M&Uスクール

潜在意識の有効活用を教える学校”M&Uスクール”のサイト

今週の喝 第407号(2013.2.4〜2013.2.10) この世は全て催眠だ(149)〜先ずはあなた自身が“YOU能力”を身につけよう〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(149
〜先ずはあなた自身が“YOU能力”を身につけよう

 YOU能力とは、相手の態度・行動を尊重して話し合いや人間関係に挑む自分自身の性質のことです。このYOU能力が必要なわけは、「相手がいだいている考え方しか、話し合いをはじめる効果的な出発点がない」からです。
 一見簡単そうに見えるこの手法も、人間の根底に横たわる色々な性質が邪魔をして、なかなか相手を心から尊重すると言う感性にはなりません。その最たるものが、哲学者キェルケゴールが概念を確立し、ニーチェによってポピュラーになった
 「ルサンチマン」
です。ルサンチマンとは、主に
 「強者に対して、弱者がいだく怨念・憎悪・非難の感情」
のことです。
 人は、初めは唯々強者の傲慢や理不尽に対して腹立たしく思い、抵抗を色々と試みようとしますが、如何せん恐怖も手伝ってその感情をストレートな形で表現出来ず、それがだんだん心に鬱積して(潜在意識にインプット)、考え方そのもの(物事を捉えるときの考え方の論理構成)がひねくれて癖化し、やがて恨み・辛み・妬み・嫉みという醜い感情を自分自身の中に育ててしまいます。そしてそれが、その人間の考え方の道筋となり、相手が強者であると認知しただけで、対抗意識や嫌悪感を露わにし、本当の実情を探ることなく、相手に対する観念を「悪」と決めつけてしまいます。人はこのルサンチマン性をもっている人間が大半ではないでしょうか。
 また、弱者でなくても、相手が秀でた能力や形をもっていると、それらに対して反発心やケチを付けようという嫌な心がもたげる人間がとても多いのに驚きます。私はこのような現象を「銀座のママ・シンドローム」と名付けました。

=相手を尊重し、「我と汝」の関係を常に保とう=
 「銀座のママシンドローム」とは、自分自身能力優秀な人材(ホステス)を望みながら、実際に美形で接客態度も抜群な人間(ホステス)が入店してくると、自分の心がどこか落ち着かず、無性に腹が立つと聞いたことがあります。
 そして、それが高じると、意地悪をしたり、イチャモンを付けて追い出してしまうのです。従って、そこのお店にはママ以上のホステスは存在しなくなるというのです。もちろん、みんながみんなこの様な態度に出るわけではありませんが、少なからずもこんな感情を湧かせている人間はいるのです。(銀座のママさん、ゴメンナサイ)
 この心の有様は、自分が店を発展させようという向上心と、嫉妬心の狭間で大いなる矛盾が生じ、自分自身の判断能力が感情的になり、誤った決断や決心をする確立が増大します。リーダーの判断能力の欠如は、それが戦争ならば敗北を意味し、経営ならばやがて崩壊するでしょう。まして、それが今勉強している相手とのコミュニケーションの確立という目的の為であったなら、ゼッタイに良好な説得など成立するわけがありません。
 そして、この心の現象は、企業の経営者や上司部下の関係に於いても、常に表れます。
 「うちの社員は、ろくな奴がオランよ」
などと言って、自分の部下をけなす心の裏には、部下の弱点や欠点を挙げることで、自分の優位性を誇示しようという意識が存在するのです。しかし、そのことを言っている本人は、本当に部下の能力が無いと周りに吹聴しているうちに、自分自身がそのことを信じてしまいますので、やがて、態度や行動が相手の能力を無視したものになり、俗に「優秀な社員を無能に変えて首を切る」人間が出来上がるのです。
 このように、真に相手を尊重する心や態度を修得することが、コミュニケーション確立(説得)の第一要素であることをしっかりと心に認めて下さい。表面上の感覚では絶対に上手くゆきません。なぜなら、人間は「傍目八目理論」で、関係性の薄い者から物事を見ると、意外にも正確な判断ができ、“下心”は見抜かれてしまうのです。 だから、私たちは常にリーダーであらんとする以上、「心・言葉・行動」が一致しているかどうかをもう一度外側から自分の心を見直して(自観法=自分の理性で、自分自身の欲望や感情を観察する)、物事に当たる態度が大切です。

 さて、YOU能力がなぜ良好な説得をもたらすかと言いますと、それは、
 「相手の中にあった材料(リソース)が反応してくる」
からなのです。
 人は、自分が現在興味を持っていることや、感じていること、また考えていることや悩んでいることに触れられたとき、自然に共感性を湧かせその人に傾注し出します。俗に、
 「勉強できない子は、頭が悪いのではなく、その勉強の意味が分からないから、やる気が出ない」
現象と同じです。意味が分かるとは、自分の行動や思考に自分自身が意義を見いだすことです。
 従って、YOU能力をもって接すれば、相手は
 「自分の中にある“自分の声”の言うことを肯(き)きくだけなので、強制された不快感とか、反発の起きようがない」のです。
 だから、「言って聞かす」という、外部から強制的に無理矢理新しい考え方を“注入”したり、治療を“施し”たりしても、何の効果も無く、人を変えることは出来ません。
 人間は須く自分自身の力で変わるのです。そして、その材料は、誰しも自己の中に持っているのです。


その解説は、来週のお楽しみ……('-^*)/