M&Uスクール

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今週の喝 第353号(2012.1.23〜2012.1.29) この世は全て催眠だ(95)〜人間はスーパーコンピュータ!〜

潜在意識の大活用・あなたが変われば全てが変わる
潜在意識ってどんなもの?

この世は全て催眠だ(95
〜人間はスーパーコンピュータ!

 コンピュータの発達は、目を見張るものがあります。映画のCGなど、何が本物でどれが合成かの見分けが本当に付きにくくなってきました。これは、それに携わる多くの人間の執念と改良の成果です。我々がいとも簡単に電車の改札口を通りぬける自動改札機もその実用化には“プロジェクトX”の番組になるほど、失敗、挫折、修正、改良、気力、前進の繰り返しでした。
 チキンラーメンの開発者・安藤百福氏然り、自分自身が簡単に美味しいラーメンが食べたいと思うことによって、それを開発しようとする精神がうまれ、松下幸之助の名言「成功するまで諦めない人間が成功者となる」の如く連綿と続けた結果です。
 現代社会の便利さは、このような努力の人の上に成り立つ膨大な知恵の集積と言えるでしょう。しかし、それを用いる人間は、それがいとも簡単にできているように思い、その努力など微塵も感じることなく安易に用いています。“便利”とは便利と感じないからこそ便利なのですが……。
 本田技研が開発した人型ロボット・アシモが二足歩行をするまでの開発過程をTV番組で見たことがありますが、それは膨大な計算とセンサーの設置によって成り立っています。しかし、我々人間の二足歩行は、幼児を見れば分かるようにいとも簡単に体得してしまいます。
 また、幼児がお母さんの顔を見分け、その微妙な表情の変化から気分を読み取り、“叱られる”と分かればそれに即座に反応することもごく自然に行います。
 これは、物の形や図形を知ろうとする場合、それらの物体の部分について一つひとつ分からなくても、全体的な特徴を一瞬にしてつかみ取ることが出来る能力を持っているからです。

=不思議な不思議な無意識のパワー!=
 我々の意識の底には、このように断片的知識の集まりを、ひとつの意味ある“まとまり”にまとめ上げ、
 「わかった!」
と叫ばせてくれる“見えない力”があるのです。
 その力を、ハンガリーの哲学者マイケル・ポランニーは、
 「暗黙の知恵=Track Knowing」
と呼び、その解明に力を注ぎました。もちろんこの力こそ無意識の働きであり、潜在意識のもつ強力なパワーです。
 また、ポランニーは、物質が変化したり、問題が解決するときには、それまでとはまったく異なった一段高い次元へ思考や構造がジャンプするように見えるところから、そうさせる力は何であるかを考え抜き、そのジャンプ力を
 「創発=Emergence」
と名付けました。
 これは、以前お話しした宇宙的無意識(コズミツク・マインド)に近い、根源的なパワーです。この論文を読んだ、アメリカの精神心理学者スタニスラフ・グロフは、
 「創造的知性が、宇宙という織物にしっかりと織り込まれている」
と表現しています。つまり、宇宙そのものが想像力を持っているというのです。
 昨年のノーベル物理学賞は、その想像力の根源とも言うべき“ダーク・エネルギー”の存在を最遠の宇宙を観測することによって明らかにした、パールムッター、リース、シュミットの3博士が受賞しました。
 このジャンプ力のお陰で、単細胞生物は人間へと進化することが出来ました。そして、その力の申し子である我々には、当然、そのパワーが分け与えられているのです。それが、「暗黙知」であり「創発」(=創造力)なのです。
 ユング心理学の山中康裕・京都大学名誉教授が、この暗黙知がどのように働いているかを、重い自閉症の子供を研究して紹介しています。
 「重症で、本当の意味で人間的な能力を全部振り切ってしまっているといった状態の子供ですが、そのような子が3歳にしか過ぎないのに自動車の往来の激しい大通りを信号も見ずに突っ切ります。車の間をヒラリヒラリと縫って走り、向こう側にわたってまた戻ってくる。こちらがヒヤヒヤするもどこ吹く風。階段を風のようにパーッと下りてきたり、塀の上を猫のように歩いたりする。ところが治療を始めて自閉症的な物が薄れてくると、このような“能力”も消えてくる」
と、語っています。それまで、いとも身軽にぴょんぴょん跳んでいた階段を、今度は汗をかいて降りなければならないようになってしまうのです。
 このように、無意識で何となくやりこなせていたことを、意識でやるようになると、かえって難しくなってしまうのです。

この続きは、また来週のお楽しみ……('-^*)/