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今週の喝 第443号(2013.10.14〜2013.10.20) この世は全て催眠だ(185)〜わざと言葉をアイマイにぼかすと、想像力は活性する〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(185
〜わざと言葉をアイマイにぼかすと、想像力は活性する

 何度も言いますが、催眠は人間を心身共に「快」の状態に導くことで初期誘導の切っ掛けが生まれます。そして、被催眠者が、その快状態がもっと永続するように想像力を働かせるようになれば、心は既にトランス(催眠)状態になっているのです。
 心と身体の関係は、心がプラス思考に働いているときは、筋肉は概ね弛緩状態になっており、その時、呼吸は深く穏やかです。逆に、心がマイナス状態であれば、身体は緊張して筋肉は硬くなり、呼吸は浅く粗い状態です。つまり、心と身体(筋肉)、そして呼吸は、全て連動しており、並行移動しているのです。
 我々の心は、自分自身の思い描いていることが、一部の学者的発想の人間を除き、確証を得なくとも「正しい」と信じています。また、それまでの人生に於ける経験や体験が、全てであるような錯覚にも陥っています。従って、自分の思念や信念化した物事を否定的に見られたり、自分の知らないことが話題になるなどすると、心を閉ざし、思念はマイナスに働き、尚且つ身体は強張(こわば)ります。そして、呼吸も粗くなり、実際に諍(いさか)いを起こさなくても、心は諍いの中にいるのと同じ状態です。
 これでは、絶対に催眠誘導など出来ません。しかし、相手の考え方や感じ方を故意に持ち上げて(巧言令色)、結果的に“嘘”になると、後日それが明白になった場合など、トラブルの元になるので、これもいただけません。
 そこで催眠話法は、その初期起動において、言葉の意味が幾通りにも解釈できるように、わざとアイマイにぼかすのです。そうすることによって、相手は自分の自由な想像の中で、それを探り、その気分に浸ります。誰も反論するわけではないので、とても気分が良い(快の状態)わけです。このように、色々な解釈の出来る言葉や行動(暗喩=メタファー)を用いることで、より相手の想像力をかき立たせるのです。
 
★先ずは、左脳を疲れさせろ!★
 夏目漱石「坊ちゃん」の一節に、
「きょう学校に行って、みんなにアダ名をつけてやった。校長は狸、教頭は赤シャツ、英語はウラナリ、数学は山嵐、医学は野だいこ」
 これは、全て暗喩(メタファー)です。
「校長はタヌキ」というと、
 ●タヌキのようにハラが出ているのか
 ●木の葉を財布に入れているのか
 ●それとも睾丸が十畳敷きなのかetc.
イミはアイマイで限定されていないが、受け取る側は自由に想像し、その世界へ入ってゆきます。
 また、論理的な堅物人間は、「校長はタヌキ」と聞くと、「そんなバカな。タヌキが校長になるはずがない」などと否定したくなるでしょう。これは、論理的に筋が通らないからです。
 この様に筋道を立てるのは左脳の役割です。脳生理学の権威である品川嘉也博士によって広められた右脳・左脳論にあるように、左脳は論理脳右脳は想像脳と大きく分けられます。
 左脳は几帳面な文書課長のようなもので、ルールに外れた言葉は受け付けないのです。
 もし、自分にとって訳の分からない言葉が殺到すると、左脳はその対応に振り回され、キリキリ舞いをして疲れ果て、自我のコントロール力は弱まります。その証拠に、難しい哲学書などを読んでいると、手頃な睡眠薬代わりになるのは、この“左脳イジメ”の所為なのです。
 この原理を応用すると、簡単に相手をトランスに導くことが出来ます。
中国諸子百家の一人「老子」の書を読むと、
 「柔らかいものは、常に堅いものに優る」
とか、
 「学問や知識は、悩みや憂いを作る元」
とか、
 「仁義礼智信など講師の論が罷り通るようでは、この世はおしまいだね」
など、我々の常識を越えた論理が展開されています。この時、左脳は、その意味を捉えようと必死になるため、自我をコントロールすることがお留守になります。
 その隙をねらって、右脳にアプローチするのです。右脳はイメージ脳であるが故に、意味を細かく詮索したりしません。一気に直感的に全体像をつかみ取ります。
 「あなたは、台風に見舞われた大木をイメージしてみて。そして、その大木の裾に生えている草はどんなになってる」
と、問いかければ、右脳(イメージ脳)が活性化し、一気に内面へ関心が移りトランス状態に入って行きます。そう、必死になって風に抵抗した木は折れ、抵抗しない草は台風一過いつも通りそこに元気よく成長しています。……そんなイメージを描いていることでしょう。
 そして、右脳へのアプローチは、
「そんな景色が、思い浮かぶでしょ。そんな元気な草花を見ていると、あなたの好きなメロディが聞こえてくるような気がしますね」
などと、暗示を掛けて行くと、被催眠者は、自分の好きなメロディーを脳裏に浮かべるのです。
 これで、催眠状態への下ごしらえは出来ました。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/