潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?
この世は全て催眠だ(186)
〜固定観念の打破で、文明は進化する〜
常識……一般社会が持つ共通概念のことです。私たちは、教育や社会環境によってこの常識を疑う余地もなく信じ込み、その規範に沿って生活しています。
その昔、キリスト教社会では天動説が当たり前の考え(常識)としていました。しかし、17世紀初頭、ガリレオによって地動説が提唱されると、ローマ・カソリック教会は恥も外聞も無く、その権力でガリレオをねじ伏せました。その時の有名な言葉が、
「それでも、地球は廻っている!」
です。
ガリレオは敬虔なキリスト教信者でした。そして、自ら開発した望遠鏡で、木星の衛星を発見したのを皮切りに、多くの星を観察した結果、聖書に書かれている宇宙の姿と相まみえなくなり、自らの実証主義と科学的検証性で地動説を唱えるようになったのです。
しかし、ローマ教会はは節操なく、頑なに天動説に異を唱えるガリレオを異端者扱いし、神を冒(ぼう)涜(とく)する悪者に仕立て上げました。今では、信じられない概念が“常識”として罷り通り、今日、余りにも当たり前の“事実”が隠蔽されようとしていたのです。
そして、実際に2009年、ローマ法王ベネディクト16世が、「地動説が正しい」と表明するまで、ガリレオの名誉は回復されませんでした。
このように、人間は固定観念を“常識”という言葉にすり替えて定着させると、“事実”よりも強い信念化の材料となるのです。そして、この固定観念をぶっ潰す勇気ある人の出現によって、我々の社会は変革し、進化してきたのです。
恐ろしきは、「固定観念」であり、その固定観念を破壊する力こそ、事実からことの成り立ちを想定する“想像力”が人間社会を発展させているのです。
大脳生理学的に言うと、固定観念は「左脳」から生まれ、想像力は「右脳」の産物です。
★右脳活性こそ、催眠誘導の基礎!★
ガリレオの苦難を想像すると、軽々しい言葉で文章を書くことを憚られますが、敢えて事実認識だけに特化して申しますと、ローマ教会という左脳の固まりをぶっ壊すことの困難さは、想像を絶するものがありました。
しかし、ここで、もし、ガリレオが催眠誘導の手法や原理を知っていて、教会の人間を「快」に導き、人間関係を円滑にすることからスタートしていれば、いささか事情は異なったものになったと思います。
ガリレオの言葉「それでも地球は廻っている」は、異端審問を受け、その過酷な拷問に屈した後の言葉だそうですが、ガリレオ自身もここから想像すると、相当ガンコな人間であったでしょう。
概して、左脳人間はガンコで、「正しいvs間違い」を前面に押し出します。しかし、人間は自分の側から見た結果の判断(偏見)で生きていますから、その事象の正否にかかわらず、自分の考えと異なると頑なに対立してきます。こうなると、人間関係は最悪のものとなり、徒党間の派閥争いから、果ては国家同士の戦争にまで発展することもあります。
ですから、ここは「正しいvs間違い」という是々非々概念ではなく、「適切か、不適切か」という、事象掌握をしてゆくことが肝要です。
左脳(論理脳)の論理は、自分の心情や体験則という「自分の側からの“論理”」であることが多く、先に述べた「天動説」のように、おかしな間違いを冒すこともあります。そんな脳(思想)を持つ人間への対応は、相手の心を快い状態に持ってゆき、意志の疎通が円滑に行われるようにすることから始めなければ、ただ諍いのもとになるだけです。
今まで言ってきたことをまとめますと、「正しいvs間違い」は左脳、「適切vs不適切」は右脳が司り、「左脳vs右脳」は、最終的に右脳の方が勝利します。左脳は「理性脳」、右脳は「感情・感覚脳」と言っても良いのです。理性脳(左脳)は、意識しなければ働きませんが、感情脳(右脳)は無意識に働きます。従って、右脳に働きかければ、その効力は絶大なのですが、人間は“理性”が表面を堅くガードしているのです。
従って、左脳(理性脳)を疲れさせたり、懐柔することで、右脳へのアプローチがしやすくなるのです。その為の手法が、過去数回にわたってこの紙面で書いてきた「チューニング」技法なのです。
先週話した「メタファ(暗喩)」も理性脳を疲れさせ、イメージ脳(右脳)を活性させるのに役立ちます。
兎にも角にも、相手が想像的に物事を捉えようとしたとき、右脳が活性していると認識して下さい。
この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/