潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの？
この世は全て催眠だ（１０１）
〜神の啓示は、「出逢い」と言う形態以外の方法はとらない〜
“宇宙の意志”は、全てのものに温度差を与え、不安定な状態の中から安定へと昇華しようとするエネルギーを抽出するのです。人間の場合、苦を乗り越える時に大きな気付きがもたらされ、それが人を成長させてゆきます。また、肉体に関しても、マラソンetc.で言われるランナーズ・ハイという悦状態は、ある苦しみのラインを乗り越えた時に起こります。
この世にあるもの全てが、温度差によって造り出された不安定を定常化しようとするところに、エネルギーが生じるのです。それが、自然智、暗黙知などと呼ばれる潜在意識……もっと大所から見ると宇宙的無意識の作為(しわざ)なのです。
個人的無意識・家族的無意識・集合的無意識・生命的無意識・宇宙的無意識と、潜在意識を深さのレベルで解説してきましたが、どのレベルであれ我々人間は、無意識との交流が活発な人間が大きな所業を為していることだけは事実です。
そして、それら神の啓示とも言えるシグナルは、“出逢い”と言う形以外で訪れることはありません。例えば、ある事業を始めようとイメージし、それが潜在意識に透徹するまで念じても、突然目の前に、工場や資本金が天からドサッと落ちてきたなどと言うことは起こりません。しかし、不意な出逢い……それは、人間同士の場合もあるでしょうし、また、隣の人の読む新聞からのヒントの場合もあるでしょう。このようにあらゆる、出逢いが媒体となって、その人に“気付き”を喚起し、その気付きやヒントから得たアイデアによって行動の方向性が決まり、その目標に向かって情熱を燃やしながら進んでゆくのです。
＝あなたは、潜在意識に身を任せるだけでよい！＝
「出逢い」をその人間がどのように感じるかによって、人の運命は変わってきます。古来より「猫に小判」ということわざがあるように、価値を見いだせなければ、それは塵(ちり)芥(あくた)と同じです。“価値を見いだす心”とは、平素よりあらゆる事象に対して、その本質的要素を考え、私利私欲ではなく、俯瞰的見地からものを見る目を養って、初めてその心が芽生えてくるのです。俗に、己の我欲に振り回されない心のことを、「とらわれない心」と元薬師寺官長・高田好胤師が説かれたように、偏見から離れないと“価値”を見いだすことは不可能でしょう。
以前にも書きましたように、極貧の中から天の摂理の啓示を受けた天地教開祖・中山みき、大本教開祖・出口なおなどは、苦を教授する精神性より偏見のない正見の心を授かり、根源的無意識からの厖大なメッセージ「お筆先」を残したのです。それはごく自然に、しかも、彼女たちが無意識のうちに行動に移したのでした。同様に、素晴らしい芸術家や、時には、政治を変えるような行動に出る（例えば坂本龍馬のような）人物も、数々の出逢いが不思議な綾を織りなすように（導かれるように）、大いなる所業を為してゆきます。それは、その人間の叡智をはるかに超え、まるで、聖者のようにその事柄にまっしぐらに進んでゆきます。そして、そこには迷いも惑いも無く、ただ前進するバイタリティのみが感じられるのです。これらは、全て集合無意識から突き上げてくるマグマのように、潜在意識から吹き出すパラダイム･シフトのエネルギーなのです。
その昔、作家・遠藤周作がある講演会で、
「無意識の中にひそむ“欲望や執着”などは、罪の原因であるとともに、救いの可能性をふくんでいる。また、無意識の中にこそ、人間が実現していかねばならない物語のタネが潜んでいるのではないだろうか」
と述べています。つまり、人間は、自分一人ではなく“自分を越えた自分（＝潜在意識）”の存在が、苦を乗り越えた時に起こるランナーズ・ハイのような至福のエネルギーとなって我々を暗黙知で満たし、偉大な業績を残す原動力の役割を果たすのです。弘法大師は、このように自分一人でいても“自分を越えた自分の存在（＝神･仏）”と共にいる……つまり“同行二人(どうぎようににん)”と明快に説きました。
遠藤周作の言う「物語のタネ」に到達しようと、昔から人間はすさまじい血と汗を流してきました。それは、苦によってあがなわれるため、ヨガ、瞑想、断食、祈り、修(しゆ)験(げん)などあらゆる自己超越を目指す行に挑んでゆきました。
その頂点とも言える比叡山千日回峰、出羽三山、大峰山、身延山などの荒行など、現在も行われています。それは、
「瞑想しようとするのではなく、己自身を越えた何か大きな力が己自身を変えてゆくのに任せよ」
と言っているのです。これは、
「生命＝宇宙的無意識の力を信頼しその力に身を委ねよ」
との霊示なのです。
この続きは、また来週のお楽しみ……('-^*)/
