潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの？
この世は全て催眠だ（１３９）
〜人は、無意識にチューニングを身に付ける〜
チューニングの基本、それはちょうどラジオの選曲をするようなものです。相手の隠された波長に、こちらの波長を合わせていくのです。チューニングに成功すれば、共通の話題で意気投合した以上に、相手の心は開いてきます。
人間には、生まれつきのチューニング本能が備わっています。生後2〜3ヶ月の赤ちゃんの前でお母さんが舌を出すと、赤ん坊も口をムニュムニュと動かし、舌を出そうとします。また、母親が赤ん坊に語りかけるところの映像をコンピュータで画像解析すると、赤ん坊の手は、きれいに母親の手の動きに反応（チューニング）していることが分かっています。
また、成人が対話しているところを同じように画像解析すると、話し合っている2人の人間の身体の動きが、だんだん同じようになってくるのです。
私達は、無意識にチューニングを行うことが儘(まま)あります。それは、幼児に話しかけるときには、その子の視線に合わせてしゃがんで話したり、幼児言葉を用いたり、動作を幼児風に合わせたりします。また、老人に話しかけるとき、ゆっくりとした口調で話したり、切々と説くように話しかけたり自然に相手の感性に添った行動パターンを無意識に選抜して用いているのです。
ハーバード大学ビジネスクラスが発行する機関誌にも、昔の記事に、チューニング行動と信頼関係について、
「強い信頼関係で結ばれている者達の間には、ボディー・ランゲージによるコミュニケーションが発達し、大きくそれが展開して行くさまが読み取れる。2人の行動は、互いに鏡に映し合っているように、手を下ろしたり身体の位置を変えたりする動作がほとんど同時に行われる。この動作はとても速いスピードであるため、ビデオ再生でもしない限り、素人には分かりづらいが、人を使う立場にある者は驚くほど目ざといから、互いに動作の映し合いによるこの反応がスムーズに行かなくなることを感じ取る。これが場の雰囲気の乱れとなる」
＝さりげなく、相手の動作に合わせてみよう＝
自然に行われるチューニングは、
「私はあなたに似ています。共通点がたくさんありますよ。だから、警戒をといていい相手なんですよ」
というメッセージなのです。
チューニングの効果には、目に見張るような結果が報告されています。エリクソン博士は、ある精神病院で、5年間一言もモノを言わない患者を受け持ったことがあります。彼は、どう話しかけてもガンとして口を開こうとしません。多くの医師は、とっくにサジを投げ出してしまっていました。
そこで、エリクソン博士は一計を案じたのです。それは、患者の呼吸にチューニングすることを思い付いたのです。
まるで患者と一体化したように、呼吸をしっかりと合わせたのです。そして数日後、完全に呼吸のリズムが合うのを確認した博士は、フッと呼吸のリズムを変えたのです。すると、それにつられるかのように患者の呼吸も変化しました。これは、エリクソン博士の呼吸に患者の側が無意識にチューニングしてきたのです。
こうなればしめたもの！エリクソンはどんどん自分のペースにリードしてゆき、ついに患者の口を開かせ、コミュニケーションに成功したのです。
我々も対面する人の動作を、さりげなく真似てみて下さい。相手が足を組めば、こちらも相手に気付かれないように、一歩遅れて足を組む。ため息をつけば、ため息をつく。頷けば頷くetc.……相手の所作振る舞いや言葉をチューニングしてゆきます。そして、しっかりと習熟できたと思われる時点から、あなたが今度はリードするのです。 これは訓練することによって上達しますので、初めはどうでも良いようなこと……言い換えれば、感情的にしゃかりきにならないような内容から始めると良いでしょう。
私も、ローカル線の旅をしていたときに、前に座った初対面の人に対して、初めは動作や言葉を合わせてゆきました。その後で、売り子が横を通ったとき、何げなく
「アイスクリーム1つ下さい」
と注文すると、相手も
「私もアイスクリーム1つ」
と注文します。
そして、目的地の駅に到着した頃には、予約していた旅館が全く違うにもかかわらず、
「私も、そちらの方面に用事があるから……」
と、わざわざ理由を付けて、私の宿まで送ってくれました。
ご苦労様 m(_ _)m
この続きは、また来週のお楽しみ……('-^*)/
