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今週の喝 第447号(2013.11.11〜2013.11.17) この世は全て催眠だ(189)〜想像力を活性することが、催眠誘導の基礎!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(189
〜想像力を活性することが、催眠誘導の基礎!

 人間が名実ともに“人間”であるためには、言葉想像力という二つの人間固有の能力を発揮し、それによって自分自身を自分が認める「自尊心」の萌芽が大切です。この自尊心が、自信の基となり、自分を自分の思う方向へ誘導して行くのです。
 しかし、この自尊心は一つ間違えば、自分自身の心に固い殻を作り、相手に対する抵抗や反発の根源となります。
 そんな歪んだ自尊心を持つ人間には、決して直接的に相手に指示や命令を出してはいけません。「自信」とは、一つ間違えば「私は正しい」という、自己正当化の根っことなるからです。
 そこで、どうするのかというと、間接的に、それとなく、コミュニケーションのネットワークを張りめぐらすのです。そうして、相手の無意識に直接アプローチして行きます。無意識にアプローチとは、相手の想像力を活性するのです。そのテクニックは、
 
 ●少ない情報しか与えない……インフォメーション
 ●暗喩を用いる……メタファ
 ●暗示を与える……サジェスト
 ●前提条件を巧みに提示する……プレゼンテーション
 ●話しかけ話法を用いる(行動の前に、相手に意向を伺う)
 ●逆説法で翻弄する。
 
など、実に多様な方法があります。
 情報が少なければ、人は想像力で補おうとします。またメタファ(暗喩)は、「あの人は、タヌキだ」というと、人によって「タヌキのように騙す」のか、顔がタヌキによく似ているのか、タヌキのように腹が出っ張っているのかというように、その言葉の意味の受け取り方が人によって自由であるために、これまた、想像力が働きます。サジェスト(暗示)もプレゼンテーション(提示)も、また、相手に話しかけるときも、全てがイメージ活性です。想像脳(右脳)が働いていると言うことは、変性意識(トランス)に誘導できる素地が出来たと言う事です。
 
★逆説法を使いこなせ!★
 さて、「話しかけ話法」とは、またおかしな名前の話法ですね。簡単な例を挙げると、みんなで酒盛り中に、相手のコップが空になったのを発見した時など、なにも言わずに注(つ)いでくれる人がいます。しかし、相手が次は別の酒にチェンジしようかなと思っていたとしたら「ありがた迷惑」です。この様なとき、注いでもらった側は、一応、礼を言うでしょうが、内心「余計な事をする」と気分を害します。だから、一言「もう少し如何ですか。それとも別のお酒にしますか」などと、声に出して意向を伺ってから動作に移れば、相手はとても自分を大切にしてくれていると嬉しくなるのです。
 そして、最後の「逆説法」についてお話しします。
「逆説法」とは、わざと逆のことを言って相手の思惑を翻弄する話法です。よく漫才や落語のネタに登場するので、あなたもすぐに用いることが出来ます。
 
 犬も食わない夫婦ゲンカをして、腹の収まらないおカミさんが、大家の所へやってきて、
 「ホントにうちのグウタラ亭主ったら、ありゃしない」
とダンナノトンチキぶりと甲斐性のなさを鼻の穴をおっぴろげて訴えると、
心得た大家が、
 「そうだそうだ、あいつは全くマヌケでトンマでオタンコナスだ……。だから、これを契機に別れっちまいな」
と、尻馬に乗ってみせると、おカミさんは、
 「チョイト、何もそこまで言うことはないでしょ。あの人だって少しは良いトコあるんだからねぇ……」
 
 初めのおカミさんのダンナへの愚痴が、いつしか擁護に変わっているという“アンダーマイニング効果”が働きました。おカミさんは、亭主が嫌いなのではなくて、自分の思い通りにならないからイライラしてあら探しをしたネタを列挙したに過ぎないのです。彼女の深層心理は、喋っている言葉とは別の所にあります。それを見抜いた大家さんは、おカミさんの言葉を「助長」することで、おカミさん自身の潜在意識にある深層心理を吐露させたのです。
 私も若かりし頃、面白い体験をしました。
元某航空会社で、スチュワーデスをしていた私より6歳年長のN子さんとレストランでディナーをしていたときです。メインディッシュにあまり見かけない「ほろほろ鳥」のソテーが出ました。少々固いのと食べ慣れていないのとで、フォークとナイフで大格闘しました。そして、私は
 「美味しいけど、ちょっと固いね」
というと、N子さんは、
 「あらそうかしら、ジビエ(野鳥獣料理)はこの固さが良いのよ」
また、カボチャスープをすすり、
 「これ美味しいねぇ」
と言うと、
 「もう少し裏漉しをきめ細かくしなくっちゃね」
と、全て逆らってくるのです。初めは、少々頭にきましたが、よく言葉を分析して行くと、私の味覚より自分の方が年長だし味覚も発達していることを私に伝えたかっただけなのです。つまり、「反対のための反対」をしているに過ぎないと分かったので、私は内心デザートを「美味しい」と言わせてやろうと思い、
 「このデザート、ちょっと甘すぎるね。私はもう少し爽やかな方がいいなぁ」
というと、案の定
 「あら、そうかしら?この甘さだからこの滑らかさが活かされるのよ。とっても美味しいデザートよ……!」
 こうして、私のスパイ大作戦は、大成功裡に終わりました。
あの時、もし私が感情的になっていたら、喧嘩をしていたかも知れません。「逆説法」など用いることは出来なかったでしょう。そう、人を催眠誘導するには、自分自身が徹底的に冷静さをもっておかなければならないのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/