M&Uスクール

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今週の喝 第395号(2012.11.12〜2012.11.18) この世は全て催眠だ(137)〜厄介なのは、心の贅肉(ぜいにく)〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(137
〜厄介なのは、心の贅肉(ぜいにく)

 “人に好かれる”ことは、人生にとって最高の叡智です。人間は、人に好かれようとして、媚びを売ったり巧言令色を用いても、また、物品やお金を与えても、その場しのぎのお礼や言葉で済まされてしまい、心から敬愛されることはありません。ある意味、人間は媚(こ)び諂(へつら)いや煽(おだ)てに乗りやすいところがあるにもかかわらず、自分が利得のためにこのような言葉や行動をとるときは、全くもって、そんな巧言令色に乗ることはありません。ですから、それはウソだと分かっていても、名誉心や自尊心をくすぐられると、自分の気分良くなるために、相手を「良い人間」と見誤ってしまうのです。そして、あとでほんの少しばかり、冷静になれば気付くのです…(>_<)
 その昔、元東京都知事の故・青島幸男が作詞し植木等の歌で大流行した「スーダラ節」の一節に、
  ♪騙したつもりがちょいと騙された
    俺がそんなにモテるわきゃないよ
     分かっちゃいるけど止められねぇ
とあるように、少し落ち着くと人は自分の本性やレベルを冷静に見るのですが、何せ、煽(おだ)てや媚(こ)びは「快」なる感性をくすぐるので、いとも簡単に術中に填まってしまうのです。
 本当に胡散臭い人間とは、言葉巧みな全く胡散臭さのない人間であることが往々にしてあります。だから、人を見抜くことは“至難の業”と言われるのです。しかも、その原因は自分の心に内在しており、分かっていても誘導されてしまうのですから……。
 もし「今から催眠をかけますよ」と宣言して催眠誘導しても、人間は簡単に催眠に掛かってしまいます。それほど我々の心は、優しさや愛に弱いのです。
 「人は反映の生きもの」と言っても良いくらい、相手の所作振る舞いに左右されます。相手もまた、こちらの態度で反応するのです。自分の所業を冷静に分析すれば、「俺がそんなにモテるわきゃないよ」と理解できるにもかかわらず……。
 これを「心の贅肉(ぜいにく)」といいます。

=人間は影響を受ける!“反映”の生きもの=
 我々人間は、本当に些細な言葉や態度で傷つき、また癒され、時には勇気を湧かせることがあります。他人(世間)は、時には無責任にも土足で我々の心を踏みにじることもあります。「あいつは悪い人間だ」といくら相手を責めてみても、相手もこちらを同じように見ていますから、水掛け論になり、問題が解決するどころか、“心の反映”が作用してリベンジへと発展し、より一層拗(こじ)れることもしばしばです。
 ですから、問題解決を外界に求めようとすれば、それはまるで「火に油を注ぐ」結果になりかねません。ならば、どうすれば良いかというと、自分自身が外界によってかき乱されないように芯を強靱にすることしかありません。
 その方法は、「人間とは何か」をじっくり見つめ研究し、自分自身も全く例外ではない人間の本質を備えていることを意識した上で、人を観察するのです。自分の関わりのある人間の「無意識のリズム」を知るのです。それには、先ず「相手の物マネ」をすることから始めましょう。<姿勢・表情・言葉・行動>全てを相手と同じように映し出してみるのです。
 以前にも書きましたが、私達人間の心(思念)は、肉体(筋肉)と呼吸と平行移動しています。思念が陽気で楽観的(オプティミズム)でプラス方向を向いておれば、筋肉は柔らかく、尚且つ呼吸は深く穏やかです。逆に暗く陰気で悲観的(ペシミズム)の人間は、肩凝り等の現象に現れるように肉体は硬くなり、呼吸は浅く乱れ陰湿になります。
 日本では、応援時の声援を“頑張れ!”と送りますが、これは「頑(かたく)な性を前面に押し出せ!」ということになり、肉体が緊張状態に陥ります。それに引き替え、アメリカ人を見ると、「頑張れ!」の英語版である「Fight(ファイト)!」と言うのかと思いきや、多くの人が何と「Relax(リラックス)!」と言っています。つまり、「落ち着け!肩の力を抜いて平常心でいろ」と言うのです。
 これを聞いて、私は「人口にして約2倍のアメリカ人が、ノーベル賞の受賞において、我々日本人が18人であるのにに対して、彼らは300人以上が受賞している」のが頷けました。人間の能力は、人種によってさほど差はないと私は考えます。しかし、その差は、教育や指導法、その国固有のモノの感じ方や捉え方など、後天的要素が大半を占めると私は考えます。それは、私の生まれ育った西宮市今津という下町で、一人の教師の指導の下、その中学校は、15回も吹奏楽コンクール全国大会金賞を獲得しているからです。
 一人の教師の情熱が生徒の心に反映し、そして「日本一」という精神的“快”がみんなを1つの方向に束ね、その結束のエネルギーが過酷な練習への忍耐となって集結し、それが先輩から後輩へと伝播していったのです。そして、それが継続力を伴うことで、やがて「Tradition=伝統」へと進化し、他にはマネの出来ないような偉業となり、やがて伝説となります。すなわち、これは「立派な催眠(トランス)」状態なのです。


その解説は、来週のお楽しみ……('-^*)/