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今週の喝 第438号(2013.9.9〜2013.9.15) この世は全て催眠だ(180)〜情報は少ないほど想像力はゆたかになる〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(180
〜情報は少ないほど想像力はゆたかになる

 人間は、その本能の中に霊長類としての素晴らしい感性である「想像力」を持っています。部分から全体を掌握しようとする「ゲシュタルト」観念を発揮し、情報が少ないほど、この人間独自の“想像力”を喚起させて、全体像を掴もうとします。人間が素晴らしい文化と文明を手にすることが出来たのは、この「想像力」のお陰と言っても過言ではありません。
 情報量が多いと、心は弛緩状態……つまり怠けてしまいます。この様に見て行くと、人間にとって「分からないこと」自体が人間を成長させたことになります。
 子供の頃、難しい算数や国語の問題に頭を悩ませましたが、それが解けたとき、無上の喜びに満たされた体験は誰しも持っていますね。
 これを、言い換えると
「苦しみは、人間を成長させるためにある」
と考えられます。そして、その苦に対して挑むか、逃げるかで人間の運命が変わってきます。
 お釈迦様が、初めて覚ったのが「四聖諦(しせいたい)」、〈苦集滅道〉です。世の中は苦に満ち溢れていて、それをしっかりと受け止めることによって、その対処法が分かり、その結果、苦が人間の精神進化(悟り)に必要不可欠なものであることを暗に示しているのです。そして、その苦に挑みかかった者だけに、「道」の存在が明らかになると説いています。
 私が仏教理念を知りたいと思って、その研究をした初期の頃、お釈迦様の初めての悟りが「苦」であり、その「苦」から逃れることは何人(なんぴと)も出来ないと分かったときのショックは、今も忘れられません。
 多くの人が宗教に入信しようと思う切っ掛けは、「苦からの脱却」……言い換えると「苦しい時の神頼み」的思想の下に“御利益宗教”と捉え、すがりつくのです。そして、それが為されなかったとき、身勝手さも忘れ、逆に無信仰人間になってゆくのです。
 しかし、お釈迦様は、人の人生の実相は、「苦」から、自立発展する人間の精神進化が起こる故に、「苦」を逍遙と受け止めることで、人間の人格形成が為されることを明らかにし、仏教教団を創設されたのだと思います。
 
★想像力は神秘の世界への近道★
 「悲しむ者は幸いである」
先日、NHK「八重の桜」で、教徒のキリスト教宣教師ゴードン先生が聖書の一節を訳する場面です。八重は、「悲しむ者は不孝なのに、何故?」と素直に、疑問を投げかけます。すると、ゴードン先生は「悲しいから神を求め、また出逢えるのです」という答え。
 これを見ていて、“神”を「法則」と置き換えて解釈すると、「失敗や苦しみ、悲しみがあるからこそ、人間はそれを修正し、それから逃れようと真剣に取り組む姿勢ができる。その修正の基準は世の中を成り立たせている“法則”という絶対概念を用いること以外にない」……いささか、無味乾燥な言葉ですが、宗教性を抜いて解釈すると、この様になると私は考えます。
 苦からの脱却とは“快”を求める心の誘発です。その“快”に到達するには神の摂理である法則に気付き、その下に我々人間がいることを自覚し、それを真摯に受け止め、従うことが肝要なのです。
 催眠現象(トランス)も、人間が快を求め、快に至る方程式(法則=神)を修得しようとする過程に生じる現象だといっても良いでしょう。ゴードン先生のいう「神に出逢う」とは、求める心から発し、世の“絶対”である摂理に気付くということなのです。その求める心は、本来なら幸福なときに気付けば問題は無いのでしょうが、人間は困ったときでないと求める心は湧いてこないことで、「苦」が生じたのです。
 そして、苦が生じることで“快”を求める体験から、摂理=神に対する敬虔な態度である「感謝」を己の心に芽生えさせるのです。
 これらは、全てが目に見えない世界、感じることによってのみ覚知できる世界です。見えないという情報量の少なさが、我々に多大な想像力を掻き立たせ、色々な神の姿を作り出しました。
 キリスト教、イスラム教、仏教、そして日本の神道に至るまで、その根幹は、全てが世の摂理探究から、人間のあるべき姿を規定し、安定した社会秩序を模索することで成り立っています。
 神の世界は、言わば連想ゲームのようなもので、想像力を鍛えた者が優秀性を発揮してゆきます。そしてこの想像力が、我欲や私心無く、敬虔な心の内に描かれたなら、それは、この世の成り立ちの実相を知るようになるのです。しかし、邪心の下での想像力錬磨は、悪魔の虜となって淪落の世界への片道切符となります。
 無心の(私利私欲のない)状態での想像力錬磨……それはトランス状態に自らを導ける“自己催眠”修得が一番の近道です。そのためにも、先ずは真っ白な心を確保するのです。その為にも「信仰心」は、我々人間にとって、最も大切な心なのです。

その続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/