反対したいわけではないし、むしろ、協力さえしたいという思いを、逆に強める結果になりますね。
 相当、心が(病的なまでに)ひねくれていれば別ですが、ほとんどの人間は、一つのプロジェクトが成功の方向に向かって欲しいという理性を持ち合わせています。しかし、それを感情が反発しているのです。つまり、今まで素直に出せなかった「協力態勢」を、この呼びかけは導き出す切っ掛けになったのです。
 哲学者ニーチェ「ルサンチマン」と呼び、弱者の心の弱さ故に、強いものに影で反抗する“弱者の根性”こそ、このひねくれた心を生み出す素です。強者であれ弱者であれ、人は、学ぶという出逢いがなければ、そのほとんどがルサンチマンの根性が頭をもたげ、「削除・歪曲・一般化」の感情三原則を誘発して素直さを無くしてしまうのです。有効的で肯定的な素直で素晴らしい自分を出せずに、それを否定的な形で表現してしまうのです。相手が素直になれない場合、こうした逆説的なアプローチが大いに功を奏することになります。
 逆説的アプローチは、このような状態に置かれた彼(部下)が、やがてその憮然とした表情や態度を(自分が)知らず知らずの内に緩めてゆき、いつしか、かたく組み合わされた腕組みも止めてしまうようになるのです。
 しかし、ここで一つ注意をしなくてはならないことがあります。それは、このアプローチが真心から出ていなければ、どこかで“虚”が感じられ、やがてそれは「手段」として用いられたものだと気付かれてしまいます。
 受け身の側の感性は、このように、本物とニセモノを無意識レベルで察知して真偽を判断し、己を防衛しようとする“本能的感性”で自分の身を守るようになります。ですから、何があっても、誘導する側は、本懐の心で臨まなければなりません。少しでも功利的な要素があると、今まで解説してきたことは、水泡となってしまいます。それは、大阪での講演会で、
 「お金の事を忘れるくらい、自分の志(こころざし)本位に進めば、その所業に必要なお金は与わるようになっています」
と、説くと、必ずというほど、講演会後にチェックが聴衆の方より入ります。
 「確認させて下さい。お金の事を忘れたら、お金は入ってくるんですね?」
本人は気付いてないでしょうが、この方はキッチリとお金を本位にした論理構成で物事の判断をしていますね。
 このように、自分の真意は自分自身が一番良く知っているように思いがちですが、実際は自分の事はほとんど感情に邪魔されて、掌握していないの「人間」の弱さなのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/