潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?
この世は全て催眠だ(177)
〜催眠は行動の科学方程式〜
説得力のある人は、知らず知らずの内に「催眠効果(トランスエフェクト)」を身につけている……私たちは、いままで「催眠」という言葉を、催眠商法といった悪い印象として用いてきましたが、話し上手な人、人を納得させる人は、無意識に催眠技法(術)になっていたとは、センセーショナルな回答ですね。
言い換えれば、催眠と呼ばれるその効果は、人間の「情動のシステム」そのものだと言えるのです。「情動」とは、無意識のうちに行動する人間の原動力のことで、まさに「行動科学」と言い換えても良いのです。
さて、相手が無意識に発するボディー・サインを読み取り、そのリズムに合わせてチューニングすることで、相手はあなたを「似た者同士」「仲間」と思います。説得法の基礎とは、何はともあれ「相手が、心を開き、あなたを受け入れる」体勢をとってくれない限り、絶対に無理です。
相手の無意識のリズムとは、具体的に挙げると
●呼吸のリズム……浅いか深いか
●話し声のリズム、テンポ、抑揚(イントネーシヨン)、
声の高さや低さ
●身体の動き……手脚の動かし方やそのリズム、
脚の組み方やひろげ方、体の方向など。
●皮膚の状態……色の変化、滑らかか荒れているか
●顔の表情………くつろぎの表情など、
故意に作られたものか自然に出たものか
これらの相手の動きに、先ずあなたの動きを合わせていくのです。子供の頃、相手の言葉をその通り「オウム返し」して遊んだことがありますね。それを、言葉だけでなく、相手に気付かれないように、身体の動きを合わせてゆくのです。ちょうど相手をカガミに映したように、相手の動きを、リズムやテンポまでよく観察してなぞって行くのです。これを「相補的ミラーリング」と言います。
★相手の気分を“快”へ導け★
「似た者夫婦」という言葉は、今では死語のようになってきました。お互いに愛し合い、または認め合っているカップルは、だんだんその所業や考え方が似てくると言う意味で使われます。(決して、行動思考が似ているからカップルになったというのではありません)。
離婚が約2分30秒に一組の割合で成立している昨今では、この様なカップルはなかなかお目に掛かれませんね。それも、結婚という本来の目的がズレてきているからです。これは、自分の生活形態を崩さないで、相手と共存しようという無理なことを考えている人達が増えた証です。そこにチューニングや相補的ミラーリングなど起こるべくもなく、人間関係の修復の余地は、ほとんどありません。
昭和から平成になって四半世紀が過ぎ、文明は極度に発展した反面、人間の情動はドクマ(独善)に拍車が掛かり、生活が豊かになった分、自分勝手になり、何をしても満足感を得られず、何を満足の度合いとして良いか分からない欲求不満の人間が増加の一途を辿っています。従って、感謝もなく夢もなく、ただ止め処のない欲望の坩堝に嵌まっていくだけの人間となり、人間関係の破綻を引き起こすのです。
今こそ、情動のシステムである催眠効果を学び、周囲の人達のリーダーとして誘導する術を自分のものにすることこそ、人々の幸福のみならず、わが国日本の発展に繋がると私は信じています。
さて、話しを“ボディーサインを読み取るチューニング”に戻しましょう。呼吸をミラーリング(真似)するのは、呼吸が相手の内面の状態を非常に良く表しているからです。
浅い呼吸の人は、内面が不安定で自信に欠けています。また、浅い呼吸が深くなってきたときは、心がうちとけてきた証拠です。人体は、緊張していると大胸筋や横隔膜共に強張るので呼吸は浅くなり、逆にリラックスしうちとけてくると、筋肉も弛み、肺胞も大きく膨らみ、呼吸が深くなるのです。つまり、感情と筋肉、そして、呼吸は並行移動しているのです。
次に、手脚、身体の動き、座り方や立ち方などは、その人の無意識のリズムを忠実に反映していますので、そのリズムにそっと同調してゆくことで、相手の思考状態まで察知することが出来ます。先々週「臨書」という書道の形があることを紹介しましたが、まさに、“癖”は、思考・行動から発しているのです。その“癖”を真似ることで、その人の思考・行動を推測することができ、そこから、無意識に相手を“快”の状態に導くことで、催眠状態へ誘導する素地が出来るのです。
その続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/