M&Uスクール

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今週の喝 第436号(2013.8.26〜2013.9.1) この世は全て催眠だ(178)〜赤ん坊・幼児は無意識にチューニング本能を使っている〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(178
〜赤ん坊・幼児は無意識にチューニング本能を使っている

 いつも夏休みは、我が高千穂山のある霧島で過ごします。今年は、私とコンビを組んで12年になるピアニストの武田直子さん一家が、やって参りました。ご主人、琢馬さんと、2012年1月1日生まれの悠音(ゆうと)くん(1歳7ヶ月)の3人です。
 私は、この母子の行動を具に観察しましたところ、まだ言葉も喋ることの出来ない幼児が、食事の前にはきっちりと(いただきますの)合掌をします。また、お皿に食べ物を一つとってあげるとちゃんとお辞儀をしてお礼のポーズをするのです。それは、母親のポーズとまるで同じなのに驚きました。とても、躾けの行き届いた家庭です。
 また、直子母さんが、子供に語りかけると、きっちりと母親の手の動きや表情に反応しています。人間には、生まれつきチューニング本能が備わっていることを確信しました。
 ですから、お行儀の悪い子供は、親が同じ行動をとっているのでしょう。しかし、大人には見栄があるので、人の見ているところでは、丁寧な振る舞いをすることもあるでしょう。しかし、子供の言葉や仕草、また、表情などを観察すると、その親達の影の部分がしっかりと分かってきます。
 古来より「親は子の鏡、子は親の鏡!」ということわざは、言い得て妙!……しっかりと子供は無意識のうちにミラーリングしていたことが分かります。
 エドワード・T・ホールという学者は、成人の対話ビデオを分析した結果、「話し合っている二人の人間の身体の動きは、だんだん同じになってくる」ことを発見しました。しかも、無意識のうちに……これが、ミラーリングです。そして、このミラリーング現象を、意識的に活用し相手の動作を真似て、気を合わせて行く技術が「チューニング」です。

★チューニングは、催眠の基礎!★
 「チューニング」は、ちょうどラジオの選曲をするようなもので、特定の(相手の)周波数、それも相手の隠された(無意識の)波長にこちらの周波数を合わせてゆくのです。そして、チューニングに成功したなら、共通の話題で意気投合した以上に、相手の心は開いてきます。
 先にも書いたように、母親は子供に対して意識的にチューニング行動を行い、話しかけるとき、子供と同じ幼児言葉を使ったり、しゃがみ込んで相手の背丈に合わせたりします。それも自然なかたちで行います。また老人に話しかけるときなども、ゆっくりとした口調で話したり、その世代の話をしたり、無意識にするのです。

 とにもかくにも、チューニングの効果は驚くべきものがあります。エリクソン博士の報告によると、ある精神病院で5年間一言もものを言わない患者を受け持ったときのものです。
 どう話しかけても一向に口を開かないその患者に対して、他の医歯はとっくにサジを投げていました。そこで博士は一計を案じました。それは、患者の呼吸にチューニングすることにしたのです。
 吐く、吸う……、吐く……、吸う……。
 まるで患者と一体になったかのように、呼吸を合わせました。数日後、完全に息が合ったのを確認した博士は、フッと博士の方から呼吸のリズムを変えたのです。
 すると、それにつられて患者の呼吸が変化したのです。エリクソン博士の呼吸に、今度は患者のほうが無意識に呼吸を合わせてきたのです。
 この状況になれば、しめたものです。博士はグングン自分のペースにリードしてゆきました。そして、ついに患者の口を開かせて、コミュニケーションに成功したのです。
 私も、20年ほど前、トランスについての勉強を始めた頃、偶然に地方の特急列車で向かい合わせに座った女性にチューニングしたことがあります。彼女が列車の売り子からアイスクリームを買えば私も同じように買い、トイレに立てば同様にする、彼女が車窓を見れば、私も見るといった具合です。すると、不思議なことに、あるとき目が合った瞬間に私が黙礼すると相手も黙礼したのを切っ掛けに、話がはずむようになりました。とても楽しい旅だったことを思いだします。
 このように、チューニングは説得力(コミュニケーション)アップの第1ステップです。そして、第2ステップは、エリクソン博士がしたように、こちらの主導権でリードしてゆくのです。これではじめて説得力アップに繋がったのです。
 ここで注意点を書きますが、決してチューニングはわざとらしくオーバーに行ってはなりません。そうすると返って、逆効果になり関係破綻になることもあります。常にさり気なく、自然なかたちを保って行いましょう。
 また、身体の動きだけではなく、机の上のものをさり気なくさわったり、その位置をずらしてみたりすることで、相手がどのような動きをするかをチェックしながら行うことが大切なのです。

この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/