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今週の喝 第378号(2012.7.16〜2012.7.22) この世は全て催眠だ(120)〜「オーバーフロー」の悪魔〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(120
〜「オーバーフロー」の悪魔

 「集中」と「執着」の違いは、簡単に言うと、「内側」と「外側」の違いと言って良いでしょう。もっと深めて言うと、執着心は自分の外側にある物質や事象によって、人間が生まれながらにして持っている欲望(五欲:寝、食、性、金、名)が触発され、その欲望自体が発する“快”によって、自分の心が偏ってしまった心です。
 それは、外側(物欲から発した執着)によって、内側(心)がかき乱されたのです。しかし、ここに心地よいという快楽が、初めは存在しますので、それがやがて習慣化(癖化)され、自制が効かなくなってしまい、心がそこから離れられなくなるのです。
 平たく言えば、一時的な「快」によってコントロールされたのです。科学的に言えば、これこそ「催眠状態」なのです。
 しかし、これらの欲望は、足る(これで十分だという心)ことを知らない(不足と感じる)ため、常に心は欲求不満に陥ります。また、一時的な「快」は貪る心を誘発するため、何事もオーバーフロー(過ぎる)の状態を生みます。心は肉体の舵取り装置なので、心が何事もオーバーフロー状態に誘導するため、身体も常に、オーバーフローの状態になります。単純なところでは、食べ過ぎ、飲み過ぎ、寝過ぎ、目新しいものへの執着など、全てが癖化されるため、肉体は悲鳴をあげるにもかかわらず、止(とど)まることを知りません。そして、挙げ句の果てに身体調整不能の状態にまで行き着き、病気を誘発してしまうのです。
 現在、生活習慣病と呼ばれるもののほとんどが、このオーバーフローを引き起こしたその人間が取り込んだと言えるのです。

=苦しみは、天が与えた警鐘装置=
 釈迦もキリストも、このオーバーフローをもたらす執着心のことを“悪魔”と呼び、自分の心中にマイナスの種があることを示唆し、それを戒めました。
 天(法則)は、我々に“苦”をもって、このオーバーフローを阻止しようとします。端的に言うと“苦”は天が我々に与えたネガティブ・インジケーター(警鐘装置)です。
 このことに気付いた釈迦は、
 「苦しみは、人間の天(摂理)に対する修正機構だということを、どのように衆生(一般の人)に伝えようか」
と模索し、あの壮大な仏教理念を、あらゆる人間のケースワークに当てはめて説いていきました。
 「人を見て法を説け」……対機説法(たいきせつぽう)と呼ばれるこの説得法は、釈迦の業績の最たるものだと私は思います。
 いくら“苦”が、自分の誤りの証であると説いても、
 「苦しいものは苦しい!」
そして、人間の心には、「自分がやることは(確証無しに)正しい」と思う「名誉心」が居座っています。その結果、人は常に“快”を「外側」に求め、彷徨(さまよ)い続けるのです。また、未病状態(病気になる要因は揃っているが、発病していないため“苦”が生じていない)の時に、周りが
 「そんなに甘いものを食べすぎると糖尿病になるよ」
と、警鐘を鳴らしても
 「甘いものを食べずして何の人生か!」
などと大見得を張ります。そして発病!身も心も疲弊してしまうのです。心によってコントロールされている身体が、その両方とも方策を失う訳ですから、まさしく身体の病は、気の病(病気)なのです。
 釈迦は、病気の全て、災難の全てが自分の内側の“心構え”によって克服できることを知っていたので、彼らを「宥(なだ)め、賺(すか)し、慰(なぐさ)め、叱咤(しつた)」を適宜用いて、「全ての原因が内側にある」ことを伝えたのです。
 ある人間には、正しい行い“八正道”を説き、また別の人間には、禁止令で“八戒”を命じました。それは、人それぞれの性質や症状、心の様相の違いを適切に掌握した行為ですが、一般人から見れば、
 「“人を見て法を説く”とは<二枚舌>のように支離滅裂だ」
と感じたことでしょう。
 しかし釈迦は、人間のあるべき姿(=理想)をしっかりと持っていましたので、その“形”になるように、じっくりと衆生を誘導して行きました。そして、人の心には、「五欲からスタートした執着が、やがてオーバーフローに気付き、その対処法を理解し、それを実践に移すというプロセスを発見するようなメカニズムがある」ことを伝える方法として、「修行」を考案したのです。
 苦を克服するとは、自分の誤りに気付き、それを是正することです。それも、心身共にその境地に到達する必要があるのです。つまり、心と行動が一致することからスタートすることを先ず教えたのです。
 「集中力こそ、心身一如の根源的エネルギー」
と気付かせるために、己の内側を徹底的に探らせたのです。
 近代催眠(NLP=神経言語プログラム)の創始者であるエリクソン博士も、幼少期に発病したポリオ(小児麻痺=苦)から、これに気付き、心の法則(情動のシステム)に従い、あらゆるケースワークを用いて人々を正しい道に誘導し、救いの手をさしのべました。仏教徒の皆さんからは「不謹慎だ!」と言われそうですが、私の研究では、
 「お釈迦さまは、催眠誘導の達人だった」
と感じるのです。m(_ _)m

この続きは、また来週のお楽しみ……('-^*)/